びっくりするほど手軽にできるムール貝のスープ!
バターやにんにくの風味で蒸し上げたぷりぷりのムール貝、そして貝から出てきたおいしいスープ。
一品作るとダブルで楽しめるのが、今日ご紹介するムール貝のシードル蒸しです。
こんなしゃれた料理、お店で食べるものでしょ?と思った人も多いかもしれません。でも実は、鍋ひとつで驚くほど簡単にできてしまうんです。
ムール貝は、最近では国内でも養殖されており、幅広く出回っています。思いのほか値段も安いものです。デパートや大きな魚売場のあるスーパーだと手に入りやすいです。
貝とスープの味に一役買っているのは、りんごのお酒・シードルです。ナチュラルで、どんな食事にも意外なほど合うシードルは、フランスをはじめ世界各国で日常的に飲まれているお酒です。最近は日本でも注目度がぐっと高まって、コンビニエンスストアでも見かけます。
貝のうまみ、シードルの甘みや酸味、バターのコクと塩味、さまざまな味わいと香りが混然一体となった、とっても華やかな料理です。
蒸した鍋ごと出して、休日の昼下がりや夕方からのんびり楽しみましょう!
ムール貝のシードル蒸し
材料(2人分) 所要時間約15分
ムール貝500g(10~15個前後)
シードル 150mL
にんにく 1片
オリーブオイル大さじ1
バター30g(有塩)
パセリ 適宜
作り方
1.ムール貝を下処理する
ムール貝は、たわしなどでよく洗い、ひげのような足糸(そくし)を貝の蝶番と反対方向へ引っぱって取る。★1
にんにくは皮ごと包丁でつぶす。
2.ムール貝をシードルで蒸す
鍋にオリーブオイルとつぶしたにんにくを入れ、弱火で加熱する。
にんにくの周辺が色づいたら、ムール貝、シードル150mLを加える。★2
全体を大きく混ぜ、しっかりふたをして強火に切り替え、貝が口を開くまで4~5分蒸す。★3
3.仕上げとスープ
貝の口が開いたら、バターを加える。(好みでパセリを散らしてもよい)
貝の身はそのまま食べ、蒸し汁は小さなカップに入れ味をみて、濃いようなら湯で割って飲む。
レシピのポイント解説
・ムール貝の下処理
・シードルについて
・貝の蒸し方
★1.ムール貝の下処理
ムール貝は海外産のほか、最近では国内でも養殖されており、幅広く出回っています。デパートや大きな魚売場のあるスーパーだと手に入りやすいです。
この日は160gで249円。3パック750円ぐらいで入手!
あさりのように砂抜きが必要ないため、下ごしらえも簡単です。
まず、ボウルに水を張って貝を入れ、たわしや固いスポンジで洗います。
たわしがないときは、貝同士をこするようにして洗います。
ムール貝は、あさりとは違って砂場に生息しないため、砂抜きは不要です。ただ、海藻のようなひも状のものが殻から出ています。これは岩場などにとりつくための「足糸(そくし)」で、食べられません。
水洗いしたら、殻をしっかり持って足糸をゆっくり引き抜きます。貝の水気はふきとっておきましょう。
しっかり手で持ち、矢印の方向へ
殻をしっかり持ち、蝶番の側(細くとがった方)から蝶番の反対側(貝の口の方)へ向かって、ゆっくり引き抜くようにします。切れてしまっても、口が開いてから取り除くこともできるので大丈夫!
★2.シードルについて
シードルは、甘口と辛口がある場合は辛口を選びましょう(Dry、Brutと表記されている場合もあります)。甘いシードルでも貝自体はおいしく食べられますが、スープがやや甘くなってしまいます。香料が添加されているものは避けます。
使いきりたい人は、小瓶が便利です。ただ、この料理とシードルの相性がバッチリなので、貝を食べながらシードルを飲むのも素敵ですよ。発泡酒ですが、翌日ぐらいまではおいしく飲めます。
キリン「ハードシードル」は、290mL。コンビニでも置いてあるので手頃
「シードル」はフランスの呼び方で、イギリスでは「サイダー」、スペインでは「シードラ」、アメリカでは「ハードサイダー」、呼び方がちがっても基本は同じりんごのお酒です。青森、長野はじめ、りんごの産地で作られる日本産のシードルもあります。
世界中で飲まれているシードル
シードルがどうしてもみつからない!という人は、シードルを辛口の白ワインにかえて同様に作りましょう。ムール貝の白ワイン蒸しです。
★3.貝の蒸し方
貝とシードルを鍋に入れる前に、まずオリーブオイルでにんにくを加熱し、にんにくの香りを移しておきます。一緒に入れても良さそうなものですが、にんにくの刺激臭を消すためのひと手間です。
にんにくは皮付きのまま、包丁の腹でつぶします。上から手のひらを添え、体重をぐっとかけるようにしてつぶしましょう。皮が自然にはずれるようなら、外して捨ててしまいましょう。
包丁の根元の広い部分を押し付けるようにすると、安定する
オリーブオイルとにんにくを鍋に入れ、弱火でじわじわ火を入れます。
にんにくの周囲が色づき、いい香りがしてきたらOK
ここに、水気をふきとったムール貝を入れ(跳ねる場合があるので気をつけてください)、シードルを注いで強火にし、しっかり蓋をして蒸します。
シードルの残りは飲んでしまってOK!
鍋の底にたまった蒸し汁は、貝の身以上のごちそうです。
味つけは貝の塩味とバターのみですが、ムール貝に蒸し汁が絡むよう水分量を少なめにしてあるので、味をみて、濃いようなら小さなカップに入れてお湯を少し差すと、スープとしておいしく飲んでいただけます。お湯で薄めず、バゲットを浸して食べるのも魅力です。
ホームパーティにもぴったりの華やかさ
ムール貝の料理は貝の下ごしらえさえしておけば、加熱時間は数分ほど。あっという間にできるので、ホームパーティなどの最初に鍋ごとドン!と出せば見栄えもよく、盛り上がります。
シードルとのカップリングはもちろん、白やロゼワインにもよく合う酒肴です。ムール貝が手に入ったら、ぜひ作ってみてください。
【アレンジ】お酒をかえて、具をかえて。
下処理をした貝にお酒を注いで、ふたをして蒸し煮する。シンプルな調理法ですが、貝やお酒を変えて同様にすれば、さまざまな味が楽しめます。
あさりのシードル蒸し
ムール貝が手に入らない!というときは、あさりにかえてまったく同じ味付けでも美味しくできます。あさりは砂出しをしっかりしましょう。
ムール貝の中華蒸し
貝はムール貝のまま、シードルのかわりに日本酒と水を半々に混ぜ醤油大さじ1を加えたもので蒸します。オリーブオイルはごま油に変えて、最後のバターは省略。しょうがや鷹の爪をちょっと入れてもいいものですよ!
スープのレシピや研究成果を発表している有賀さんのnoteはこちら!