忘年会の締めはこれ!赤ワインが恋しくなる「鴨ご飯」

早いことに、2018年も残りひと月たらず。皆さんはどうお過ごしでしょうか? 大人気のご飯シリーズ、今回は、赤ワインにピッタリな米料理をご紹介! 忘年会の締め料理としても、ぜひご参考にしてください。

cakes読者のみなさま、こんにちは。

月に1度、都内で「ポルトガル食堂」という名の食事会を開催しているのですが、ときどき参加された方からcakesの連載が楽しみです、と言われることがあり、とても嬉しいです。先日も読者の方がいらして、「ポルトガル食堂の連載、楽しみなんだけど忘れた頃にアップされる気がします」と言われ、苦笑のうえの平謝りでした。すみません。おっしゃる通り。連載にも関わらず、最近は忘れた頃にアップしがち。楽しみにされているという素敵なあなた、大人の事情ということで、どうぞ気長にお付き合いください。かたじけない。

さて、秋から呑める米料理を提案してきましたが、思いのほか良い反響いただいているので、今年はこのまま呑める米でいこうと思います。ポルトガルの米料理で私が好きなベスト3の1つが、鴨ご飯、アローシュ・デ・パトです。ポルトガルでは鴨は鶏並みに身近な食材ですが、日本では残念ながら鴨南蛮や鴨鍋ぐらいでしか見ることがありません。ので、今回はあえて鶏肉を使います。でも、もしも鴨肉、それも骨付きの鴨もも肉が手に入ったら、ぜひ鴨肉でこの料理を作ってみてください。やっぱり肉の味の濃さが違います。鴨の胸肉でも良いのですが、その場合は骨付きの鶏肉のぶつ切りを少し足して、スープにコクが出るようにしてください。なぜなら鴨ご飯のご飯はこの肉を煮込んだスープで炊くので、いいだしが取れる骨付き肉が欲しいのです。

たくさん作ってボリュームを出すとパーティー料理などにぴったりですし、肉と米を一緒に出せるので、いろんなつまみを楽しんだあとの締めごはんにももってこいです。

ちなみに、丸い器に入れる場合は、こんな感じで盛り付けてみてください。上にのっているのは、腸詰のスライス。サラミなどで構いません。この腸詰スライスを乗せるのが、鴨ご飯の盛り付けのお約束です。

いつものように短時間でさっとできるものではありませんが、逆に時間がある時に下準備をしておけば、当日はあっという間です。年末年始の人が集まるときなどに、ぜひ試してみてください。

では、パパッと作っていきましょう。

Menu do dia 本日のメニュー

「鴨ご飯(鶏肉バージョン)」

材料 3~4人分

米1合+押し麦1合
骨付き鶏もも肉 500g
腸詰、サラミなど 50g~
玉ねぎ 1個
にんじん 1/2本
にんにく 2片
ラード(またはオリーブオイル)大さじ3
赤ワイン 1カップ
水 500㏄
ローリエ 2枚
塩、黒粒こしょう 各適量

つくり方

玉ねぎは4つ割りし、1/4個はみじん切りする。にんにくは皮をむき、1個はみじん切りに、もう1個はそのまま。にんじんは縦半分に切ったものをさらにもう半分に切る。腸詰は飾り用に8枚薄切りし、残りは煮込みに使う。鶏肉は両面に塩をしっかり振る。鍋にラード(なければオリーブオイル)大さじ2を温め、鶏肉を両面こんがりと焼きつける。

豚の脂であるラードを使うと、コクとうま味が加わるのでおすすめ。これ以外でも、肉を焼くときやじゃがいもを揚げるときに使うと、味に厚みが出るので重宝します。

同じ鍋に4つ割りした玉ねぎをばらしながら入れ、にんじん、にんにく1粒、腸詰の残り、水、ワイン、ローリエ、粒こしょうを加える。

ふたをして沸くまで強火、沸いたら弱火で30分煮る。

煮えたら鶏肉とにんじんを取り出す。このまま食べてもいいつまみになりますが、全部食べないように。にんじんは柔らかくいい味が染みてますので、最後にご飯と別皿で出しましょう。

鶏肉の粗熱が取れたら骨を外し、肉をほぐす。スープは取っておく。玉ねぎはとろとろに溶けているのでそのままスープに入れておく。

先ほどの鍋にラード(またはオリーブオイル)大さじ1を熱し、みじん切りした玉ねぎとにんにくを入れてをふたをし、弱火で蒸し炒める。玉ねぎが透き通ったら米と押し麦を加えて混ぜる。

取り分けたスープを加え(2カップに満たない場合は水を足す)、塩で味を調える。

ふたをして強火で沸騰するまで2~3分煮て、沸いたらごく弱火にして12分ほど煮る。

米に火が通ったら、火を止めて一度全体を軽く混ぜ、蒸気が米に落ちないように布をかませ、ふたをしてそのまま5分蒸らす。

蒸らし終わったら軽く混ぜてご飯は完成。耐熱容器にご飯の半分を敷き詰め、

その上にほぐした鶏肉を敷き詰め、

さらにご飯をかぶせて、腸詰を並べ、表面がこんがりするまでオーブンやトースターで焼く

上の腸詰がこんがりしたら完成!



今回この料理に合わせたワインはこちら。ポルトガルドウロ地方の土着品種ぶどうバスタルド100%、滑らかでこくのある、香り豊かな赤。

「コンセイト バスタルド 2016 」

このワインは、ドウロ側上流の高地にあるワイナリーを経営する、女性醸造家リタ・フェレイラの手掛ける赤。かつてはポートワインなどに重用されていた幻の土着品種バスタルド100%で造られ、明るい色調や花のように華やかな香り、なめらかでコクのある味わいは、ワインだけでも充分に楽しめる上品さがあります。もちろん、肉のだしをたっぷり吸った鴨ご飯とも好相性です。

それでは、肉のだしをたっぷり含んだジューシーなご飯と、香り豊かでなめらかな赤で、楽しい週末を!

次回はまた、忘れた頃にアップします!


ポルトガルワインと料理を楽しむ料理会「ポルトガル食堂」
タスキーニャ 鴨ご飯編
1月19 日(土)13:10~16:00
タスキーニャとは居酒屋。みんなで気になるものを気ままに呑み比べる会です。
ヴィ―ニョヴェルデから爽やかなな白、うまみ系赤、自然派、こっくりポートに深い余韻のマデイラ、甘旨酸のモスカテルなど全8種を味わえます。
食事:ポルトガルを感じるおつまみ数種類と、締めご飯(アローシュ・デ・パトの予定)のご用意。
定員:12名さま
会費:5500円(税込)+グラスワイン400円×飲んだ分
申し込み:私宛メール pufu@lilac.plala.or.jp
会場の詳細は、返信で個々にお伝えいたします。

ケイクス

この連載について

初回を読む
ポルトガル食堂

馬田草織

ポルトガルや南蛮絡みのエピソードが大好きな編集者・ライターの馬田草織さんが、仕事現場や旅先、日常で気になった食のサムシングと、それにちなむおつまみ&ぴったりなお酒を月替わりでご紹介していく、家飲みも外飲みも楽しむ人へ捧げる至福のほろ酔...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

    コメント

    feilong “23565” https://t.co/4JBY2pzYgQ 1年以上前 replyretweetfavorite

    tomshirai 美味しそう。骨付き鴨、手に入らないかなぁ…。 1年以上前 replyretweetfavorite

    abgk これまた旨そう。 1年以上前 replyretweetfavorite

    shihok これ食べたい 1年以上前 replyretweetfavorite