かぼちゃの甘いスープは、デザートにも食事にも。
今日は、趣向を変えてちょっぴり甘いスープをご紹介します。使うのは、かぼちゃ。
収穫期は夏ですが、その後2~3ヶ月ほど貯蔵すると水分がほどよく抜け、でんぷんが甘味に変わります。
今が旬のかぼちゃをたっぷり食べるなら、ポタージュスープがおすすめ。ポタージュなら寒くて薄暗い冬の朝でも、夜遅くでも、するすると体に入ってくれます。
なめらかなポタージュを作るにはハンドブレンダーがあるとスピーディです。私も最初は必要ないかなと思っていたのですが、使ってみたら本当に便利で手放せなくなりました。
気になる!という人のために、低価格帯のハンドブレンダーの記事をnoteにアップしていますので、ぜひお役立てください。
お手頃価格のハンドブレンダーを使ってみた:「スープ・レッスン」サブレポート|note
それでは、ポタージュのレシピをどうぞ。
かぼちゃとココアのポタージュ
材料(2人分) 所要時間約20分
かぼちゃ 1/4個(4~500g)
ココアパウダー 小さじ1
バター 20g
砂糖 大さじ1
塩 適量
水 300~400ml
1.かぼちゃを切る
かぼちゃは種とわたをスプーンなどで取り、皮をむき、半分に切ってから薄切り★1にする。ココアパウダーはダマを指などでつぶしておく。
2.かぼちゃを加熱し攪拌する
厚手の鍋にかぼちゃを入れ、水200mLを加えてふたをし、中火にかけて約10分蒸し煮する。10分たったらふたをあけ、ゴムべらなどで混ぜながら水分を飛ばす。★2
水100mLとバターと砂糖、塩ふたつまみほど加え、ハンドブレンダーをかけてなめらかにする。濃い場合は水をさらに加えてのばす。
3.ココアを混ぜる
2の鍋から大さじ3を小さなボウルなどにとってココアパウダーと混ぜ、ココアソースを作る。★3
これを器の底に一人分大さじ1ほど入れ、上からあたためたかぼちゃポタージュをそっと流し入れる。残ったココアソースはポタージュの上に回しかけるなどしてもよい。混ぜながら食べる。
20分ほどでできてしまうシンプルなポタージュです。
固いかぼちゃの皮をどうやってむく? かぼちゃのうまみを濃縮させる方法は? 大きなポイントはこの二つです。解説していきますね。
★かぼちゃの切り方
★火の入れかた
★ココアについて
★ポイント1.かぼちゃの切り方
固いかぼちゃは無理に力を入れると手を切ってしまいそうで怖いものです。通常スーパーでは1/4個で売っていることが多いので、これを使うと楽に始められます。
ラップに包んでレンジに1分~1分半かけ、少し柔らかくしてから切りましょう。
1/4にしたかぼちゃは、スプーンで種とわたをとって、皮をむきます。断面を下にしてまな板に置き、しっかり手で押さえて固定し、包丁で少しずつ削るようにします。
こうして切ると力もいらず危なくない
向きを変えながら皮を全部削ってしまいます。
緑の部分は少しぐらい残っても気にせずに!
皮さえ落としてしまえば、中はそこまで固くはありません。縦に二つに切ってから、薄切りにします。
火が通りやすいよう薄く切る
★ポイント2.かぼちゃの火の入れ方
かぼちゃは、できるだけ少ない量の水で、蓋をして蒸し煮します。10分ぐらいですっかり柔らかくなるはずです。
鋳物鍋など厚手の鍋なら水は200mLでも多いぐらいですが、薄手の鍋やふたがゆるい鍋のときは、水をもう少し多めにしておくか、途中でふたをあけて水が減っていないか確かめましょう。
10分間、蒸し煮したところ。ほとんど水分はなくなっている
ゴムべらを入れると、すぐに崩れる状態になっているはずです。ここから数分、火にかけながら、さらに水分を飛ばします。
水分が飛んで、かぼちゃが鍋底に少し張り付くようになったらOK
後で水を加えますが、この火を入れて水気をとばす工程を抜かすとなぜか水っぽいポタージュになってしまうのです。
その後、少し水を加えてゆるめてから、ハンドブレンダーをかけます。もちろん、置き型のミキサーでもOKです。
ブレンダーをかけるときは、必ず火を止めてから!
