cakes読者のみなさま、こんにちは。
前回から新刊の特別公開と並行し、ポルトガルの旅で実際に出会った料理をご紹介しています。今回は、海辺の町アヴェイロで友人が作ってくれた白いフェイジョアーダです。
ブラジル料理が好きな人がフェイジョアーダと聞くと、肉や腸詰と豆の黒っぽい煮込み料理を思い浮かべるかもしれません。でも、もともとはブラジルの宗主国だったポルトガルの料理。精肉を取り終えて残る内臓や半端な肉に、腸詰、香味野菜、赤いキドニー豆などをたっぷりと加え、少しとろみがつくぐらい煮込んだものをごはんにかけて食べる家庭料理です。日本人が大好きな、ご飯に具だくさん汁物をかけるこのパターンは、ポルトガルやブラジルでもばっちり愛されています。
そして今回出会ったのが、魚介を入れる白いフェイジョアーダ。肉ではない海鮮を入れるのと、黒っぽくない、白インゲン豆を使っているのが大きな特徴です。
白いフェイジョアーダは、アヴェイロの隣のイリャボという港町の郷土料理。イリャボはポルトガルの国民食と言われるバカリャウ(干し鱈)生産のメッカで、毎年バカリャウ祭りも行われ、その日は町のいたる所でワインとバカリャウ料理を楽しむ地元の人と観光客で賑わいます。古くからの漁師町で、漁業関係者が集う町のカフェもご覧の通り。
漁業アイテムが所狭しと並び、海の香り漂っていい感じです。
そのイリャボでごちそうになったのが、伝統的なサモスのフェイジョアーダ。サモスとは、干しダラを作る際に余る干しダラの浮袋と言われる部位。それを塩茹でして細かく刻み、白インゲン豆と煮込むのが、サモスのフェイジョアーダ。
ちなみにサモスは塩茹でするとフグの皮のような弾力があり、そのまま刻んでねぎとポン酢でつまみになるぐらい。これを白インゲン豆のフェイジョアーダにどっさり入れ、煮込みます。
今回紹介するレシピでは、さすがに干し鱈の浮袋を日本で見つけるのは難しいので、代わりにうま味が詰まったエビやイカなどを使って作ります。サモスよりずっと贅沢! そして白いフェイジョアーダも、やはり白いご飯にばさっとかけて食べるのが断然おすすめ。セットで準備しましょう。
腸詰は味出しに欠かせないのですが、なければ代わりにベーコンでも構いません。肉と魚のうま味を合わせると、豆の煮込みがごちそうになります。たくさん作って小分けに冷凍しておけば、家に帰ってチンするだけで夕飯完成です。
では、あなたの好きな海鮮を使って、パパッと作っていきましょう。
Menu do dia 本日のメニュー
材料 4~6人分
エビ、イカなど好みの海鮮 300g
白インゲン豆水煮 1缶(400g)
腸詰(またはベーコン) 50g
玉ネギ 1個
ニンジン 1本
ニンニク 大2片
ローリエ 2枚
オリーブオイル 大さじ2
塩、こしょう、一味唐辛子 各適量
つくり方
玉ネギとニンニクはみじん切り、ニンジンは薄い半月切り、腸詰は薄切りする。大きめの鍋にオリーブオイル、玉ネギとニンニクを入れてをふたをし、弱火で蒸し炒める。透き通ったらにんじん、腸詰を加えてさらに炒め、殻を剥き、背ワタを取ったエビ、食べやすく切ったイカ、ローリエ、一味唐辛子を加えてさっと炒める。辛いのが好きな人はここで多めに一味を加えてもいいし、仕上げに好きなだけふっても。
具材全体がしんなり馴染んだら豆を汁ごと(汁に豆のうま味が詰まってます)加え、弱火で煮る(10~15分ぐらいが目安)。水分が減ってきたら煮詰まらないよう途中で水を加え、味をみて塩、こしょうで調える。
火を止めて完成。
とろみのある豆の煮汁に海鮮や腸詰のうま味が染みて、白いご飯が進みます。ビールはポルトガルのビールでも、日本のビールでも、お好きなものを。
それでは、泡もうんまいすっきりビールと、海鮮と肉のうま味が染みた豆の煮込みで、良い週末を!
「ポルトガル食堂」のお知らせ
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申し込み・お問い合わせ pufu@lilac.plala.or.jp
イベント詳細 http://badasaori.blogspot.jp/
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