糀(こうじ)のうまみが全身にしみわたる。
今回は、発酵ブームで注目を浴びた「あまざけ」を使った味噌汁です。
いつもの味噌汁にあまざけを少し加えるだけで驚くほどうまみがアップし、やさしい味わいの味噌汁になります。
あまざけは糀(こうじ)を使った発酵食品です。 味噌とあまざけ、どちらも糀からできた兄弟のようなものですが、このふたつをかけあわせると発酵食品独特の複雑な味わいとコクが、さらにふくらみます。
キャベツと豚肉が、いくらでも食べられてしまいそうな味噌汁を、どうぞお試しください。
キャベツと豚肉のあまざけ味噌汁
材料(2人分) 所要時間約15分
キャベツの葉 5~6枚(約200g)
豚バラ薄切り肉 150g
あまざけ(麹由来のもの) 100mL
味噌 大さじ2
水 250~300mL
作り方
1.キャベツをちぎり、肉を切る
キャベツは5~7cm角の大きさに手でちぎる。豚肉は4~5cmの幅に切る。
2.キャベツを蒸し煮する
鍋にキャベツを入れて豚肉をのせ、水を50~100mL入れて鍋のふたをする。
中火にかけ、キャベツがすっかり柔らかくなるまで8分ほど加熱する。ときどき鍋のふたをあけて水が少なかったら足す。★1
3.あまざけと味噌を加える
キャベツがやわらかく蒸し上がったら、水200mL、あまざけ100mLを加えてあたためる。
味噌を加えて溶く。★2
レシピのポイント解説
・キャベツの加熱
・あまざけについて
★1 キャベツの加熱
キャベツの葉は、手でちぎります。太い葉脈のところもポキポキ折っておきますが、固いのが気になる方は、包丁で薄切りにしておきましょう。
アバウトでよし
ちぎったキャベツは、蒸し煮します。
ふだん味噌汁を作るときはだしの中にキャベツを入れて煮ると思いますが、蒸し煮したほうが、キャベツの雑味が消えて、甘みやうまみがより引き出されます。肉も使いますので、だしは不要です。
鍋に入れ、上に肉をなるべく重ならないように広げて並べる
水を加え、ふたをして中火で蒸し煮
途中でふたをあけてみて、もし水が蒸発しそうなら、少し加えましょう。
タプタプに入れず、焦げ付かない程度の水を差す
キャベツがすっかり柔らかく蒸し煮された頃には、肉にも火が通っています。ここまで加熱したところで、味噌汁の汁に当たる分の水とあまざけを加えます。
★2あまざけについて
あまざけには、酒粕からできるものと、糀(こうじ)からできるものの2種類があります。
今回使うのは、ブームの火付け役でもある糀由来のあまざけで、酒といってもノンアルコールです。
糀(麹)は、蒸した米にこうじ菌を繁殖させたもので、醤油や味噌の原料にもなっています。
選ぶときは、香料や砂糖が加えてあるものは避けましょう。飲み物としては悪くありませんが、味噌汁には適しません。
あまざけは、米のお粥に米糀を混ぜて発酵させたものなので、基本は米と麹だけでできています。甘みを引き立てるためにほんの少し塩が使われている場合もあります。
原材料名に「米・米麹・塩」以外の材料があるものは避ける
味噌もあまざけも、発酵食品です。グラグラ煮立たせるとせっかくの菌が死んでしまいます。もう豚肉にもキャベツにも火は通っていますから、あたたまればよいのです。
甘酒と水を入れてあたためたら、味噌を溶いてできあがり
発酵食で、健康に
あまざけは「飲む点滴」ともいわれ、昔は冬ではなく夏のスタミナドリンクとして人気でした。
糀菌のはたらきによる自然な甘さで、ちいさな子供でも妊婦でも安心して楽しめます。ビタミンやアミノ酸がたっぷりと含まれ、疲れているときにもおすすめです。
あまざけは甘すぎて苦手という人も、味噌汁であれば苦手意識なく食べられると思います。くどくない甘みと深いうまみが体にしみわたり、心まで癒されるようなあまざけ汁、きっとやみつきになりますよ。
【アレンジ】味噌汁の具ならオールマイティ
今回は豚肉とキャベツを使っていますが、豆腐やほうれんそう、だいこん、油揚げ、どんな味噌汁の具にも合うので、アレンジはとても幅広いものになります。いつもの味噌汁にあまざけを加える感覚で、いろいろ試してみてください。
きゃべつと厚揚げのあまざけ味噌汁
豚肉のかわりに厚揚げを使うと、ヴィーガンの人も食べられる、菜食の味噌汁になります。厚揚げは肉と同じぐらいの時間火を入れると「す」がはいってしまうので、キャベツを蒸し始めて半分ぐらいたった頃に、時間差で入れます。
ほうれんそうと豚ひき肉のあまざけ味噌汁
こちらもキャベツの味噌汁と同じように蒸し煮で作りますが、今度は豚肉から蒸して、あとからほうれんそうを加えます。ほうれんそうは、さっと煮えればOKです。