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石川

昆虫の命 すくすく ゲンゴロウモドキ国内初産卵 昆虫館

オウサマゲンゴロウモドキの雌=白山市八幡町の県ふれあい昆虫館で(同館提供)

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 白山市八幡町の県ふれあい昆虫館は10日、同館が飼育している欧州原産の水生昆虫「オウサマゲンゴロウモドキ」の産卵行動を国内で初めて確認したと発表した。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで危急種に指定されている希少なゲンゴロウで、同館が昨年11月から飼育し、繁殖を目指していた。

 産卵を発見した同館の渡部晃平学芸員(33)によると、10日午前にオウサマゲンゴロウモドキを飼育している水槽を確認したところ、雌1匹の産卵行動を確認。動画を撮影することに成功した。

 海外の成功事例を参考に、水槽内にオウサマゲンゴロウモドキがすむ欧州北部の野生環境を再現。雌が卵を産み付ける植物「リュウキンカ」を水槽内に植えたり、6日から飼育水槽の冷水装置を止めて春の水温上昇を再現したりして初の産卵確認にたどり着いた。渡部学芸員は「難しいのはこれから。無事にふ化させて成虫になるまで飼育したい」と話す。

 オウサマゲンゴロウモドキは種の保存に向けた研究のため、日本とラトビアの研究者が協議し昨年11月に国内に初輸入された。現在はうち7匹(雄3匹、雌4匹)の飼育を同館が担当している。今後は幼虫に与える餌の研究や生態の解明にも取り組む。 (吉田拓海)

 

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