ほうじ茶の香りがきのこのうまみを引き立てる
きのことお茶という、意外な組み合わせのスープ。想像がつかない!と感じるかもしれませんが、香りよし、うまみよし、それでいながら日常的で、ほっとする一皿です。
「きのこ鍋」と呼びたくなるほど、きのこをたっぷり使います。しめじ、まいたけ、エリンギ、3種類のきのこをかけ合わせることで、うまみや香りが増幅されます。
きのこのうまみがほうじ茶に溶け出したスープは、滋味ぶかい味わいです。どうぞ深まる秋を楽しんでください。
きのこのほうじ茶スープ
材料(2人分) 所要時間約15分
ぶなしめじ、まいたけ、エリンギなど きのこ3種類以上を合わせて300~350g(各1パック)
ほうじ茶 500mL
塩 小さじ1/2
しょうゆ 約小さじ1/2
作り方
1.きのこを手で割く
きのこはいしづきを切り落とし、手で割きながら鍋に入れる。エリンギが長い場合は半分の丈に切ってから割く。★1
2.ほうじ茶で煮る
きのこの入った鍋にほうじ茶500mLを加え、火にかける。沸騰したら塩を加え、弱火にして8分煮る。醤油で味を調えてできあがり。★2
レシピのポイント解説
・きのこついて
・ほうじ茶について
★1 きのこについて
きのこは、3種類を混ぜて使います。きのこによってパックの大きさが違うのですが、小さなパックなら1つずつ。大きなものは合わせて300~350gにしてください。材料写真のきのこは約350gです。
しいたけ、えのき、本しめじ、マッシュルームなどお好きなきのこで作っていただいてOKです。
きのこについてもっと知りたい方はこちら「スーパーで買えるきのこ図鑑」!
洗わない。そして切らずに割く。
これがきのこの風味を損なわないやりかたです。多くのきのこは繊維にそって、手で簡単に割けます。
いしづきはどこまで切りおとせばいいのか迷いますが、汚れた部分だけを取り去れば大丈夫。最近は、いしづきをあらかじめ切り落としてあるきのこもあり、そんな場合は黒ずんだ切り口を切るだけで十分です。
しめじはいしづきをとり、手でバラバラにほぐします。
いしづきはほんの少し切りおとせばよい
小さなものは、2つ3つくっついていてもOK
エリンギは、大きさに差があります。10cm以上のものは最初に半分の丈に切ってから、かさのほうからゆっくりと縦に割きましょう。
小さなものならそのまま縦に割いてOK
頭(カサの部分)から二つに割いてから
割き方についての動画がありましたので、ピンとこない方はこちらをご覧ください。
縦に細く割く。かさは割れたりとれたりするが、あまり気にせず
舞茸は、白い茎の部分もおいしく食べられます。かさのほうから、ゆっくり割いていきます。
白い茎の部分が大きいものは、包丁で切ってもいい
20センチぐらいの鍋が合います。ただ、きのこはあっという間にかさが減るので、あふれてしまわなければOKです。
350gのきのこだと、20センチ径の鍋がぴったり
★2 ほうじ茶について
ほうじ茶は、ペットボトルで十分です。もちろん、家にほうじ茶がある方はそれをいれて使っていただければより香りよく仕上がります。
ほうじ茶を全量と塩も入れてしまってから火をつける
ちなみに、ほうじ茶は煎茶や番茶など緑の茶葉を煎ったお茶のこと。煎茶のように渋みがなく苦みも弱いので、このような使い方をしても大丈夫です。カフェイン含有量も少なく、体に負担をかけません。
おいしく食べて、体も整えてくれる
水だけで煮出すとちょっと気になるきのこの匂いが、ほうじ茶の香りで見事に消され、濃いうまみなのに爽やかに食べられるという不思議なスープです。
ローカロリーで食物繊維もたっぷり含まれるきのこは、健康食としてもすぐれています。食欲の秋、増えた体重がちょっと気になったときにも、どうぞたっぷり召し上がってください。
【アレンジ】さらに満足感を高める
卵や肉、そして野菜。きのこはどんな食材とも相性がよい、オールマイティさがあります。冷蔵庫の残り物を入れてもいいし、もう少しがっつり食べたいときには肉や野菜を組み合わせて食べ応えを出しましょう。
落とし卵のきのこスープ
落とし卵を作ってのせるだけ。最後にスープに加えるしょうゆを加えずに、黄身をくずしたところにしょうゆをたらすと、より香りよく食べられます。
簡単な落とし卵のレシピはこちら!『卵黄決壊!落とし卵の作り方』
きのこの豚しゃぶスープ
作ったきのこスープで、しゃぶしゃぶをするように、豚の薄切り肉を一枚ずつ煮ます。煮えたものはどんどんとりだしてしまい、全部煮たら鍋に戻します。あまり強火で煮立てないように。肉をやわらかく仕上げるためです。
きのこのサラダスープ
深めのさらに洗ったサニーレタスを入れ、きのこスープをたっぷりかけます。そこにごま油をひとたらし。スープの熱でしんなりしたサニーレタスをきのこといっしょに食べると思わぬおいしさです。
スープのレシピや研究成果を発表している有賀さんのnoteはこちら!