もやしは宮廷料理に使われる高級食材
今、インスタントラーメンしかない。なのに、王様が来ちゃった。
ありますよね。そんなピンチ。
自分ひとりで食べるなら、冷蔵庫に残った野菜や肉を適当に入れて作りますが、王様だとそうもいきません。
味にも、うるさそうですからね。
でも、もやしがあれば大丈夫なんです。
「え? もやしなんて、最安野菜じゃん?
そんなので王様、満足する?」
いやいや、もやしって、じつは高級食材なんです。
もやしを1本とって端っこをよく見てください。
ピロピロとしたひげ根と、発芽した元である豆の部分がありますよね。
この端っこたち、どことなくムレた臭いのする、「もやし臭さ」の元凶でもあります。
ですから、ここを手でプチプチ取って、1本の棒のようにシャキーン、とまっすぐにすると、それまでとは食感も味わいも別物になるんです。
ただし、1袋(200g)すべてのひげ根を取ろうとすると、だいたい10〜15分くらいかかってしまいます。
そのため「たいへん手間がかかる」という理由で高級食材として扱われ、中国では古くから宮廷料理にも使われたそう。
ではさっそく、そんな「とびきりもやし」を使ったラーメンの作り方を見ていきましょう。
【材料】1人分
・インスタントラーメン(しょうゆ味)…1袋
・もやし…1袋(200g)
・にんにく(粗みじん)…1かけ
・ごま油…大さじ1/2
A 水…大さじ2
片栗粉・オイスターソース…各小さじ1
塩…小さじ1/4
・こしょう…多め
【作り方】
①もやしはひげ根と先を取る。
②フライパン(26cm)にごま油を中火で熱し、にんにく・もやしを広げる。
③少し火を強めて、押し付けながら2分焼く。
④上下を返して中央を開け、混ぜたAを入れる。
⑤混ぜてとろみがついたらもやし全体に絡める。
⑥ラーメンを袋の表示通り作り③をのせてこしょうをふる。
もやしのひげ根取りは、もはや写経
もやしのひげ根を取るときは、ボウルとざるを用意するとスムーズです。
まず、ボウルに水を張ってもやしをザッとあけ、5分ほど放置。
すると、もやし臭さが減って、食感もシャキッとみずみずしくなります。
5分後、作業開始です。
プチプチッと端を取ったもやしから、ざるにどんどん入れていきます。
手にひげ根がついたら、ボウルの水でサッと洗いましょう。
これを繰り返し、ざるのほうに「とびきりまっすぐもやし」を積み上げていきます。
「めんどくさい」と思うかもしれませんが、休日の昼間、ラジオでも聞きながら無心にプチプチプチプチ手を動かすと、まるで写経のように心がスッキリしていくのがわかります。
「もやしマインドフルネス」と言っても過言ではありません。
悩める平日をすごした週末ほど、もやしが受け取ってくれる。
どうぞこの機会にお試しください。