和製ジェノベーゼが爽やかな「ズッキーニの大葉ジェノヴェーゼソース」

じりじりと夏の日差しを感じはじめた今日この頃。こんな時におすすめなのが、清涼感のある大葉とズッキーニを使った今回の料理です。ズッキーニを軽くゆで、大葉とごまたっぷりの和製ジェノヴェーゼソースと和えれば、爽やかさ抜群の野菜のつまみが完成します。ぜひ豊潤でリッチな味わいのポルトガルワインとともにお試しください。

cakes読者のみなさま、こんにちは

雨の日の合間に、ときおり夏っぽい陽射しの暑い日が増えてくるこの時期。俄然口にしたくなるのは、清涼感のある薬味を使った料理です。なかでも好きなのは大葉。あのシソの青い清々しさは、ほんの少量でも存在感抜群、加えるだけで料理がグレードアップするから、ついついなんにでも使ってしまいます。

冷奴や納豆の薬味などはもちろん、麺類やごはんもの、刺身、味噌汁にパスタ、肉料理などとも相性良し。こうやって改めて考えてみると、大葉と合わないものを探す方が難しいくらい。バジル代わりにたっぷり使って、和製ジェノヴェーゼソースを作ることもあります。このソースは、パスタに合わせると夏らしい1品に。その場合オイルサーディンを加えるのがおすすめ。トマトと組み合わせて冷製にするのもいいですね。あれ、このままだと今日ご紹介しようと思っている料理から離れていきそうなので、パスタレシピは次回以降にとっておいて。

この和製ジェノヴェーゼソースに合わせるのはズッキーニ。ズッキーニってきゅうりの仲間かと思いきや、かぼちゃの仲間なんですよね。加熱に強いのもうなずけます。夏は煮たり焼いたり揚げたりといろいろなズッキーニの食べ方がありますが、珍しいところではゆでるっていう選択もあり。薄く切って食感が残るぐらいにさっとゆで、バジル代わりに大葉と、松の実の代わりにごまをたっぷり、パルミジャーノチーズのこくとほんのりにんにくをきかせた和製ジェノヴェーゼソースと和えれば、爽やかさ抜群の野菜のつまみが完成します。

では、作っていきましょう。

Menu do dia 本日のメニュー

「ズッキーニの大葉ジェノヴェーゼソース」

材料(作りやすい量)

ズッキーニ 1本
大葉 8~10枚
白炒りごま 大さじ2
にんにく 1/2片
削ったパルミジャーノチーズ(市販の粉チーズでも)大さじ2
オリーブオイル 大さじ2
塩 適宜

つくり方

ズッキーニは縦半分に切り、

さらに縦に薄切りする。

黄色いズッキーニも加えると、色合いもきれいです。

鍋にワイン少々を加えた湯を沸かし(分量外)、薄切りズッキーニを食感が残るぐらいにさっとゆでる。1分程度が目安。

すぐにざるに引き上げて、冷ます。

冷ましている間にソースを作る。大葉はみじん切り、にんにくはすりおろす。白炒りごまは、すり鉢とすりこぎでするか、刻む。すりたて、刻みたてのごまは香りが段違いにいいのです(もちろん市販のすりごまでも大丈夫)。

ちなみにごまを切るときは、そのままだとまな板の上にごまが飛び散るので、キッチンペーパーを広げてごまを挟み、ペーパーの上からざくざく切ると、スムーズ。

大葉、白ごま、削ったパルミジャーノチーズ、オリーブオイルをボウルに入れ、よく混ぜ、味をみてで調えてソースは完成。

ちなみにフードプロセッサーやミキサーがある人は、材料をすべて入れて攪拌すれば一瞬でソースが完成です。

このソースに冷ましたズッキーニを加え、よく和えます。もう一度味をみて、塩で調えて出来上がり。

このままでもいいですが、冷やしていただくとより爽やか。

今回この料理に合わせたワインはこちら。

ポルトガルが誇る人気醸造家、アンセルモ・メンデスが造る、豊潤な味わいのヴィーニョヴェルデ(緑のワイン)。
「アンセルモメンデス ムロス・アンティゴス アルヴァリーニョ2016 」2376円(税込み)。

