cakes読者のみなさま、こんにちは。2017年、平成29年がスタートしました。そういえば平成という元号もどうやらあと少し。昭和世代、平成世代、次はどんな呼び方になるんだろう。そんなことを考えつつ、どなたさまも、今年もよろしくお願いします。
乾杯して、飲んで、食べて、しゃべって、また乾杯しての年末年始も過ぎ、今週後半あたりからやっといつものペースに落ち着いたけれど、胃はお疲れ気味。じゃないですか? 家で食べるなら、ご馳走よりも身体が癒されるようなメニューがいい。そんな方もきっと多いはず。だから今週は、おなかも心も温まるような身体にやさしい料理をご紹介します。材料は、旬のたらにじゃがいも、青菜少々にお米のみ。味の核はたらの旨味とじゃがいものだしです。
たらとじゃがいものコンビは、ポルトガルでは鉄板の組み合わせ。もっともポルトガルでは、たらといえば干しだら(ポルトガル語でバカリャウ)の方が断然ポピュラーで、以前にご紹介した「ピポグランタン」や「たらのコロッケ」などは、干しだら+じゃがいもの代表格。干しだらを水に数時間から数日間漬け、程よく塩を抜き柔らかく戻したら、煮たり、焼いたり、揚げたり、炒めたり、グラタン、サラダにと、様々な調理法で楽しんでいるのです。
今回のようにスープ仕立てにすると、じゃがいもの控えめながらしみじみする旨味や程よいとろみがベースになって、いい仕事をしてくれます。味付けは塩だけで、ほかに何もいりません。お米は軽く煮てさらっと仕上げるのがコツ。さらさらにするのは、煮たて過ぎないほかにポイントがもう一つ。それは押し麦。私は普段から、ごはんに1~2割程度押し麦を入れて炊いているのですが、白米100%よりも口当たりが軽く、おかゆにするとさらりと、チャーハンもぱらりと仕上がります。ドリアやカレーのように粘度の高いソースと合わせるときも、ぱらりとした押し麦ご飯は口当たりが軽くて食べやすい。食物繊維も自然と取れるので、押し麦ごはん、おすすめです。
そしてこのおかゆは、軽めの白ワインなどにもよく合います。ポルトガルのヴィーニョヴェルデ(緑のワイン)のような、酸を感じるタイプがとくにおすすめ。うーん、胃は労わりつつも、やっぱりワインを飲まずにはいられない!
Menu do dia本日のメニュー
「鱈とじゃがいも、かぶの葉のポルトガル風おかゆ」
・たら(甘塩たらがそのまま使えて便利)切り身 1枚
・ご飯 1杯分
・じゃがいも 1個
・かぶの葉(大根の葉、小松菜でも)数本
・水 500ml
・酒(または白ワイン)大さじ1
・塩、オリーブオイル 各適宜
つくり方
じゃがいもは皮を向いて適当に切る。
かぶの葉はみじん切りする。代わりに大根の葉や小松菜でもよい。色味が加わり、食感や味わいがいいアクセントになります。コリアンダーが好きな方は、コリアンダーも合います。
たらは塩を両面にふり(甘塩たらならそのまま)、酒をふってラップをし、
電子レンジ(600W)で1分半ほど加熱する。粗熱を取り、皮と骨を外す。皿にたまったスープは美味しいだしになるので、捨てずにとっておく。
鍋にじゃがいもと水を入れ、柔らかくなるまで煮たらマッシャーやへらなどで粗くつぶす。
さらにご飯(押し麦を加えて炊いたご飯がおすすめ)を入れ、
ほぐしながら軽くまぜてふたをし、1~2分ほど沸くまで煮る。
さらにたらをスープごと入れ、
再びふたをして軽く煮て、味をみて塩で調え、仕上げにかぶの葉を加えます。
かぶの葉は、ごはんとさっと和えれば余熱で程よく火がとおりますが、しっかり火をとおしたい人はひと煮立ちさせてください。
器に盛って、新鮮で香りのよいオリーブオイルをひとまわしすれば完成。
ワインと一緒もおすすめです。
今回この料理に合わせたのは、ポルトガルの緑のワイン「ヴィーニョヴェルデ」の1本です。泡が溶け込む微炭酸で爽やかな飲み心地、心地よい酸、アルコールも9~11%と低めで、魚介系の料理やさっぱり塩味の和食とも相性がいい。
「エイラ ドス モウロス ブランコ 」1070円(税込み)。
ポルトガル北部ミーニョ地方のぶどう3種をブレンドしていて、フレッシュで軽やか、ふんわり柑橘系の香りとブドウの旨味もあり、ほどよい飲み心地。そして微発泡。そしてそして、価格も優秀。まさにデイリーにおすすめです。
では、やさしいポルトガル風おかゆとヴィーニョヴェルデで、よい週末を!