2月定例岡山県議会は11日、一般質問を続行。大森一生(自民、高梁市)、波多洋治(同、岡山市北区・加賀郡)、木口京子(同、同市南区)、池本敏朗(同、備前市・和気郡)の4氏が登壇した。県教委は、過疎化や少子高齢化により継承が困難になっている地域の祭りや伝統行事について、2020年度に実態調査に着手する方針を明らかにした。
木口氏は、地域の伝統文化は活性化の観点からも重要として早期の調査を要望。鍵本芳明教育長は「今後、実施体制などについて検討した上で、市町村教委と連携しながらできるだけ早く調査に着手し、課題を把握して担い手不足の解消につなげたい」と答えた。
県教委によると、各地域に伝わる神社の秋祭りや踊り、神楽などについて内容や起源、歴史を調査。保存団体への聞き取りも行い、次世代に伝承するために担い手不足といった課題を把握する。20年度に市町村教委や専門家らと対象範囲、調査項目などを検討し、数年かけて調べる予定。
大森氏は、県や各地域のイメージアップを狙いに、映画やドラマのロケ誘致を進める県フィルムコミッション協議会の成果を質問。小林健二産業労働部長は、ロケ費の補助やPR活動などで誘致件数が伸びているとして「ロケ地を巡る観光客が増えたとの声も聞く。岡山ならではの文化財も活用して誘致活動を展開する」と述べた。
波多氏は、技能実習生ら在日外国人を支援する観点から、日本語学習の場を増やすべきだと指摘。房野文彦県民生活部長は、日本語学習の場は18年3月現在で県内34カ所と説明して「知事会を通じ、日本語学習体制の充実を国に提案している。引き続き国や市町村と連携してサポートに取り組む」とした。
池本氏は、アユなどが川をさかのぼれるよう堰(せき)に設けた「魚道」の環境調査(20~22年度)の内容をただした。伊藤敦哉農林水産部長は「主要3水系(吉井川、旭川、高梁川)で、魚道の構造や流速を調べて改善策をまとめる。結果を踏まえて堰の所有者に改修を要望し、(河川など)内水面資源の回復につなげたい」と答弁した。
一般質問はこの日で終了。12日から委員会審議に入る。