食感と旨味を楽しむ「ソラマメとベーコンのワイン蒸しご飯」

今回は、旬の空豆に、ベーコンとワインを組み合わせたごはん料理です。実はポルトガルでもよく食べられているソラマメ、皮ごと食べるのか普通なんだとか。皮付きのほっくりした食感、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか? もちろんワインとの相性も抜群です!

cakes読者のみなさま、こんにちは。

4月も終盤、もうすぐ5月ですね。数週間前まで見事な桜並木だった沿道の木々は、きれいに散って葉桜になり、青々とした新緑が風に吹かれると、さわさわと音を立てています。目に眩しいほどの鮮やかな緑を見ていると、自分もどこかが新しくなったかのような、新鮮な何かをもらって、元気になれるような気がするのはどうしてでしょう。緑は生命力そのものを表す色、見るのはもちろん、食べてもどんどん元気になれる気がします。

穏やかな春から活発な夏へと移り変わりはじめる、いや、春に別れを告げるこの時期は、旬の短い山菜やたけのこなど、季節を象徴する山の幸が次々と店先に並びます。そのなかでも、春と夏の中継ぎとしてこれから旬を迎えるのがソラマメ。コロンと太った緑の丈夫なさやの中で、綿のようなベッドに横たわりながらぷっくり育ったあの豆の独特の味といったら。ほろ苦いような少しクセのある味わいが、夏への入り口を感じさせます。

空豆は日本らしい豆、と思いきや、実はポルトガルでも愛されている食材です。以前も「ソラマメとベーコンのワイン蒸し」でその辺りのエピソードをご紹介しましたが、日本とポルトガルのソラマメに、さほど大きな違いはありません。でも、食べ方には大きな違いがあります。それは、皮ごと料理するか、皮をむくかの違い。ポルトガルでは、さやから豆を出したら、薄皮をむくことはあまりありません。えっ、皮固くないの?と思われるでしょうが、食べてみるとこれが結構いける。蒸された皮はすっかり柔らかくなり、その分皮に守られた豆の食感はほっくりしているので、そのコントラストも楽しめるのです。皮付き空豆、だまされたと思って、ぜひ1度トライして欲しいです。

今回は、「ソラマメとベーコンのワイン蒸し」をさらにごはんものにアレンジしました。以前このレシピを作ったときに、せっかくだからごはんものにもアレンジしようと家で何度か作っていました。そして、食べながら思っていたのです。もしかしたら、ごはんアレンジしたほうがもっと好きかもって。

そんなわけで今回は、ほっくりソラマメとベーコンの旨味たっぷりの、ごはんの紹介です。もちろん、ワインがばっちり合いますよ! 料理にもワインを使うので、飲むつもりのワインを使えば相性最高です。

Menu do dia 本日のメニュー

「ソラマメとベーコンのワイン蒸しご飯」

■材料(2人分)

ソラマメ 30粒(10本)
薄切りベーコン 40g
米 1/2カップ+押し麦 1/2カップ
玉ねぎ 1/2個
にんにく 1片
オリーブオイル 大さじ1
白ワイン 大さじ2
お湯 300CC
無添加顆粒コンソメ 1袋(4.5g)
塩、黒こしょう 各適宜

■つくり方
ベーコンは細切り、玉ねぎとにんにくはみじん切りする。フライパンにオリーブオイルとベーコン、玉ねぎを入れ、中弱火にかけてふたをし、しんなり透き通るまで蒸し焼きにする。さらににんにくを加えて炒める。

全体を軽く混ぜ、ソラマメを皮ごと入れ、塩少々、白ワインを加えて3分ほど炒める。

ソラマメの表面がしっとりしてきたら米と押し麦を加え、全体を弱火で軽く炒め合わせ、顆粒コンソメをよく溶かしたお湯を加える。

ふたをし、沸くまで2~3分強火にかける。沸いたらごく弱火に落として8~10分炊く。

火を止めて一度全体を軽く混ぜ、蒸気が米に落ちないように布をかませ、ふたをしてそのまま5分蒸らす。

もう一度軽く混ぜて完成。

器に盛り、黒こしょうを挽いてどうぞ。

今回この料理に合わせたワインはこちら。
今回は海から数キロしか離れていない、リスボン地方で造られている白。ほっくりと淡い味わいの旬のソラマメやベーコンの燻製香、塩味にぴったりくる、軽やかでミネラルも感じる白ワインです。

「ピンタネグラ ブランコ 」1220円(税込み)。

白い花を思わせるポルトガル固有の土着ぶどう品種フェルナンピレスと、ミネラルを感じ、酸も特徴的なポルトガル固有のぶどう品種アリントを合わせた、豊かな香り、締った酸、ほどよいミネラル感を感じる白。ブランド名のピンタネグラとは、ほくろの意味。リスボン地方の畑でぶどう造りに精を出すほくろがキュートな農夫に醸造家が敬意を払い、ワインの名前にしたそう。ラベルもすっきりして、初夏を思わせます。

それでは、旬のソラマメごはんと花の香りの白で、よい週末を!


お知らせ


「あなたと旅するポルトガル ワイン&フード」
六本木ミッドタウンIDÉE CAFEにて、2017年5月~8月の毎月1回、 ポルトガルワインとおつまみを楽しむイベントを開催します。
第2回日時:5月26日(金)18:30~20:30
テーマ:「初夏にぴったり心地よい自然派ワイン」ポルトガルの自然派10種が集まる珍しい機会です。
場所:IDEÉ CAFE PARC(東京ミッドタウン3FのIDEE店舗隣)
内容:ポルトガルの食文化・ワインに関するショートセミナーを開催。その後テーマに沿ったポルトガルワインの試飲10種とポルトガルを感じる軽いおつまみを提供します。
会費:5000円(予定)

いつもの食材があっという間に異国の味に。がっつり食べてお腹も満足、なぜだかお酒が止まらない!

ケイクス

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ポルトガル食堂

馬田草織

ポルトガルや南蛮絡みのエピソードが大好きな編集者・ライターの馬田草織さんが、仕事現場や旅先、日常で気になった食のサムシングと、それにちなむおつまみ&ぴったりなお酒を月替わりでご紹介していく、家飲みも外飲みも楽しむ人へ捧げる至福のほろ酔...もっと読む

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    コメント

    marekingu #スマートニュース 3年弱前 replyretweetfavorite

    One_Kiss_B #SmartNews おいしそっ(⁎⁍̴̀﹃ ⁍̴́⁎) https://t.co/1nnxHVkXLi 3年弱前 replyretweetfavorite

    koziseren お…美味しそう… ソラマメってあんまり食べたことないんだけど、こうやって食べればいいのか…。 3年弱前 replyretweetfavorite

    rakaxa |馬田草織 @saoribada |ポルトガル食堂 そら豆の内側の皮、意外に美味しいよね。 https://t.co/u2FtQWXryn 3年弱前 replyretweetfavorite