cakes読者のみなさま、こんにちは。
突然ですが、アスパラガスの畑って見たことありますか? 畑から、あの"アスパラ"が唐突にすっくと伸びている様子は、逞しいけどなんだかユーモラス。生き物っぽさを感じて、思わず笑ってしまいます。その場でとれたてを食べると、瑞々しくて皮も柔らかく、自然な甘味があるんです。生でもいけることに驚きます。畑では立って生えている野菜だから、冷蔵庫でも立てて保存するのがベスト。でも、できれば保存せずに、買ったらすぐ食べたい。魚介類なみに鮮度が大事な野菜です。
瑞々しいアスパラが店に並ぶこの季節、我が家では北海道から取り寄せたアスパラを新鮮なうちに食べるために、茹でたり焼いたり揚げたりとあれこれ試します。連日アスパラフェス状態。うま味成分であるグルタミン酸やアスパラギン酸が豊富だから、余計なことをしなくても素材に十分に力があるわけで、すっぴんで勝負できる健康的なお姉さんって感じ。でも、いつもすっぴんだと飽きるわけで、ちょっと感じを変えて食べたいときもある。
アスパラの味をシンプルに楽しみつつ、一皿でつまみ兼主食を兼ねるなら、やっぱり米メニューが便利。今回は、白ワインに合わせたくなるリゾットでご紹介します。一番のポイントは、昨年同様アスパラのゆで方。むいた皮も一緒にゆで、ゆで汁も使います。そうすれば、なんとなくアスパラが飾りで入っているのではない、アスパラが主役の、野菜のうま味がぎゅっと詰ったリゾットになります。
ちなみに、もしやと思って昨年の今頃を振り返ってみたら、やっぱりアスパラメニューをご紹介していました。昨年は「アスパラガスのゆで卵ソース」。連載していると、書いている人間の食の嗜好パターンが透けて見えますね。なんだか恥ずかしいものです。
では、アスパラでパパッと作っていきましょう。
Menu do dia 本日のメニュー
材料 2人分
アスパラガス 4~5本
玉ねぎ 1/4個
バター 大さじ1
米 1合
顆粒ブイヨン 1袋(4.5g)
パルミジャーノ・レッジャーノ(削る) 大さじ2
湯 3カップ
塩 適量
黒こしょう 適量
つくり方
アスパラは下の固い皮をむき、1~2㎝幅に切る。頭部分は長めに切ると、リゾットの中でアクセントになるからおすすめ。むいた皮は捨てずにとっておく。
鍋に湯を沸かして塩を加え、アスパラを皮と一緒にゆでる。湯3カップに対し、塩小さじ1が目安。アスパラに少し塩気がのるイメージ。1分から1分半ぐらいゆでる。
ゆであがったらざるにあけ、ゆで汁は取り分けて熱いうちに顆粒ブイヨンを溶かし、スープにする。
鍋にみじん切りした玉ねぎとバターを入れてしんなりするまで炒め、米を加えてさらに軽く炒める。
米が油をまとったら、スープを1カップ入れて中弱火にかける。沸いたら弱火に落とし、なべ底に米が焦げ付かないようにさっと返す。返し過ぎると仕上がりがもったりしたお粥のようになってしまうので、混ぜるのは最小限に。
火加減にもよるが、5分ほどで水分が飛ぶのでスープを1/2カップ追加する。様子を見て鍋を返し、スープが減ったら都度1/2カップ追加し、乾かないようにしつつ計20分煮る。スープは余っても構わないので、米の様子を見ながら適量加える。この間、じっと仁王立ちで鍋を見つめていると20分は長すぎるので、タイマーを20分にセットして弱火をキープし、ワインでも開けて、時折のぞき込みながらが気楽でおすすめ。
ラスト1分でゆでたアスパラを鍋に加え、軽く混ぜ合わせる。
ここでも混ぜ過ぎないこと。盛り付け直前にパルミジャーノを大さじ1程度削り入れ、ひと混ぜする。
器に盛ってさらにパルミジャーノを上から削り、完成。黒こしょうを挽いて味を引き締めると、よりつまみに向く味に。
今回この料理に合わせたワインはこちら。
ポルトガルの緑のワイン、ヴィーニョヴェルデからの1本。ワイン名であるプリメイラスヴィーニャスは、ビオロジックで栽培している畑の名称。デイリー向けの軽さや爽やかさが特徴の微発泡タイプとは違う、風格のある発泡しないヴィーニョヴェルデです。アスパラのうま味を閉じ込めたリゾットには、同じくぶどうのうま味がしっかりした、それでいて酸も程よい、ちょっと上品で芯のある白を合わせたくなります。
「ソアリェイロ プリメイラス・ヴィーニャス2016」3780円(税込)
ポルトガル北部ミーニョ地方のぶどうの中でも、最もポテンシャルの高いと言われている高貴品種アルヴァリーニョを100%使った、自然派ヴィーニョヴェルデ。豊かな香りの広がりや複雑に感じる味わい、程よい酸など、ワインだけでも十分に楽しめます。
それでは、ぶどうのうま味たっぷりの自然派ヴィーニョヴェルデと、香りや食感、味わいも楽しいアスパラリゾットで、初夏を感じる週末を!
ポルトガルワインと料理を楽しめる夏のイベントのご案内
「あなたと旅するポルトガル ワイン&フード2018」VOL.2
6月13日(水)18:30~20:30
テーマ:夏気分を先取り 気分上向くワイン
ヴィーニョヴェルデ、白、赤、自然派、エシュプマンテなど、香りや酸に特徴のある、個性的なワイン8種を味わえます。
場所:IDEÉ CAFE PARC(東京ミッドタウン3FのIDEE店舗隣)
内容:ポルトガルの食文化・ワインに関するショートセミナーを開催。その後テーマに沿ったポルトガルワイン8種の試飲と、ポルトガルを感じる軽いおつまみをポルトガルの器でご提供し、今回も器を参加者全員にプレゼントします。
定員:着席20名様
会費:6000円(税込)
申し込み:馬田さん宛メール(badasaori@gmail.com)、または03‐5413-3454(IDEÉ CAFE PARC)
2018今後の予定
VOL.3 7月18日(水)盛夏を楽しむ 緑のワイン
白、赤、ロゼなど、さまざまなタイプのヴィーニョヴェルデを味わえます。
VOL.4 8月5日(日)ポルトガルワインサマーフェスティヴァル2018
1回目 13:00-15:00 2回目 16:00-18:00
50~80種ほどのポルトガルワインをすべて試飲・購入できるイベントです。
VOL.5 9月19日(水)夏の終わりを楽しむ 味わい豊かなワイン