cakes読者のみなさま、こんにちは。
年末の忙しい時期に、うっかり風邪をひいてしまいました。でも仕事は淡々と進むわけで、薬を飲みながらなんとか進めつつ……。ほんと、どなたにもご迷惑をおかけしていないと良いのですが。やっぱり、健康第一ですね。
風邪といえば、みなさん風邪っぽくなったときに食べる、引きかけの風邪が治るようなパワーメニューってありますか? 私のお約束は、浅草の「幸福」という焼肉店にあるモム(海藻)スープ。モツと海藻たっぷり、唐辛子と胡椒のきいたスパイシーなスープです。多分モムスープ飲まなかったから風邪がひどくなったんじゃないかな。そんなことないか。
で、風邪の話から入りましたが、今回ご紹介するメニューは風邪とは関係なく、クリスマス前の今、ニーズが高まるチキンのメニュー。今年はイヴもクリスマスも週末だから、家でゆっくりとか、仲間呼んでワイワイなんて人も多いかなと思うのです。そんなとき、焼きたてチキンは盛り上がりが桁違いです。しかも、ポルトガルのピリピリソースを塗った骨付きチキン。これはその辺では買えない味ですよ。
チキンピリピリのレシピは以前手羽先を使ってご紹介しているのですが、こちらはモモまるごと1本なのでコツが少し違ってきます。必要なのは、焦げ目。鶏の皮目って、焦げ目がうまくつかなかったりするんです。でも、これからご紹介するやり方なら、こんがり焼け目が付きます。添えているポテトも、チキンに合うさっぱり味。ポテトのレシピは明日ご紹介。2日連続でお付き合いください。
ちなみに、ピリピリチキンはポルトガルで「Frango Assado com Piri-Piri(フランゴ アッサード コン ピリピリ)」という名で親しまれているもので、炭火などで焼いた鶏に辛いソースをかけたもの。詳しいお話は以前の「チキンピリピリ」でご紹介しているのですが、ポルトガル語でピリピリと言えば、唐辛子を使った香辛料のこと。オイル系も粉末も、唐辛子そのものも全部まとめてピリピリです。日本語でピリリと辛いなどの表現と似ていて面白いですよね。私の勝手な推測ですが、470年前、日本に南蛮文化を広めたポルトガル人が、長崎辺りで唐辛子を紹介したときにピリピリの言葉も定着して、いつの間にか「ピリピリする」「ピリッと辛い」の表現になったんじゃないかしら。
では、パパッと作っていきましょう。
Menu do dia 本日のメニュー
材料(1人前)
鶏骨付きモモ肉 1本
ピリピリソース(1本分)
にんにく 1片
オリーブオイル 大さじ1
唐辛子 1本
一味唐辛子 小さじ1
ワインビネガー 小さじ1
パプリカパウダー 小さじ1
レモン汁 小さじ2
塩 適宜
黒胡椒 適宜
つくり方
最初にピリピリソースを作る。にんにくはすりおろし、唐辛子は細かく刻む。材料すべてを器に入れてよく混ぜておく。量が多い場合はフードプロセッサーにかけると早い。
鶏肉は余分な脂肪を取る。厚みのある部分には包丁を入れ、火がとおりやすくする。
皮目にも切り込みをいれ、味をしみ込みやすくする。
両面に塩、こしょうをしっかりふり、その上からソースを塗り込む。
両面に塗ったらラップで挟んで包み、30分ほど冷蔵庫に置く。
フライパンを強火でしっかり熱し(鉄製がベスト)、軽く油をひく。鶏肉の皮目についた余分なソースを取り、皮目を下にして押し付ける感じで焼き付ける。煙がジュ―っと立つぐらい。
30秒から1分ほどこんがり焼きつけ、取り出して焦げ目の上から余りのソースを塗り直す。
直火グリルなら20分以上、オーブンなら180~200℃で30分以上、中までしっかり焼いて、完成。鶏肉は意外と中まで火がとおるのに時間がかかります。表面の焼け具合だけで判断せずに、中までしっかり焼きましょう。
今回この料理に合わせたワインはこちら。ポルトガル固有の土着品種パデイロを100%使った、微発泡ヴィ―ニョヴェルデのロゼ。
「キンタ・ダ・ラーザ ドン ディオゴ パデイロ」2808円(税込)
グラスに注ぐと美しいルビー色、優しい微発泡のきめ細かい泡が踊ります。フレッシュなラズベリー系の香りがふわっと華やかですが、味わいはきりりと辛口。そして微かにですが、梅のようなビターなニュアンスもあって、のど越しは爽やか。色気はあるけど芯がしっかりの、男前なお姉さん的味わい。ピリリと辛いチキンとの相性は、言うことなしです。
明日は、おつまみにもなる付け合わせポテサラのご紹介です。ちなみに、チキンは前日からソースに漬けこんでもOK。その場合先に塩はせず、ソースだけ絡めて寝かせます。塩は焼く直前にしっかりふってください。
アテ・アマニャン(また明日)!