万能しょうがだれでさらにおいしく!
生で食べることの多いレタスを、スープにしてみませんか。さっと加熱したレタスは思いがけない味わいです。鶏のスープのうまみをくるりとまとってそれだけでもおいしいものですが、今日はしょうがを効かせた少し酸味のある醤油だれで、さらに味をプラスします。
鶏の手羽先で作ったチキンブイヨンはとにかく有能で、和洋中どんな料理にも使える洋風だしです。一度作り方を覚えておくとどんなスープにも使えて便利ですし、きちんととったブイヨンはやはり一味違います。手間をかける価値があるものです。手羽先ならだしをとったあとの肉も十分おいしく食べられます。
レタスは春が旬です。軽くてふわふわしたものを選んでくださいね。やわらかくみずみずしいレタスを、存分に堪能してください!
レタスの湯引きスープ
材料(2人分) 所要時間40分
レタス 1/2玉
鶏手羽先 5~6本
しょうが30~40g
塩 小さじ2/3
醤油 大さじ2
酢 小さじ1
ごま油 小さじ1
水 1000~1200mL
作り方
1.鶏手羽先でスープをとる
鶏手羽先を鍋に入れ、ひたひたの水を加えて中火にかける。アクがたっぷり出たら一度湯を捨てて洗う。
肉を鍋に戻して水1000mLと塩、しょうがの薄切りを加えて再度中火にかける。沸騰したら弱火に落とし、途中で水があまり減るようなら足しながら、30~35分ほど煮込んでスープをとる。★1
2.しょうがだれを作る
小さな器に、醤油、酢、ごま油を混ぜ、しょうがの千切りを加えて、たれを作っておく。★2
3.レタスを加熱する
レタス1/2玉は半分に切り、水に浸してパリッとさせ、水気をよく切っておく。
スープができたら鶏手羽先を先に盛り付けてしまい、スープの鍋にレタスを入れ、1分半~2分ほど上下を返して煮る。レタスとスープを手羽先の皿に一緒に盛り付け、たれを添えて食べる。★3
レシピのポイント解説
・鶏手羽先の扱い
・しょうがだれの作り方
・レタスの扱い方
★1 鶏手羽先の扱い
レタスは淡白な野菜なので、スープにするにはしっかりしただしが必要です。
今日は骨付き肉の中でも安価な手羽先を使って、鶏のブイヨンを作ります。このブイヨンを覚えておけば、このままどんなスープや味噌汁のだしにも使いまわせます。
おなじみの手羽先。昔は曲がった先の部分は切りおとして手羽中の部分だけ売っていることが多かった気がしますが、今は先っちょつきが多いですね。ゼラチン質のある部分で、スープにはうってつけです。
手羽先の一部が手羽中。先っちょがついているもののほうが、スープ向き
まずは下ごしらえ。この手羽先を鍋に入れ、ひたひたに水を加えて中火にかけます。
沸騰して鶏肉の表面が白っぽくなるまで、鍋から離れないでください。
ひたひた、は具材がちょうどかぶるぐらい
白いアクがさーっと浮いてくるので、そのタイミングで火から下してしまいます。一度ここで手羽先を取り出して、お湯をすべて捨てます。肉に完全に火が通っている必要はありません。手羽先についたアクが気になる場合は、水で洗い流しても結構です。
白いアクがいっぱい浮いてきたらザルにあけてしまう
このちょっとしたひと手間でアクもとれて、匂いの少ないすっきりしたスープをとることができます。
さて、あらためて鶏肉を鍋に入れ、水1000mLを注いで、火にかけます。塩としょうがの薄切りも加えます。しょうがは後ほどタレにつかうので、ここで使うのは全体の1/3ぐらい。
しょうがは、鶏の臭み消しです。今回は中華風のスープなのでしょうがを使いました。
中火で沸騰させたら弱火に切り替え、そのまま30分、コトコト煮ます(時間があれば40~50分煮ます)。
沸騰したら、弱火に切り替える
一度、湯通ししているのでアクは出にくくなっていますが、もし出てくるようならおたまですくいます。
