揚げ餅を、熱いおだしにジュッ。おろしで食べる、かんたんお雑煮

2017年も残りわずか。年末年始、お餅と大根でさっぱりとしたお雑煮はいかがでしょうか。材料も手間もほとんどいらず、簡単。アレンジも多様なこの一品をぜひお楽しみ下さい。
スープ作家の有賀薫さんによる、旬の野菜をたっぷり食べるベーシック・スープのレッスンです。

疲れた胃にも、するりと収まるさっぱり味

カリッと揚げたあつあつのお餅にたっぷりと大根おろしをのせて、だしを張った揚げ餅のお雑煮です。保存食品だけで思い立ったらすぐに作れるお雑煮は、覚えておくと重宝です。

香ばしいお餅とやさしい大根おろし、キリッと濃いめのだしの組み合わせは、老若男女問わずみんなに好まれる味。甘さを控えた風味は、ちょっぴりホッとしますよ。

では、さっそくやってみましょう!


揚げ餅雑煮

材料(2人分) 所要時間約10分

切り餅 2個
サラダオイル 約100~200mL ※鍋の大きさによる
めんつゆ 350mL ※「かけつゆ」の濃さに希釈する
大根 4~5cm

作り方

1. だしを作る
めんつゆをパッケージの表記に合わせて「かけつゆ」程度に水でうすめ
、あたためる。
大根は皮をむいておろし金でおろし、軽く水気をしぼっておく。

2. 餅を揚げる
鍋にサラダオイルを1~2cmほど入れて熱し 、餅を入れ、表裏を返しながら3分程度、中弱火で揚げる。
膨れてきたら油からひきあげ、重ねたキッチンペーパーなどに取って、油を切る。

3. めんつゆに餅を入れる
お椀に揚げた餅を入れ、大根おろしをのせ、めんつゆを注ぐ。


レシピのポイント解説

・めんつゆの濃さ
・お餅の選び方と揚げ方
・盛り付けについて

★1 めんつゆの濃さ

濃縮タイプのめんつゆを、そばやうどんのかけつゆと同じくらい、つまりそのまま飲める程度にうすめてください。濃縮タイプのめんつゆは、パッケージに希釈の分量が記されています。


昆布だしでもかつおだしでも、お好みのもので

1~2人分ならレンジであたためるのがお手軽。もちろん鍋でまとめて作ってもOKです。

★2 お餅の選び方と揚げ方

お餅は、パックに入った切り餅が便利ですね。コンビニでも売っています。

角餅、丸餅、どのお餅でも大丈夫ですし、豆入りや青のり入りの餅でもおいしくできます。


丸餅、角餅、玄米餅など

餅はあまり大きなものは切った方がいいでしょう。半分、1/4に切っても食べやすいです。


切り餅を1/2に切っておくと食べやすい

ちなみに『サトウの切り餅』には、十字にスリットの入ったタイプがあり、これを使えば包丁いらずです。コンビニにも置かれています!


餅に十字に切れ目が入っていて…


半分または4つに、手で割れる

鍋は、後片付けを考えるとテフロンの鍋がおすすめです。
一番使いやすいのは、少し深さのあるテフロンのフライパン。なければ通常のフライパンや鍋でもできます。


油は、鍋底1~2cmで十分

油の量は、フライパンのサイズによりますが、100mLから200mLでしょう。お餅を入れたときに半分以上がひたっているぐらいがよいでしょう。
あまり大きなサイズのフライパンだと、油がたくさん必要になってきますので気をつけてください。

油を熱して餅を入れます。

菜箸を鍋底につけるとプクプク油が出てくるのが、油の温度が上がっためやすです。

お餅は、一度にたくさん入れると膨らんだ時にくっついてしまいますので注意です。鍋が小さいときは無理せず分けて揚げましょう。


ゆとりをもたせて揚げること

ときどきひっくり返しながら、2~3分、中火より少し弱い火加減で揚げます。

油の量が少ないと温度が上がりやすいので、煙が見えたらすぐに弱火に落として気をつけましょう。


菜箸でほんの少し持ちあげながら揚げると均等に揚がる

お餅はすでに火の通っているものですから、生煮えということは気にしなくて大丈夫。ぷーっと膨れてくるのが目安ですが、お餅それぞれによって状態は違ってきます。


色づく前に膨れる場合もあるが問題なし

揚がったら、キッチンペーパーなどを重ねた上で油を切りましょう。

2回目を揚げる場合は、そのまま中火にかけ続けると油が高温になって焦げやすくなるので気をつけてくださいね。
油も減っているでしょうから少し足してやって、温度を下げましょう。

★3 盛り付けについて

油から引き揚げたお餅は濡れたような感じですが、ペーパーに置くとすぐにカラッと油が切れます。

しばらくしたら、それぞれのお椀にお餅を移し、大根おろしをたっぷりのせ、あたためただしを上から注ぎます。


餅を揚げる前に大根おろしを作っておこう

この日ばかりは「みんなそろって…」はなしにして、できた順から熱々を食べてもらいましょう。

お好みで刻みのりをふると、さらにおいしく食べられます。

せわしない年末の食事にもお雑煮は活躍!

角餅にすまし汁、丸餅に白味噌仕立てと、各家庭に伝わるお雑煮には年のはじまりを感じますが、3日も続くと飽きてきますね。そんなときに作ると、気分が切り替わってとても喜ばれるお雑煮です。

また、手軽にできて、ひと椀でお腹が満たされるお雑煮は、実は忙しい年末にも意外と重宝するものです。

お餅で力をつけて、年末年始の忙しさを乗り切っていきましょう!

【アレンジ】薬味を添えて、具を添えて。

お餅が揚げてあるというだけで、普通のお雑煮と同じように、具もだしもお餅も自由です。簡単にねぎやゆずなど薬味を添えたり、お餅を変えるだけでもおいしさが変わりますよ。麺類にトッピングという荒業もご紹介しましょう。

青ねぎと柚子の玄米餅雑煮

大根おろしのかわりに、青ねぎと柚子の皮を刻んだものをたっぷりと散らすと、香りのよいお雑煮に。お餅は玄米で作った玄米餅を使っています。作り方は全く同じです。

揚げ餅ヌードル

とことんお腹いっぱいになりたいときにおすすめなのが、カップヌードルに揚げ餅を入れた、力うどんならぬ「力ヌードル」です。入れやすいよう、お餅は1/2など小さめにカットしてから揚げましょう。


スープ作家・有賀薫さんのnoteはこちら


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スープ・レッスン

有賀 薫
プレジデント社
2018-09-27

この連載について

初回を読む
スープ・レッスン

有賀薫

野菜、お好きですか? おいしい旬の野菜を手に入れたら、ぜひシンプルなスープで味わってみてください。旬の野菜をたっぷり食べる、究極のベーシック・スープをスープ作家の有賀薫さんが教えててくれます。

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    コメント

    tsuna_kiti 簡単そう、スーパー開いたら餅と大根買ってきてやるかな~ 2ヶ月前 replyretweetfavorite

    nukusuke 時間とお餅に余裕があるので、朝からこれ。年末にお土産でいただいた刻み湯葉… https://t.co/WRS336DR1Z 約1年前 replyretweetfavorite