たらの塩気と人参の甘みが絡み合う「たらとにんじんの軽やかクリームグラタン」

今回の馬田草織さんのレシピは、真冬のたら特集第二弾「たらとにんじんの軽やかクリームグラタン」をお届けいたします。にんじんと、そして中にたっぷり入ったパンがポイントのこの料理、一体どんな味なんでしょうか?

cakes読者のみなさま、こんにちは。

寒い冬に楽しめる、たらを使ったレシピシリーズ。今回はグラタンをご紹介します。くせのない白身魚のたらは牛乳やチーズなどの乳製品と相性がよく、これまでにもマヨネーズの酸味がきいた「ピポグラタン」や、「たらとほうれん草のクリームグラタン」などをご紹介していますが、今回はたらと同じぐらいにんじんが活躍する、ほんのり甘くて軽いグラタンです。細かく削ったにんじんの甘みやうま味が、ソースに奥行きをもたらします。

こんがり焼けたグラタンをスプーンですくうと、中からソースと一体化した柔らかいにんじんがチラ見えします。

ほら、分かりますか? たらの塩気と、にんじんの甘味が一緒になったソースです。そして、このグラタンの面白いところはもう一つ、食感が軽いということ。牛乳に浸して柔らかくしたパンを加えているから、ボリュームの割にぺろりといけちゃう。もちろん、これ1皿でつまみ兼夕飯にもなる。嬉しいじゃないですか!

ポルトガル語で「バカリャウ・エスピリチュアル」という名のこの料理は、起源がフランスのラングドックやプロヴァンスで古くから食べられているブランダードという料理にあり。そもそもブランダードは干しだらと牛乳、オリーブオイルを混ぜて作るペースト状の料理でしたが、現代ではじゃがいもやにんにくを加え、あるいは香ばしく焼き上げるなど、よりワインが進むレシピが多く見られます。ポルトガルではにんじんやパンが加えられ、今のレシピになった様子。同じ干しだらを使っても、国が違えばレシピも違う。ポルトガルのバージョンが白いご飯に合うような気がするのは、私の思い込みが強すぎるからなのか。でも、実際このグラタンは白飯ウェルカムです。

では、たらとにんじんを使ってパパっと作っていきましょう。

Menu do dia 本日のメニュー

真冬のたら特集②「たらとにんじんの軽やかクリームグラタン」

材料 2人分
甘塩たら 1切れ(100g以上)
にんじん 1/2本
玉ねぎ 1/3個
にんにく 1片
パン 1片
牛乳 1/2カップ(50g)
白ワイン(または酒)大さじ1
オリーブオイル 大さじ2
バター 20g
シュレッドチーズ、塩、こしょう 各適量

つくり方

甘塩たらを耐熱皿におき(生のたらを使う場合は、表面全体に塩をふってできれば冷蔵庫で半日置き、余分な水分を拭く)、白ワインをふってラップでふんわり包み、電子レンジ(600W)で1分半ほど加熱。火がとおったらそのまま置いて粗熱をとり、皮と骨を取り除いて身をほぐす。

パン(硬くなったものでも大丈夫)は牛乳に浸してしばらく置く。全部浸っていなくても、だんだん染みてくるので気にせずに。

玉ねぎとにんにくはみじん切り。にんじんは千切りにするか、スライサーやチーズおろし、にんじんしりしり器などで削る。

フライパンにオリーブオイルと玉ねぎ、にんにくを入れ、透きとおるまで中火で炒める。さらににんじん、たらを加え、たらをへらでほぐしながら炒める。全体によく馴染んだらバターを半量加え、溶かしながら和える。

まんべんなく小麦粉を振りかけ、よく混ぜながら炒める。牛乳を少しずつ加えて、全体をソースにする。

さらに、ここで浸しておいたパンを投入。一度軽く揉んで柔らかくしてから、浸した牛乳ごと加える。

よく混ぜながらさらに中火で加熱。ここでバターの残りも加えて溶かし混ぜ、味をみて塩、こしょうで調える。

器に盛ってチーズをたっぷりとのせ、こんがり焼き目が付くまでオーブンやトースターで焼く。

オーブンなら180~200℃で10分ぐらいが目安。

はい、出来上がり。ビールやワイン、冷えてますか?

たらの塩気、にんじんの自然な甘味、牛乳やバター、チーズのコクが合わさって、これ、ご飯を呼びます。ホワイトソースオンリーのグラタンにちょっと飽きたとき、変化球で楽しめますよ。

それでは、ほんのり甘くて軽いたらとにんじんのグラタンで、良い週末を!


「ポルトガル食堂」

実際にポルトガル料理とポルトガルワインが楽しめる食事会を、都内で毎月開催中です。一人参加多数です。ご質問等は以下へどうぞ。
申し込み・お問い合わせ:pufu@lilac.plala.or.jp
詳細:http://badasaori.blogspot.jp/
1月25日(土)13:10~15:30 タスキーニャスタイル
ポルトガルの料理4~5種をつまみに、ワイン8種を飲み比べる気軽なタスキーニャ(居酒屋)スタイル。新年の会では、今回紹介したたらとにんじんのグラタンもお出しする予定です。

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ポルトガル食堂

馬田草織

ポルトガルや南蛮絡みのエピソードが大好きな編集者・ライターの馬田草織さんが、仕事現場や旅先、日常で気になった食のサムシングと、それにちなむおつまみ&ぴったりなお酒を月替わりでご紹介していく、家飲みも外飲みも楽しむ人へ捧げる至福のほろ酔...もっと読む

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    コメント

    yoshinon タラとチーズって合うよね。 3ヶ月前 replyretweetfavorite

    asyara28 ジャガイモじゃないんだな…。 https://t.co/BvZAuVQlqJ 3ヶ月前 replyretweetfavorite