夏のスタミナ野菜・モロヘイヤを、スタミナたっぷりのとろとろスープに。
エジプトでは古代から食べられていた栄養価抜群のモロヘイヤ。日本でも美容にいい夏野菜として注目されています。叩くとねばりが出るのが特長で、味自体はおだやかながら、うまみがしっかり出るので、肉なしでも十分なおいしさを引き出せます。
このモロヘイヤとトマトを使って、エジプト風のスープを作ります。
とろとろのモロヘイヤにトマトの酸味が絡みつき、にんにくやクミンがエキゾチックに香る力強い野菜スープで、暑い夏をパワフルに過ごしましょう。
モロヘイヤとトマトのスープ
材料(2人分) 所要時間約20分
モロヘイヤ 1束 プチトマト 1パック(150g)
にんにく 大1かけ
クミンパウダー 小さじ1
オリーブオイル 大さじ2
塩 小さじ1
水 約450mL
1.材料を切る
トマトはへたをとり四つ割りにする。にんにくはみじん切り。モロヘイヤは洗ってしっかり水を切り、茎の下半分を切りおとして、葉を刻む。★1
2.トマトとモロヘイヤの茎でスープを作る
鍋にオリーブオイルとにんにくを入れて中火で熱し、にんにくがうっすら色づいたらクミンパウダーを入れて混ぜ合わせ、さらにトマトを加えて炒める。トマトが崩れたらモロヘイヤの茎を入れ、水100mLと塩を加えて5分煮る。
3.モロヘイヤの葉を入れる
モロヘイヤの茎をとり除き、水350mLを足して沸騰させ、モロヘイヤの葉を一度に入れる。ひと混ぜしたら40~50秒ほど煮て火を止め、味を見て塩で調節する。★2
レシピのポイント解説
・モロヘイヤについて
・クミンについて
★1.モロヘイヤについて
モロヘイヤは、葉にピンとハリのあるものを選びましょう。茎の柔らかいものが良品です。
茎の下のほうは、硬いことも多いので切り落とします。
葉のついているあたりまでを使う。この茎も鍋に入れてだしをとるのでとっておく
葉と茎を粗みじん切りにします。
この時点で、モロヘイヤの葉からはねばりが出る
固いモロヘイヤの茎はトマトと一緒に煮てだしをとったら捨ててしまいます。
煮るときはあとで取り出しやすいようにまとめて隅に分けておく
★2.クミンについて
ふだんスパイスを使わない人も今回のスープではぜひ使ってみてください。
クミンをほんの少し入れるだけで、劇的に味が変わります。クミンはカレー粉の中にも配合されているため、おそらく嗅ぎなれた香りだと思います。
クミンは、粉状にしたパウダー、種子の形そのままのホールが売られています。
上がパウダー、下の細長い形のものがホール
カレーやスープはもちろん、ハンバーグや餃子に混ぜ込んだり、あるいはにんじんや豆のサラダなどにちょっと使うとエスニックな香りがただよいとてもおいしいものです。焼き鳥や唐揚げなどにふりかけても雰囲気がかわります。
スパイスは、油で加熱することによって、香りが立ちます。クミンパウダーはにんにくを炒めたところに加えます。
にんにくにうっすら色がついたらクミンを投入
もしホールを使う場合は、パウダーよりも香りが出るのに時間がかかるため、まずクミンを炒め、香りを立ててから、にんにくを加えます。炒めているときから香ばしい香りがただよい、とても幸せな気持ちになれますよ。
鍋に冷たいオイルと一緒にクミンを入れて火をつけ、中火で2分ほど、焦がさないよう鍋をゆすりながら炒めます。
スパイスのいい香りが立ちのぼってきたらOK
オイル、スパイス、にんにくの三位一体で力強い味に
このスープには、野菜だけで作られているとは思えない力強さがあります。
オリーブオイルをたっぷりめに使っていることに加え、クミンとにんにくの風味によってパンチが増しています。
冷やしてもおいしいスープですので、暑い夏の日に、ぜひ作ってみてください。
オイルとスパイスを変えて、味チェンジ
モロヘイヤは味そのものにくせがないので、様々な味付けで楽しめます。オイルやスパイスを変えていくだけで味がまったく違う雰囲気になります。アレンジスープを2品ご紹介。
ごま油とモロヘイヤのスープ
オリーブオイルのかわりにごま油を使った中華風のモロヘイヤスープです。にんにくのかわりに長ねぎのみじん切りをごま油で炒め、トマトは抜きます。最後にもごま油を少したらしてシンプルでも風味のあるスープに仕上げます。
モロヘイヤとコリアンダーのスープ
クミンのかわりに、コリアンダーを使うのもおいしいです。トマトを入れるタイミングで鶏肉も入れて、ガツンと食べ応えのあるスタミナスープにしました。
コリアンダーはパクチーなどでおなじみコリアンダーの種(コリアンダーシード)をスパイスとして使います。クミンと同じように、パウダーとホールがありますが、クミンに置きかえて同じように調理してください。
コリアンダー。上がホール、下がパウダー
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