爽やかで微発泡、フレッシュで気軽な通常のヴィーニョヴェルデとは違う、豊潤でリッチな味わいのいわゆるニューヴェルデ。高貴品種の土着ぶどうアルヴァリーニョ100%を使用し、トロピカルフルーツのような明るい華やかな香りが広がり、ミネラル感ぎっしりたっぷり、味わいもしっかり。飲みごたえのある、また長期熟成にも耐えうるヴィーニョヴェルデです。和ハーブともいえる大葉の青い香りはアルヴァリーニョのフルーティーさともよく合い、またにんにくやごまのコクもこのワインのコクと相性良しです。

ところで。この人気醸造家のアンセルモ・メンデスさんとは、もう10年も前のことですが、ポルトガル南部のアレンテージョの田舎町のレストランで、偶然一緒に食事をする機会がありました。
私にポルトガルのことをいろいろと教えてくれた醸造家の友人達が、アンセルモ・メンデスさんから自分のワインにアドヴァイスをもらう約束をしていたのです。昼過ぎから4時間近くの長い食事をご一緒し、その間も彼の携帯電話はひっきりなしに鳴っていて本当に忙しそう。料理を食べ、ワインを飲み、しゃべって、ちょっと電話に出て、またしゃべっての、実に賑やかな食事でした。
私が別れ際、アンセルモ・メンデスさんに「あなたとはまたお会いする気がします。東京にいらしたらお電話くださいね」と挨拶をしたら、醸造家の友人達がいっせいに「サヨォーリ、この人はワイン界の法王なんだ! そんなに簡単に会えないんだってば!」とそれはもう力一杯説明されたことを思い出します。おかしかったなあ。
ちなみにその後、アンセルモ・メンデスさんとはチャンスはありながらいつもタイミングが合わず、いまだに再会できていません。そろそろどこかでお会いしたいなあ。このワインを飲みながら。

それでは、清涼感たっぷりのズッキーニと、
ポルトガルの豊潤なヴィーニョヴェルデでよい週末を!


「あなたと旅するポルトガル ワイン&フード」
六本木ミッドタウンIDÉE CAFEにて、2017年5月~8月の毎月1回、 ポルトガルワインとおつまみを楽しむイベントを開催します。
第4回日時:7月27日(木)18:30~20:30
テーマ:「盛夏を楽しむ!緑のワインや自然派、ポートやマデイラなど個性派が10本集合します。」
場所:IDEÉ CAFE PARC(東京ミッドタウン3FのIDEE店舗隣)
内容:ポルトガルの食文化・ワインに関するショートセミナーを開催。その後テーマに沿ったワインの試飲10種とポルトガルを感じる軽いおつまみを提供します。
会費:5000円(予定)
お申し込みは03-5413-3455

いつもの食材があっという間に異国の味に。がっつり食べてお腹も満足、なぜだかお酒が止まらない!

ケイクス

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ポルトガル食堂

馬田草織

ポルトガルや南蛮絡みのエピソードが大好きな編集者・ライターの馬田草織さんが、仕事現場や旅先、日常で気になった食のサムシングと、それにちなむおつまみ&ぴったりなお酒を月替わりでご紹介していく、家飲みも外飲みも楽しむ人へ捧げる至福のほろ酔...もっと読む

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    コメント

    gohstofcain あ、大葉ジェノベーゼは馬田さおりさんのこちらのレシピです。 https://t.co/iZ28NaKjRH 2年以上前 replyretweetfavorite

    tomshirai パルミジャーノの代わりにミモレットで作ったが美味しかった。小学生の長男がバクバク食べた。 2年以上前 replyretweetfavorite

    tani_345 つくりたい 2年以上前 replyretweetfavorite

    eripoppins さっそく作った。これに合うガラスの器がないのが残念。ゆがいたズッキーニが美味しいし、何より見た目がオシャレ。レシピは以下 ズッキーニの和製ジェノベーゼソース https://t.co/sWoxrs29b1 https://t.co/oF9zxengso 2年以上前 replyretweetfavorite