きゅうりをおろして混ぜるだけ、ひんやり癒しのスープ。
うだるような暑い最中、火を使わず、ササッと短時間でできるきゅうりとヨーグルトの冷製スープをご紹介します。
出盛りのきゅうりが持つ爽やかさが味わえる、中東風の冷製スープです。
すりおろしたきゅうりにヨーグルトと塩を混ぜるだけというシンプルさですが、ハーブやにんにくといった香りづけで複雑な味わいになるのがきっと人気の秘密なのでしょう。
トルコでは「ジャジュク」と呼ばれるスープですが、ギリシャには同じ材料を使った「ジャジキ」という味としてとても近い料理がありますし、中近東の国々にも同じようなスープが存在します。
きゅうりが持つみずみずしさを、ひんやりしたスープでお楽しみください。
きゅうりのヨーグルトスープ
材料(2人分) 所要時間約10分
きゅうり 3本
ヨーグルト 1カップ(250g)
ミントの葉 20枚程度(約3~4g)
にんにく 小1片 ※使うのは1片の1/3ぐらい
塩 小さじ1/2
冷水 100mL
オリーブオイル 少量
1.きゅうりをすりおろす
材料はよく冷やしておく。きゅうり3本のうち2本分をすりおろす。★1 にんにくもすりおろす。
2.ヨーグルトときゅうりを混ぜる
ヨーグルトに、1のすりおろしたきゅうりとにんにく、刻んだミント(飾り分は残す)、塩小さじ1/2、冷水100mLを加えて混ぜる。味をみて塩で調節する。★2
3.切ったきゅうりをのせる
残りのきゅうり1本を1~1.5㎝角に刻む。器にスープを盛り付け、刻んだきゅうりをのせて、ミント★3を飾り、オリーブオイルティースプーン1杯をたらす。氷を浮かべてもよい。
レシピのポイント解説
・きゅうりについて
・ヨーグルトについて
・ミントについて
★1.きゅうりについて
きゅうりはハリがあって、緑色の薄いものを選びます。イボがトゲトゲしているものは、新鮮な証拠です。曲がっていても味には変わりありません。とくに今回のスープはすりおろしてしまうので曲がったきゅうりの使いみちにもぴったりです。
ヘタを切り落として、おろしがねでおろす
水も捨てないで
残り1本のきゅうりは飾りに使うので、小さめに切っておきます。
縦1/4か1/6にしてから、1~1.5㎝幅に刻む
【ミキサー、ハンドブレンダーをお持ちの方へ】
ミキサーやハンドブレンダーがあれば、もっと簡単にできます。きゅうりはトッピングの1本を残して、2本分を2~3㎝ぐらいの幅に切り、にんにく1/3片、ミント、ヨーグルト、冷水、塩と一緒に攪拌すればできあがり。
★2.ヨーグルトについて
ヨーグルトはごく一般にスーパーで売られているプレーンヨーグルト、つまり無糖のものにしてください。酸味や風味など、製品によって若干の違いはありますが、お好みのものでかまいません。
市販のヨーグルト。必ず無糖のものを
どのヨーグルトでも同じレシピで作れますが、ほんの少しずつ仕上がりが変わります。
私は、手に入りやすい「明治ブルガリアヨーグルト」をふだん使いしています。酸味が強めなところが好みです。
ヨーグルトは発酵させる菌種や製法により違いがあります。
数年前に注目されメジャーになった「カスピ海ヨーグルト」は、学者が長寿地域のコーカサス地方から日本へ持ち帰ったヨーグルトから作られたもので、独特のとろみのような粘り気が特長です。
また「ギリシャヨーグルト」は、ヨーグルトの水分(ホエー)を切って、濃厚にしたヨーグルトです。これで作るとやや重たい感じのスープに仕上がります。
★3.ミントについて
最近はハーブが手に入りやすくなりました。このスープのレシピを調べると「ディル」「ミント」のどちらか、あるいはどちらもが使われていますが、今回は、大手スーパーならたいてい置いてある「ミント」を使いたいと思います。
たくさん品種があるなかで「スペアミント」「ペパーミント」などが、よく店で見かける種類。どれを使っても大丈夫です。
スペアミント。葉の大きさは育ち方によっても差がある
ミントはまず少しの間水に放っておき、ペーパーなどで水気をおさえてから、葉をむしって使います。使うのは20枚ほど、葉の大きさによりますが3~4gです。
体にこもった熱をほどよく放つ、ひんやりスープで夏の養生。
体内の熱をほどよく冷やしてむくみ解消効果、整腸作用があるとされているきゅうりは、夏の体に向く野菜です。熱中症になりそうなほど暑い毎日、こんなスープでたっぷりとると、いいですね。
このスープはぬるいより、ひんやり冷たいほうがおいしいです。材料はよく冷やしておく、と書きましたが、もちろんつくってから冷やしても大丈夫ですよ。
氷を浮かべれば目にも涼やか。食欲が落ちたときでも、一口ごとにミントの香りときゅうりのすーっとした食感で無理なく食べられ、心もからだも癒されます。
野菜プラスし、さらに味わい華やかに
きゅうりだけでなく、他の野菜を少し足していけば、サラダ感覚で野菜がたくさん食べられます。色とりどりの野菜をのせれば、パーティ料理にも使えます。
夏野菜のヨーグルトスープ
作り方はそのまま、トッピングに刻んだトマトやパプリカなどをのせるだけで、こんなに豪華!パーティなどにも見栄えるオードブルスープに。スープをお酒のアテにするときは少し塩味を強めにすると、いいですよ。
きゅうりとトマトのヨーグルトスープ
こちらは、トッピングだけでなく、スープ自体にトマトのすりおろしを加えたものです。トマトの酸味やうまみが加わって、味わいのある冷製スープになります。きゅうりとトマトのあられ切りを散らして。
きゅうりと青じそのヨーグルトスープ
ミントが手に入らなかったときは、日本のハーブ・青じそで代用してみるというのも手です。全く違う趣になりますが、ぐっと和の雰囲気に。トッピングのきゅうりは千切りにしてあります。
【12名限定】リアル・スープ・レッスン
~スープ&ドリンクで香る、大人のハーブ&スパイスナイト~
前回盛況の『スープ・レッスン』のイベント「リアル・スープ・レッスン」を今月も行います!
7月にご紹介した「モロヘイヤとトマトのスープ」「きゅうりのヨーグルトスープ」をお酒にも合うアレンジ版でご紹介。スープに香りや辛みで個性をつける、ハーブやスパイス使いを楽しく実験します。
日時:7月31日(月)19時~(開場18時40分)
※スタート時間の5分ほど前までに会場へお越しください。
場所:神保町 Lab&Kitchen
会費:3.500円 スープ試食・スパイスドリンク1杯つき(アルコール類はキャッシュオン)
定員:12名 持ち物:特になし
申し込み方法:こちらよりお申込みください。
暑い日々が続く今月は、スープの試食に加えて冷たいスパイス&ハーブドリンクもお出しする予定なので、仕事帰りに軽~く一杯やりにくる感じでおいでください!
スープのレシピや研究成果を発表している有賀さんのnoteはこちら!