★どうも自民党は党全体がかみ合っていない。党所属の参議院議員・河井案里陣営による選挙違反事件について、ウグイス嬢に規定を超える報酬を支払った疑いがあることから幹事長・二階俊博は「実態をよく見ると、1万5000円でウグイス嬢をやってくれるかどうか大変難しい状態にあるのは事実だ。だんだん自然と相場観というものが出来上がってくる」とその事情に一定の理解を示した。1億5000万円もの選挙資金を拠出されれば払いたくなるのかもしれないが、法を守り問題あれば法を変えていくのが与党の幹事長の仕事ではないのか。それこそがあなたが野党時代に自民党を攻め続けた政治改革ではなかったのか。

★一方、自民党岸田派(宏池会)名誉会長の元幹事長・古賀誠が10日発売の月刊誌で「宏池会の政権を作ることが私の最大の責務である以上、何としても岸田会長を総理総裁にして保守本流の政治を担ってもらう。その時には菅(義偉・官房長官)さんは幹事長なのか、官房長官なのか」と話している。ついこの間までポスト安倍は菅だと言っていた人だ。岸田首相を作る責務など古賀にあるのだろうか。その意欲は政調会長・岸田文雄が言うべきことで本人がいまだに発言していない中、まして世の中は新型コロナウイルスで緊急事態宣言まで出そうという時に元議員が何を言っているのだろうか。加えて人事にまで言及するのは、首相・安倍晋三や菅に失礼だ。

★結局、今の自民党はやるべきことをやるべき人がやらず、やらなくていい人が動きだすおかしな状況ではないのか。いま日本に起きている問題、迫りくる危機に対して自民党の重鎮たちはのんきすぎるようだ。(K)※敬称略