旬のとうもろこしを炊き込みご飯とパスタで味わう

連載56回目のテーマは「とうもろこし」。『とうもろこしご飯』『とうもろこしのペペロンチーノ』をご紹介します。樋口さんのnote「とうもろこしの茹で方、ポイントはどこか?」とあわせて旬のとうもろこしを楽しみましょう。

夏のご馳走、とうもろこしを使った料理を2つご紹介します。とうもろこしには様々な種類がありますが、日本のスーパーで手に入るのはスイートコーンという品種。特徴はショ糖、果糖、ブドウ糖による強い甘味です。最近ではスーパースイート系(ゴールドラッシュや味来、恵味といったという品種)という極端にデンプンが少なく、生食できる品種が一般的になりました。糖分は水溶性なので、調理の際にはできるだけ流出させないようにしましょう。

1つ目の料理は『とうもろこしご飯』です。芯を一緒に炊き込むことで、とうもろこしの風味がより強くなります。とうもろこしが1本あれば2合分のご飯が炊けるので経済的。
2つ目は『とうもろこしのペペロンチーノ』。こちらは生のとうもろこしを炒めるのでシャキシャキした食感になります。ピリッとした唐辛子の辛味ととうもろこしの甘味が混ざり合った味が魅力です。


とうもろこしご飯

材料

とうもろこし…1本
米…2合(300g)
水… 360cc
醤油…大さじ1


1.とうもろこしは皮を剥き、半分に切る。粒の根本と軸の境目に包丁を入れ、身を外す。


2.炊飯器に米2合と醤油大さじ1を入れ、水を2合分の目盛りまで加え、とうもろこしの身と軸を上にのせて通常通り炊飯する。


3.炊けたら軸を取り除き、ご飯をほぐしながらとうもろこしを混ぜる。

今回は水で炊いていますが、昆布だし、あるいは鰹節と昆布の合わせだしを使ってもおいしくできます。その場合はとうもろこしの香りを生かすために薄めの出汁を使ったほうがいいでしょう。


とうもろこしのペペロンチーノ

材料(2人前)

とうもろこし…1本
ニンニク…2片
オリーブオイル…大さじ2½
唐辛子…1本(半分に折り、種を取りのぞく)
醤油…小さじ1/4
フェデリーニ…150g
水…1.5L
塩…18g
レモンかライム…好みで


1.とうもろこしは軸から身を外しておく。ニンニクは5mm厚に切る。鍋に湯を沸かし、重量で1.3%の塩を加えておく。


2.フライパンにオリーブオイルとニンニクを入れ、弱火にかける。傾けるとニンニクが油に浸かるので均一に加熱できる。ニンニクが茶色くなり、竹串がスッと刺さるくらいになったら唐辛子を入れる。ニンニクは一度、とりだす。


3.2のフライパンにとうもろこしを加えて、中火で炒める。片面焼きする気持ちでじっと1〜2分ほど加熱する。跳ねることがあるので注意。


4.醤油を加えて火を止める。


5.分量の塩を加えた湯でパスタを茹でる。目安は袋の表示時間−30秒。


6.茹で上がったパスタととりだしておいたニンニクをフライパンに入れ、パスタの茹で汁大さじ1を加えてよく混ぜ、器に盛り付ける。食べる直前に好みでレモンかライムを絞る(又はレモン汁かライム汁を少量振る)とさっぱりとしておいしい。

外国では茹でたとうもろこしに溶かしバターと唐辛子をふりかけ、ライムを絞って食べたりします。このペペロンチーノはその料理にちょっと似ていて、甘味と辛味、酸味があわさった夏にぴったりのパスタです。


樋口さんのnoteでは、とうもろこしの美味しい茹で方をご紹介しています。

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この連載について

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おいしい」をつくる料理の新常識

樋口直哉

食の博識、樋口直哉さん(Travelingfoodlab.)が、味噌汁、ハンバーグ、チャーハンなどの定番メニューを、家庭でいちばんおいしく作る方法を紹介します。どういう理由でおいしくなるのか、なぜこの工程が必要なのかを徹底的に紹介し、...もっと読む

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    コメント

    sawamemo 今からやります 7ヶ月前 replyretweetfavorite

    yoshinon これは、美味しそうな! 9ヶ月前 replyretweetfavorite

    naoya_foodlab とうもろこしご飯はチャーハンにしてもおいしいですよー。炊きあがってからバターを落としてもいいかな。 9ヶ月前 replyretweetfavorite