寒さ知らずのスープで、年末の体調をととのえる
淡白な白菜に塩だけというシンプルな味つけなのに、食べ飽きず、むしろいつまでも後を引くのは、しょうがで味にメリハリがついているから。
白菜のやさしさ、しょうがの辛みと香り、ひき肉のうまみをお互いがが引き立て合ったスープです。
スープを口にするうちに、体があたたまってくるのがわかります。思い切りよく入れた、しょうが効果です。
白菜は切って鍋に入れたら一切さわりません。軽く蒸し煮して、上から水どきのひき肉をかけ、そのまま煮上げるだけ。鍋一つでとても簡単にできるのも魅力です。さあ、それでは作ってみましょう。
白菜の塩しょうがスープ
材料(2人分) 所要時間約15分
白菜1/4株 (約500g)
しょうが大1片(約50~60g)
鶏ももひき肉 100g
塩 小さじ1
サラダオイル 大さじ2
水 約6~700mL
作り方
1.白菜としょうがを切る
白菜は長さ5cm、幅2cmぐらいに切り、白い茎と葉をおおまかに分ける。しょうがは3/4をすりおろす。★1
鶏ひき肉、すりおろししょうが、塩小さじ1、水200mLをよく混ぜ合わせる。しょうがの残りは千切りにして、とっておく。
2.白菜を煮て、ひき肉としょうがを加える
白菜の茎を鍋に入れ、続いて葉をのせ、200mLの水とサラダオイル大さじ2をまわしかけてふたをし、中火にかける。★2
煮はじめて5分ほどたったらふたを開け、1のひき肉を均一になるようにかける。
3.煮込んでしょうがを散らす
さらに水2~300mL、ひたひたの水を加えて8~10分、ひき肉に火が通り白菜が柔らかくなるまで煮込む。しょうがの千切りを加える。★3
レシピのポイント解説
・白菜の切り方
・白菜の煮方
・しょうがについて
★1 白菜の切り方
白菜のような大きな野菜にはかなりの個体差があります。
同じ1/4個でも左は1109g、右は427g
今回は1/4個で500gと小さめのもの。この重さに対して水と塩の分量を出しています。
大きすぎる場合は外側から数枚、葉をはずしてください。スープには、内側のやわらかいところが向いています。
白菜は、横5センチの幅に切ってから、繊維に沿って2〜3センチの太さに切っていきます。
葉は煮ると小さくなってしまうので、茎よりも大きめに切りましょう。
まずは横にして5cm幅に
縦にして2㎝幅に切る
茎と葉を分けておく。厳密でなく、だいたいでOK
★2 白菜を煮る
鍋に入れたら混ぜませんので、煮えにくい茎を下、煮えやすい葉を上にして鍋に入れます。
これを少なめの水200mLと油で蒸し煮します。必ずふたをしてください。
火にかけて数分で白菜がしんなりする
そこに、どろどろに水で溶いて、しょうがのすりおろしと塩を混ぜた肉ペーストを流していきます。
水を混ぜるのは、ひき肉がくっつかないようにするためと、しょうがや塩をムラなく混ぜるため
水どきしたひき肉ペーストを白菜全体に広げるようにのせる
肉がギリギリ隠れるぐらいまで水を足す
★3 しょうがについて
このスープの最大のポイントはしょうがの量です。
すりおろしてみると、こんなに入れて大丈夫かな…と不安になるかもしれませんが、大丈夫です。入れてしまってください。
(ただし、小さなお子さんや辛いのがひどく苦手な方がいる場合は控えめに)
しょうがは肉と一緒に入れることで臭み消しの役割も果たします。
飾りの分は1/4ほど残して刻む
師走のあわただしさの中、ほっとできる家スープ
忘年会、クリスマスパーティと、イベント続きで忙しい12月。家での食事は、準備も簡単で胃腸にもやさしいものがいいですよね。
白菜は、中国薬膳では季節の健康に欠かせない食材「冬の養生三宝」のひとつ。その白菜を使ったスープは、疲れ気味の体をいたわってくれます。
たっぷり作って鍋ごと食卓に出して、取り分けながらいただきましょう。
【アレンジ】たっぷり食べたい野菜で作ってみよう
基本的には煮て美味しい野菜ならどんな野菜でもできる、このスープ。レシピは同じですが、野菜によって、蒸し煮する時間を変えていきます。
大根としょうがの塩スープ
白菜と同じく、冬の養生三宝のひとつ、大根。冬になるとぐっと美味しくなります。1センチほどの拍子木に切った大根で同じようにすればいいだけ。大根のは白菜よりも火が通りにくいので、やや長めに煮ましょう。
なすとひき肉の塩しょうがスープ
なすは、油多めでしっかり味付けすることの多い野菜ですが、こんな風にあっさり煮てもおいしいものです。ひき肉は、相性の良い豚を使ってもいいですね。仕上げにコチュジャンをほんの少しトッピングしています。
スープ作家・有賀薫さんのnoteはこちら