『北斗晶の元気が出る熱血子育て相談』
[著]北斗晶
[発行]扶桑社
ウチの長男は小さい頃、ひどい人見知りで友達の輪に入らず、みんなから離れてひとりでなにかやってる、ということが多かった。
それでも保育園まではなんとかなったけど、小学校に上がった直後は、環境が変わったせいもあってさらにひどくなり、グループ決めなんかのときに、先生たちに随分気を使わせちゃったみたい。
あたしもいろいろ考えさせられたさ。仕事が忙しすぎて負担かけちゃったかなあ、とかね。
で、それからは、子どもが話しかけてきたときは、よほどの事情がない限り子どもとの会話を最優先することにしたし、「あとでね」という言葉を絶対に吐かないって決めた。言っちゃいそうだけど、そこを無理にでものみ込むんだ。
●すべては親子関係がベース
あと、「学校でイヤなことがあったら、必ずパパとママに話して。なにがあっても守ってあげるから」という話をなにかにつけてしてたな。
話をしたくなる、聞いてあげられる親子関係が、友達関係をつくっていくうえでのベースになるんだよ。一見、遠回りのように見えるけどね。
この親子関係さえしっかりしていれば、ひとりでいることが多くても、あんまり気にすることはないと思うよ。万が一、友達からはじかれて居場所がないってことなら、子どものほうから話してくるはずだからね。
●親がきっかけをつくろう
友達の輪に入りたいけど上手にできない、という子だったら、親がきっかけをつくってあげようよ。保護者会のときなどに、ママたちに
「いつも仲よくしてもらって。ウチにもぜひ遊びに来てくださいね」
とかって声をかけておく。
小さいうちは、ママ同士の交流があるかないかって、子どもの人間関係に直結するからね。
●子どもをよく見るしかない
公園とかでも、近くで遊んでいる子に「○○ちゃん、一緒に砂場でトンネルつくろう」なんて、声をかけてみるのもいいね。で、あなたの子はこっち側から、相手の子は向こう側からトンネルを掘り、
「ほら、手が届いたね~」
とか言って、親も含めて一緒に遊ぶわけよ。
慣れてきたら、池みたいな穴を掘り、小さいバケツを手渡して「これにお水をくんでおいで。重いけど2人なら運べるでしょ」っていうふうに、自然にママから離れて周りの子とかかわる状況をつくってあげるとかさ。
そうやっていくうちに絶対に友達はできるもんだよ。実際、ウチの長男もそうだった。
でも、ひとりでいるのが好きな子どもに対して、「みんなと遊びなさい」と強要するのはどうかと思うな。
親は子どもをよく見る、話を聞ける親になるしかないんだよね。大変だけどね。
北斗の子育てワザ
まずは話のできる親子関係を築いて。
輪に入るのが苦手な子どもなら、親がなにかきっかけをつくってあげようよ
英会話、スイミング、ピアノ…。
最近じゃ、早期教育とかなんとかいって、子どもが小さいうちから習い事をさせるというのが、一種のブームになっているよね。それも5歳とか6歳とかならまだわかるけど、2、3歳のうちから行かせたりしてさ。
そうなると、みんな、
「ウチの子も習い事をさせないと、取り残されるんじゃないか」
なんて不安になって、ますます習い事熱に拍車がかかってくる。
あたしがやっているお悩み相談の連載にも、不安に駆られたママからの相談があってね。
そのママは2歳の娘を保育園に預けて、夫婦共働きをしているんだけど、近所の同年代の子のほとんどが、習い事をしている。なかには2つ3つかけもちの子もいるという。このままじゃ娘だけが後れをとりそうだけど、働いているので習い事をさせたくても、送り迎えができない。どうしましょう? という悩みなんだ。
●安心したいからやらせたいのか?
子どもがどうしてもやりたがっている、親としてなにをおいてもやらせておきたいものがあるっていうならわかるよ。でも、みんなと同じようにしないとなんとなく不安、なにかやらせて安心したい、という理由で、子どもに習い事をさせるのはどうかな?
大切な幼児期、もっともっと子どもに手をかけたいという気持ちは、わからないでもないけどね。