ブラフ
ポーカーでは、自分が負けていても多額のベットをして相手を降ろすことで勝つことができます。
もちろん相手もブラフをしてきますし、だからこそ読み合い、鮮やかなブラフをすることがポーカーの華だと思います。
ブラフをする場合は、相手のアクションを見てからベットできる後ろのポジションのほうがやりやすいです。前のポジションからブラフして後ろにコールされた場合、その後の展開が苦しくなります。
ブラフにはいくつかの種類があります。
■コンティニュエーションベット(CB)
一番よく見るブラフです。プリフロップでレイズしたプレイヤーが、そのままフロップでもベットすることです。
ハンドがボードにヒットする確率は約3分の1であり、たいていは何もないためベットされたら降りるしかないということを利用したブラフです。
■セカンドバレル
フロップでCBを打ってコールされたあと、ターンでもベットすることです。
1回目はCBと思われてコールされても、2回目ベットすれば本物だと思ってくれる場合があります。
ちなみにリバーで3回目のベットをすることは「トリプルバレル」と言いますが、ここまでついてきた相手はリバーもコールする可能性が高いです。
■セミブラフ
フラッシュドロー、ストレートドローの可能性がある状態でのブラフです。
現状は負けていますが、逆転できる可能性がある点が大きな特徴です。
■ピュアブラフ
逆転できる可能性が無い、またはそれ以上カードが引けないリバーでのブラフです。
そういう意味で、純粋(ピュア)なブラフです。
他に「完全ブラフ」、略して「完ブラ」ということもあります。
■フローティング
フロップで後ろのポジションから相手のコンティニュエーションベットをコールし、ターン以降で相手のベットが止んだら打ち返すブラフ。
相手は反撃できるストーリーを持っていないので、降りるしかなくなる。
ブラフはそれほど効き目なし?
フロップ以降のベット額は、およそポットの5~7割が標準的なラインでしょう。
そのときにコールするオッズは約3.5~4倍。
必要な勝率に換算すると、勝率が約25~30%あればコールできるということになります。
こう考えると、コールに必要な勝率は思ったより低いとも考えられます。
もし相手が2回に1回ブラフしているとするなら勝率は50%ですから、楽々コールできてしまいます。
また、フロップ以降のカードで逆転の可能性もあることを考えると、コールできる可能性はさらに高いです。
逆にいえば、ブラフだけで相手を降ろすことは難しいとも言えます。
ブラフは良いハンドをコールさせるための布石
良いハンドでだけベットしていては、おそらく誰もコールしてくれないでしょう。
そこでブラフを適度に混ぜて、相手にブラフだと思わせてコールしてもらうという考え方があります。
この考え方は一理ありますが、「適度」な割合とはどのぐらいでしょうか?
ここで、リバーでポットの7割をベットした場合をモデルケースとしてみます。
こちらからリバーでポットの7割をベットした場合、相手がコールするのに必要な勝率は約29%( =0.7÷(1+0.7+0.7) )です。
このケースで、ブラフしなさすぎ、ブラフしすぎの場合はどうなるか考えてみます。
■ブラフしなさすぎ
もし良いハンドでしかベットしなかった場合、相手から見るとベットされたときの勝率は0%です。そのため、このベットはコールできません。
相手がコールするのに必要な勝率は約29%ですので、言い換えれば相手から見て10回中3回以上はブラフである必要があります。
■ブラフしすぎ
では逆に、100%ブラフしているときはどうでしょうか?
相手は楽々コールしてきますし、こちらはブラフでベットしたチップを毎回失ってしまうことになります。
こちらがベットして同額を相手がコールしてくるとき、このベットのオッズは2倍になります。そのため、期待値をプラスにするためには勝率が50%以上必要となります。
ベットしたときの勝率を50%以上に維持するためには、ブラフを10回中5回以内に抑える必要があります。
ブラフしなさすぎ、ブラフしすぎの間をとると、ブラフの頻度はおよそ10回中3~5回の範囲で調整することが適正値であると考えられます。
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