強火でボコボコ沸かすとスープが濁ってしまいます。
★2しょうがだれの作り方
鶏のスープを煮だしている間に、しょうがだれを作っておきます。作り方はいたって簡単で、醤油大さじ2、酢とごま油を小さじ1ずつ、しょうがの千切りを混ぜるだけ。
刻みしょうがを混ぜたこのたれは万能で、ゆでた豚肉や鶏肉にかけてもおいしいし、魚や肉を焼いて、味付けのときに使ってもいいものです。多めに作っておいて、1週間ぐらいは保存できます。
調味料にしょうがを混ぜただけ。しょうがは皮付きでもOK
★3 レタスの扱い方
夏のイメージがあるレタスですが、実は春にも旬があります。普通、野菜はずしっと重いものを選ぶことが多いのですが、レタスだけは別。ふんわりゆるーく巻いたものがおいしいので、持った時にふわっと軽いものを選びましょう。
レタス1/2個を、芯をつけたまま、さらに半分にします。これを水にしばらく漬けて、葉にハリを持たせます。
10分ほど水につける
それから、水気をよく切ります。レタスをよく食べる人は、サラダスピナーがあると本当に便利です。安いもので構いません。私はIKEAで買ったサラダスピナーを使っています。
サラダスピナーがない場合は、しっかりとザルで水を切る。キッチンペーパーで水気を抑えても
鶏のだしができたら、まず鶏を出して、皿に盛り付けてしまいます。つまり、仕上げは食べる直前。鍋の中に何もなくなったら(スープに加えた生姜は捨ててください)火を強め、ここに水を切ったレタスを入れます。少し顔を出してしまいますので、30~40秒したら上下を返して、全体に火を通します。
レタスが多少はがれても気にしない!
レタスのグリーンが一段濃くなり、しんなりしたら火が通っています。レタスが層になっているので、詰まったレタスの場合は中に火が入るのに少し時間がかかるかもしれませんが、通常であれば1分半~2分ぐらいでできあがりです。手羽先の横に盛り付け、スープを注ぎます。
食べるときに、芯のところにちょっとナイフを入れてあげると食べやすくなります。
春のレタスは、温製で。
レタスは正直、栄養的にさほど見るべきところはありません。でも、あのシャキシャキ感と清涼感は他の野菜にはないもので、人気なのもうなずけますよね。
まだ夜になると冷える日も多いです。レタスは生野菜として食べるより、こうしてスープなどで加熱して食べるほうが体を冷やしませんし、たっぷり食べられます。
レタス1/4では少しもの足りないかもしれません。一人でレタス半分ぐらいは行ってしまいそう。そんな軽やかな食べ心地のスープです。
【アレンジ】骨付きの肉でなくても作れます
レタスがあっさりした野菜なので、スープは鶏の手羽先で濃い目のブイヨンをとっています。でも、骨付きの鶏肉がちょっとハードルが高いという人は、もちろん普通の鶏肉でも構いません。また、レタスはサニーレタスやグリーンカールなど、さまざまな品種が出ていますので、それでもいいでしょう。
レタスと鶏もも肉のスープ
基本のレシピの鶏手羽先を、鶏もも肉のぶつ切り一枚分に変えたスープです。しょうがはすりおろしを使ってみました。レタスは葉をはがしています。構成要素は変わりませんが、形を変えるだけで、味わいも変わります。
鶏もも肉をスープにするときも骨付き肉と変わりませんが、最初の湯通しは、肉の色がかわるぐらいで十分です。同じように水を捨てて、煮ます。肉が小さいですから、時間は10分も煮れば十分です。
レタスと手羽先のにゅうめん
ちょっと麺を入れてもいいですね。そうめんなどあっさりした細麺が合いそうです。一緒に煮たいところですが、具が多くなるとレタスに火が入りにくくなるので、そうめんは別ゆでして合わせます。
<次回は5月7日(火)に更新予定です>