食欲のないときにもサラサラ食べられるカレー味
汗ばむ日も増えてきた今日このごろ、ボリューム感とさわやかさを兼ね備えたスープはいかがですか。主役は、これから夏に向かって旬を迎える、さやいんげんです。
みずみずしく、しかも食べごたえもしっかりあるさやいんげんを、スパイシーなカレー味のスープにしてみましょう。小さく切ってひき肉と合わせると、口の中にサラサラ入って食欲も進みます。いんげんはとても扱いやすい野菜ですし、カレールウを使って本当に簡単に作れます。それでいながら、野菜のうまみがしっかり感じられる充実感のある一皿です。
しょうがをたっぷり効かせ、ごま油を使ってパンチを出した、ごはんの進むおかずスープです。ぜひお試しください!
さやいんげんとひき肉のカレースープ
材料(2人分) 所要時間15分
さやいんげん 150g(1~2束)
豚ひき肉 150g
しょうが 20g
カレールウ 25g
ごま油 大さじ1
塩 適宜
水 400mL
作り方
1.さやいんげんを切る
さやいんげんは、ヘタを切り落とし(筋がある場合は筋をとる)、コロコロに切る。★1
しょうがはすりおろす。
2.肉を炒める
ごま油を鍋に入れて中火にかけ、肉を広げるように入れて2~3分焼きつける。肉の色が変わったところで、おろしたしょうが、さやいんげんを加えて全体を混ぜながら2~3分炒める。★2
3.水とルウを加えて煮込む
水400mLとカレールウを加え、約5分煮込む。味を見て足りなければ塩(記載外)でととのえる。★3
レシピのポイント解説
・さやいんげんの選び方、扱い方
・ひき肉の炒め方
・カレールウについて
★1 さやいんげんの選び方、扱い方
いんげん豆を若いうちに収穫してさやごと食べるのが、さやいんげん。単に「いんげん」と呼ばれることも多いです。品種には「どじょういんげん」「サーベルいんげん」「モロッコいんげん」などさまざまあり、食べ方はほぼ同じと考えて大丈夫です。
昔は固い筋があり、それを一本一本とるのがなかなか大変でしたが、最近では筋なしの品種がほとんどになってきて料理しやすくなりました。選ぶときには細めの、柔らかいものを選びます。さやの中の豆がぷっくり育ちすぎているものは、固くなっている可能性があります。ただ、今回は小さく切って煮込むので、それほど神経質に選ぶ必要はありません。
主役にするので、小さなパックなら2パックぐらいあってもいいでしょう。
筋なしが主流、と言いましたが、たまに筋のあるさやいんげんがあります。ためしに一本、ヘタを持って、筋のくっきりしている側にポキッと折ってみましょう。筋があれば、とれずに筋でつながります。
折ってみて、ヘタが取れてしまったらそのまま使える
もし筋があったら、そのままゆっくりスーッと引っ張っていくと、きれいにとれます。もう片側(写真で下側のほう)は、反対側の端を逆に折って同様に取ります。
筋なしいんげんの場合は、洗ってヘタを切り落とし、小さくコロコロに切ります。小さく切ることで、口に入れたときにひき肉との一体感が出ます。
切るのが苦手な人は、もう少し長めでも大丈夫。しょうがはすりおろして
★2ひき肉の炒め方
このスープは最初にひき肉を炒めるので、厚手の鍋を使いましょう。薄い鍋しかないという人は、フライパンで先に肉を炒め、鍋に移してください。
ごま油を熱して鍋全体に行きわたらせ、ひき肉を広げるようにして入れます。火は中火です。
肉を広げたらすぐ触らずに、1分ほど放置です。
最初はなるべく触らずに
1分すぎて出る煙もおさまった頃、ヘラなどで底の方から返します。テフロンではない鍋で肉を炒めると、鍋肌にくっついてしまうことがありますが、しっかりと肉に火が通ると自然にはがれてきます。最初に鍋をしっかり熱しておくのも、こびりつかせないためのポイントです。
うまくはがれないときは、ぬれ布巾を流しに置いて、その上に鍋の底をジュッと当てると、綺麗にはがれます。
しょうがを加えます。
しょうがは焦げ付きやすいので肉の色が変わってから加える
切ったさやいんげんも加え、さらに炒め合わせていきます。焦げそうなら、水をほんのちょっと加えてもいいでしょう。
さやいんげんもしっかり炒めることで青臭さが飛ぶ
★3カレールウについて
あとは、水400mLとカレールウを一緒に加えて煮込むだけ。火加減は沸騰したら弱火です。
カレールウは通常ブロックのものが多く、それぞれの家庭で定番のルウがあるかもしれませんが、さまざまな料理に気軽に使うには、フレーク状のものをおすすめします。これだと、スプーンですくって好きな分量を使えます。
フレーク状のカレールウ。固形のものと同じように使える
ルウがしっかり溶けて、さやいんげんと肉を5分ほど煮込んだら完成です。カレールウはメーカーによって多少味も違うので、必ず味見して少し味を調節します。ルウを増やしてもよいですが、入れすぎるとどろっとした普通のカレーになってしまいますので、塩(記載外)で調節するのもありです。
肉にもさやいんげんにもほとんど火が通っているが、軽く煮込むことで一体感が出る
夏の体にさやいんげん!
さやいんげんは、緑黄色野菜の仲間ですが、たんぱく質も豊富で、野菜と豆の性質を兼ね備えています。塩分を排出してくれるカリウムが豊富、むくみの解消や疲労回復効果もあって、夏の体に向く野菜です。
豆ですから食べごたえもあります。ここからの季節は梅雨入りもあって、気温や湿度の変化に体がついていけず、不調になりがち。こんなボリュームのあるスープでしっかり食べてスタミナをつけたいところですよね。
カレー風味なので、もちろんごはんにもぴったりです。スープカレーのようにかけてしまって食べるのもおいしいものです。こちらも試してみてくださいね。
【アレンジ】足しても、引いても、おいしいのです
いんげん自体にある程度うまみがしっかりあるため、カレー味に頼らなくてもおいしく食べられます。塩や醤油味で試してみてください。個性はしっかりありますが主張しすぎないため、他の具を加えるのもこれまた良しです。
いんげんとひき肉のシンプルスープ
手順は同じ、味付けのところで、塩を使います。片栗粉でとろみをつけると、バラバラになりがちな肉といんげんをうまくつないでくれて、いい感じになります。
いんげんとトマト、ひき肉のスープ
水を加える工程で、切ったトマトを少し加えます。トマトの酸味とうまみが入り、よりさっぱりした夏向きの味わいに。カレー味との相性もばつぐんです。
<次回は6月3日(月)に更新予定です>