東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 紙面から > 3月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

辺野古地盤 有識者 防衛省判断を追認「軟弱データ 信頼性低い」

 沖縄県名護市辺野古(へのこ)の米軍新基地建設を巡り、海面下七十メートルより深い海底にも軟弱地盤があることを示すデータが見つかった問題で、工事の助言をする防衛省の有識者会議「技術検討会」は十一日、「信頼性の低いデータで設計には採用できない」とする同省の判断を追認し、地盤の再調査は必要ないとの判断を示した。防衛省は、有識者のお墨付きを得たとして、設計変更を急ぐ構えだ。

 防衛省によると、この日の技術検討会の会合では、「軟弱」なデータが検出された「B27」地点の調査結果を初めて委員に示した。

 B27地点で業者が計測した強度の実測データについて、委員は「乱れた試料で力学試験にはそぐわない」などと、設計に採用しなかった防衛省の判断を評価。同じ地層であるとして最長七百五十メートル離れた別の三地点からB27地点の強度を類推した防衛省のやり方に対しては、「近くから強度を推定することは間違いではない」と支持する意見が出たという。

 B27地点の「軟弱」データを巡っては、立石雅昭・新潟大名誉教授ら地盤や地質の専門家でつくる調査チームが、このまま施工すれば、最悪の場合、護岸が崩壊する恐れがあると分析。「科学的・技術的に審議が不十分」として、今月二日、技術検討会宛てに質問状を出していた。技術検討会は、この日の議事録や資料を後日公表することで回答に代えるとしている。

 立石氏は本紙の取材に、政府が技術検討会の会合前日の十日に「地盤の追加調査は必要ない」と閣議決定したことに触れ、「閣議決定で有識者会議に縛りをかけたようなもの。有識者の委員も政府の意向に沿って動いている感がぬぐえない。有識者会議に値しない」と批判した。 (中沢誠)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報