cakes読者のみなさま、こんにちは。
ここ数日で一気に寒くなってきましたね。我が家は真夏でも鍋上等の鍋好きなので、寒い時季の鍋頻度は週3前後。また鍋なのー、と自分で自分に突っ込みを入れたくなるぐらい、よく食べます。
嫌いな鍋? そんなのあるかなあ。あ、苦手な鍋はあります。ポン酢一択で食べる、なんとなくいろんな具が入っている主役不明の寄せ鍋。昔、一緒に仕事をした若手編集Aクンが、実家の鍋が何を入れてもポン酢で食べるしかなくて、おかげで鍋が嫌いになったって言ってたっけ。分かるなあ。そう、ポン酢が悪いわけじゃないんだけど、ポン酢にばかり依存しない、スープそのものが主役の鍋レパートリーが増えてくると、自分で自分の作る鍋に飽きることがなくなると思います。
イメージはスープが主役の鍋。しかもスープにひと工夫すると、何より締めが劇的に楽しみになります。鍋のレシピを考えるときは、ラーメンとかうどんとか、麺料理から発想を広げると案外面白いんです。締めから鍋を考える、みたいな感じ。
ちなみに昨年一番作ったわが家の定番鍋は、以前連載でも紹介した「納豆鍋」。納豆と豚こま、ニラとキムチでできる手軽さ(炒めて水足すだけ)と、味噌を溶かし込んだスープが発酵食品の持つうま味の掛け算でかなりいい味になるのです。大人も子供もはまって、締めのうどんを入れるとあっというまに麺泥棒と化します。お客が数人来て家呑みってときも、締めは納豆鍋の出番が多かったなあ。おかげでひきわり納豆を買うことが増えました。市販のキムチはそれほど辛くないので、子どもも大好きな味になります。
そう、家族に小さな子供がいると辛い鍋が難しいんですよね。でもそんなとき、辛いもの好きな大人達は実はチャンスです。柚子胡椒やら黒七味やら、かんずりやら生胡椒やら山椒やら、その他あらゆるピリ辛調味料探しを始めるので、一気に詳しくなれます。
ちびっ子のいるわが家も辛い鍋はずっとダメでしたが、昨年あたりから娘が少し辛めの鍋になれてきたので、最近はスープ自体に軽い辛みのあるものも作っています。その中で、今年レギュラー入りしそうなのがこれ。
辛くて酸っぱい酸辣湯を、ごくシンプルに鍋化してみました。具は、鶏手羽と豆もやし、豆腐の3種類。鍋は基本的に、材料が多くない方が味がはっきりしやすいので私は好き。豆もやしのしゃくしゃくした食感が楽しいです。このスープの辛みを作るのは、ラー油だけではありません。仕上げにたっぷりふる胡椒がきりっとした辛さを生みます。締めは春雨か、あるいは韓国の煮込み用インスタントラーメンもお勧め。あ、冷ご飯もありですよ。卵でとじてもいいです。その場合、仕上げに刻みネギと刻み生姜をたっぷり散らすとまた悶絶、ビールが進みます。
では、パパッと作っていきましょう。
Menu do dia 本日のメニュー
材料(1~2人前)
鶏手羽先 4本 豆もやし 1/2袋
豆腐 1/3丁
酒 大さじ2
水 3カップ
ラー油 小さじ2
しょうゆ 大さじ1
顆粒鶏ガラ 小さじ2
黒酢(または酢)大さじ2
塩 小さじ1
こしょう 好きなだけ
つくり方
豆もやしは洗ってひげを取り、豆腐は食べやすい大きさに切る。鶏手羽先は骨に沿って2本切り込みを入れ(火のとおりも早くなり、味もしみ込みやすい)、ざるにのせて両面に熱湯をかけて湯引きする(臭みや雑味が出にくくなり、スープがすっきりする)。
鍋に水と酒、塩、鶏手羽先を入れて沸くまで強火にかけ、沸いたらあくを取り、弱火にして15分ほど煮る。鶏に火がとおったら、ラー油小さじ1、しょうゆ、顆粒鶏ガラ、黒酢を加え、豆もやしと豆腐を加えてひと煮たちさせる。
仕上げにラー油小さじ1を散らし、こしょうを挽く。辛めが好きな人はガリガリと8挽き以上でかなりパンチが効いてきます。辛いのが全くダメな場合は、ラー油をごま油に変えて。好きな人だけラー油やこしょうを加えましょう。鍋は平和が第一!
さて、何を飲むか。この鍋の場合はビールですね。ビール、冷えてますか?
それでは、酸っぱくて辛い鍋と冷えたビールで、2月の寒さも乗り越えましょう!