とろとろに柔らかいナスと麦茶の冷たいスープ
今回は夏が旬のナスと、あの麦茶を使ったスープです。やわらかいナスが冷たい鶏のスープをたっぷり含んだ、ひんやりおいしい一皿を作りましょう。
暑さでなるべく火を使いたくない時期、ナスをレンジで柔らかくすることで、火の前に立つ時間を減らし、簡単に調理できます。
だし代わりに使うのは、夏の代名詞、麦茶。かすかな麦の香りが食欲をそそり、鶏や野菜の臭みをすっきり消してくれる効果もあります。
冷やしている間にナスが鶏と麦茶のだしを含んでいい具合になります。暑い日に帰ってきて、冷蔵庫にこんなスープがあったら本当にうれしくなるはず。
ぜひ、朝か前日の晩に作って、冷やしておいてください。
とろとろナスと麦茶の冷製スープ
材料(2人分) 所要時間約15分
ナス4本
鶏もも肉 約100g
麦茶 500mL
サラダオイル 大さじ1
塩 小さじ1/2
醤油 小さじ2
作り方
1.材料を下ごしらえする
ナス4個はへたを取り、皮をピーラーでむき、縦横半分の1/4に切り、さっと水で濡らす。★1
鶏肉は小さく切ってボウルに入れ、熱湯をかけ、ざるに上げておく。
2.ナスを加熱する
ビニール袋に油大さじ1を入れ、切ったナスを入れて軽く上下に動かし、全体に油を行きわたらせる。なるべく重ならないよう耐熱皿にのせ、レンジで約6~7分※加熱する。★2
3.スープを作り、ナスを煮る
麦茶を煮立て、鶏と塩小さじ1/2を入れて2分ほど煮る。加熱したナスを加えてさらに2分煮て、最後に醤油を加え火を止める。★3 あら熱がとれたら冷蔵庫でよく冷やす。
※500Wの場合。600Wなら5~6分、700Wなら4~5分加熱をめやすに加熱。
レシピのポイント解説
・ナスについて
・レンジ加熱の方法
・麦茶について
★1.ナスについて
ナスには多くの品種があり、大きさや味わいによって向く料理が変わります。
このスープには、定番品種は長い卵型の「千両ナス」が良いでしょう。扱いやすく、焼きナスにはこれが最も適しています。
夏に最も出回る「千両ナス」
皮がやわらかく、がくがピンとしているものを選びましょう。なすはがくのところにトゲがついていますが、新鮮なものは、このトゲがしっかりしています。
ナスの一番おいしいところはへたのすぐそばなので、なるべくギリギリで切り落としてください。
ヘタを落としたとき、実がちょっと見えるぐらい
ナスに残ったがくは、実をなるべく残しつつむいて
ナスは実がやわらかく、包丁で皮をむくのはたいへん。ピーラーを使いましょう。
皮をむいてから、縦、横、それぞれ半分に切る
★2.レンジ加熱の方法
切ったナスは空気にふれるとすぐに色が変わってしまうので、手早く処理しましょう。
ナスをさっと濡らし、水を軽く切ってビニール袋に入れます。袋にサラダオイルを大さじ1入れ、口をしっかり持って上下させながら、油を全体にまわします。
皮をむいてしまったナスは、とても柔らかくデリケートなので、あまり激しく振ったり、袋の外から強くもんだりしないでください。全部に油が回り切らなくても大丈夫です。
袋の口をギュッと持って、上下にひっくり返し、油を回す
なるべく重ならないように耐熱皿に並べる
これをレンジで6~7分ほど加熱します。
私のレンジは500Wで少し弱いので、7分ほど加熱してみました。600Wの方は6分ぐらいで大丈夫です。
大きな耐熱皿がない人は、3~4分ほどレンジにかけたら一度出して、箸で上下を入れ替えてさらに3分レンジにかけて、加熱ムラを防ぎます。
加熱されたナスはさらに柔らかくなっているので、やさしく扱いましょう!
箸でつまんで柔らかくなっていたら出来上がり。まだ芯のある固い感じがしたら少しずつ加熱してください。
仕上がり具合は、箸でつまむと簡単に跡がつくぐらい
★3.麦茶について
麦茶は、ペットボトルでOKです。このレシピは500mLのペットボトル1本分でできるように作ってあります。家で水出しや煮出しの麦茶を飲んでいる方は、それを量って使ってください。
麦茶は麦の種子を焙煎し、水で煮出したものです。
今はペットボトルか水出し麦茶が主流ですが、昔ながらの粒状の麦を使った煮出し用の麦茶は、今の麦茶と比べると色こそ薄く感じるものの、香ばしさやうまみが大きく違います。
もし手に入るようでしたら、ぜひ煮出してみてください。
煮出しやすいように紙パックに入っているものもある
冷蔵庫がない時代はもちろん熱いまま飲まれていましたが、今と違い、「麦湯」は貴族の飲み物だったそうです。
夏の夜、よく冷やした吟醸酒と合わせても
時間をかけて味をしみこませてあるこのスープは、簡単なのに、とても手間がかかっているように感じられる料理です。
お酒のアテにも最高で、キリッと冷やした吟醸酒や辛口白ワイン、発泡酒など、すっきり系のお酒によく似合います。
また、作り置きがきくのでお客さま料理に最適。小さな器に品良く盛ってお出しすると素敵ですよ。
変化球いろいろで、夏の定番に
ナスと桜えび、麦茶の冷製スープ
鶏肉のかわりに、えびを使ってもおいしくできます。乾燥の桜えびなら、包丁も不要です。桜えびは火を通す必要がないので、ナスと一緒に加えればOK。
焼きナスと麦茶の冷製スープ
今回、ナスをレンジで調理しましたが、手間をかけられる方は、ぜひ焼きナスでもやってみてください。ナスに合う、しょうがを千切りにして添えました。ナスの皮の焦げた香りが移って、レンジ調理とはまた違うおいしさが味わえます。
焼きナスのくわしい作り方は、noteに掲載しましたので、こちらもお楽しみください。
スープのレシピや研究成果を発表している有賀さんのnoteはこちら!