秋の味覚、食欲を誘うしいたけが香り立つ「しいたけのグラタン風」

今回馬田草織さんが紹介してくれるのは、前回に続いて秋の味覚、きのこの料理です。ぷりっぷりのしいたけの傘をお皿にした「しいたけのグラタン風」。食欲を誘う香りと、口いっぱいに広がる旨味が絶品のレシピ、ぜひお試しください!

cakes読者のみなさま、こんにちは。

秋、ですね。前回に続き、秋を象徴するきのこ推しです。今回の主役はしいたけ。

以前、しいたけの名産地でもある大分県出身のシェフに、幼いころのしいたけの想い出を取材したことがありました。ちょっと想像はしていたのですが、やっぱり年中しいたけ料理だったそう。だってしいたけは生だけじゃない、干ししいたけもありますから、年中旬がやってくる。みそ汁や煮物、炒め物はもちろん、素麺のつけだれのだしまで干ししいたけで取っていたそう。その反動で、大人になってから素麺だけは、昆布とかつおのだしのたれを満喫していると話していました。

そんなしいたけに囲まれて育ったシェフ曰く、やっぱり一番おいしい食べ方は丸ごとのグリル。こんがり焼けて、うま味たっぷりの水分が傘に溜まってきたら、しょうゆをひとたらし。もう、香ばしい香りだけでごはんがすすみそうです。家庭なら、魚焼きグリルやトースターが簡単。しいたけはそのまま焼いてももちろんいいのですが、オリーブオイルやバター、ごま油を加えると、味や香りに変化が出てまた楽しいです。

今回は、そんなしいたけグリルの香ばしさにボリューム感をプラスした、きのこのグラタン風をご紹介。旬の生しいたけを一袋買ったら、一番大きな傘のしいたけをこの料理に使ってください。

では、パパッと作っていきましょう。

Menu do dia 本日のメニュー

「しいたけのグラタン風」

材料(1人前)
しいたけ 3~4枚
じゃがいも 1個(小2個)
にんにく 大1片
玉ねぎ 1/4個
オリーブオイル 大さじ2
シュレッドチーズ(グリル用)大さじ4
イタリアンパセリ、塩、黒こしょう 各適宜

つくり方

しいたけ2枚は皿代わりにするので、石突を取る。肉厚な場合は、傘の表面に軽く十字の切れ目を入れておくと中まで火がとおりやすい。

残りのしいたけ(石突も)玉ねぎにんにくイタリアンパセリはみじん切りする。

じゃがいもは、茹でるか蒸すかラップにくるんで電子レンジで加熱して皮を剥き、ひと口大より小さめに粗く切る。

フライパンにオリーブオイル玉ねぎにんにくを入れ、ごく弱火でじっくりと、香りが立ってしっとりするまで炒める。

玉ねぎがしっとりしたらしいたけを加え、弱火のまま加熱する。

全体がしんなりまとまってきたらじゃがいもを加え、こしょうをふってさらに炒める。しいたけ玉ねぎの旨味をじゃがいもに絡ませるようなイメージ。

よく炒めてじゃがいもにも味が絡んだら、仕上げにイタリアンパセリを加え、すっきり清涼感をプラス。この時点でそのままパンにのっけて食べてもいいし、オムレツの具にもおすすめ。

もうちょっと食べるのを我慢できる人は、炒めた具をしいたけの皿に詰める。しいたけには、あらかじめ軽くこしょうオリーブオイルをふっておく。

具を詰めたら、チーズをたっぷりのせる。

オーブン(180℃)で5~10分ほど。しいたけのボリュームにもよるので、しっかり焼き目がついて皿のしいたけもくたっと焼けたら完成。

さて、今回この料理に合わせたワインはこちら。しいたけやチーズの旨味に負けない、まろやかでミドルボディのエレガントな赤ワイン。

「ドーリー ティント 2014」1620円(税込)

ポルトガルのワイン業界では法王とも呼ばれる人気醸造家アンセルモ・メンデスと、期待の新進醸造家ディオゴ・ロペスの2人が造る、まろやかで香り豊かな、非常に飲みやすい赤。

ドーリーという名前は、ポルトガルの国民食でもある干しだら(バカリャウ)に欠かせない、鱈の漁で伝統的に使われていた小船の名前。このワイナリーは大西洋からわずか10キロの地にあるので、ぶどうは海風を受けて育ち、ミネラル感も豊か。トウリガ・ナショナル、アラゴネス、メルロ、シラーの4種を2日間のプレマセレーション後、2週間22~25度に温度管理をして発酵。一部をフレンチオークで熟成させているので、軽い樽香もあります。スミレやワイルドベリー、カシス、ペッパーなどの凝縮した香りやタンニンも程よくありつつ、エレガントな飲み口。香ばしさやうま味が豊かな秋の味覚と相性ばっちりです。

それでは、しいたけとチーズの香ばしくてうまみたっぷりなグラタンと、ポルトガルのエレガントでまろやかな赤で、よい週末を!


「あなたと旅するポルトガル ワイン&フード#06」
六本木ミッドタウンIDÉE CAFEにて、2017年5月~10月の毎月1回、ポルトガルワインとおつまみを楽しむイベントを開催します。
第6回日時:10月6日(金)18:30~20:30
テーマ:「秋を感じる、うまみ味たっぷりのポルトガルワイン」
緑のワインや自然派、ポートやマデイラなどが6~8種が集合します。
場所:IDEÉ CAFE PARC(東京ミッドタウン3FのIDEE店舗隣)
内容:ポルトガルの食文化・ワインに関するショートセミナーを開催。その後テーマに沿ったワインの試飲とポルトガルを感じる軽いおつまみを提供します。
会費:5000円
お申し込みは03-5413-3454(IDÉE ショップ)

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ポルトガル食堂

馬田草織

ポルトガルや南蛮絡みのエピソードが大好きな編集者・ライターの馬田草織さんが、仕事現場や旅先、日常で気になった食のサムシングと、それにちなむおつまみ&ぴったりなお酒を月替わりでご紹介していく、家飲みも外飲みも楽しむ人へ捧げる至福のほろ酔...もっと読む

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    parasol0801 https://t.co/ItXAKlv64I 2年以上前 replyretweetfavorite

    Puerh_Tea_ タパスだね。ニンニクとパセリだけのならたまに作る。 https://t.co/08nYcGBFuC 2年以上前 replyretweetfavorite

    kaorun6 しいたけがあったので作ってみた。ワイン進み過ぎてやばい。| 2年以上前 replyretweetfavorite

    chiruko_t 今日しいたけ買ってきたから(`・ω・´)  2年以上前 replyretweetfavorite