ブレンダーをかけることでなめらかになる
今回はなめらかな舌ざわりを求めてブレンダーを使いました。
もちろんかぼちゃの場合は、ブレンダーを使わなくても煮崩してつぶし、水でのばせば、十分ポタージュになります。つぶつぶが舌に残る素朴なポタージュもまたおいしいものです。
私の愛用ブレンダーは「ブラウン ハンドブレンダー マルチクイック MQ500」。ブレンダー機能のみのシンプルなもの。ネット上の価格では安いと4,500円~5,000ほどで買えるようです。noteの関連記事もぜひどうぞ。一本あると料理の幅が広がります。
お手頃価格のハンドブレンダーを使ってみた:「スープ・レッスン」サブレポート|note
★ポイント3.ココアについて
ココアは、糖分や乳製品の無調整のものがオススメです。かぼちゃポタージュの甘さとココア部分のほろ苦さがよりはっきりして、混ぜた時に大きな変化を楽しめます。
もし、調整ココアしかないときは、かぼちゃに入れる砂糖を省けば大丈夫。仕上がりの味は、ブラックチョコレートとミルクチョコレートの違いによく似ています。無調整はよりココアの風味を感じることができ、調整はマイルドな印象になります。
これぐらいのとろみがつけばよい
旬のかぼちゃをまるごと堪能する
このポタージュのおいしさは、旬のかぼちゃをまるごといただいているような自然な味わいと、そこにアクセントを加えるココアの風味、このふたつの味のコントラストです。
ほんのりしたかぼちゃの甘さに、底へ入れたほろ苦いココアが徐々に混ざり合って、食べながら変化が楽しめるから最後まで食べ飽きませんよ。
2016年の冬至は、12月21日。冬至の縁起物といえば、かぼちゃです。たっぷりのかぼちゃをぜひポタージュスープで堪能してみてください。
トッピングや混ぜる素材でかぼちゃポタージュ百変化。
今回のポタージュは、かぼちゃを蒸し煮して、ハンドブレンダーをかけ、塩や砂糖をちょっと足しただけ。ほとんどかぼちゃそのものです。食材をちょい足しするだけで、思いがけないおいしさの変化が味わえます。2のベースまでで作れたら、あとはアレンジが自由自在ですので、いろいろ試してみてください。
今回はコーヒー豆と体が温まるすり生姜とシナモンのアレンジをご紹介します。
かぼちゃとコーヒーのポタージュ
深煎りのコーヒー豆を砕いてパラパラ
知り合いのコーヒー屋さんに、煎ったコーヒー豆は食べられると聞き、食べてみるとカリッとした香ばしい歯ざわり。これはスープに入れたら面白そう、と早速作ってみたものです。ほろ苦さがかぼちゃの甘さを引き締めます。
すり生姜とシナモンのかぼちゃポタージュ
ベースのポタージュにすり生姜を入れ、ナッツとシナモンをトッピング
かぼちゃ、シナモン、しょうが。あたたまる素材を組み合わせてまとめたポタージュ。冷え対策になる冬のスープです。
ココアを他の素材に変えるとまた雰囲気ががらりと変わります。すりごまやめんつゆを加えれば和風に、ごま油をたらすと中華風に、生クリームやチーズで洋風にと、自由自在です。
旬のかぼちゃを買い込んで、いろいろ楽しんでみてください。
スープのレシピや研究成果を発表している有賀さんのnoteはこちら!