中国のSARS集団発生は制圧されましたが
バイオセーフティ関係は依然調査中

WHO更新 No.7
2004年5月18日

○中国でのSARS集団発生にともなう最後の隔離から3週間以上が経過し、WHOは、人から人への感染は遮断されたとみられる旨、宣言しました。

○しかしながら、WHOの専門家及び中国政府当局は、集団発生の確かな原因を断定しようと試みています。調査は、生きた、あるいは不活化されたSARSコロナウイルスを使用する実験が行われていた北京の国立ウイルス学研究所に集中しました。同研究所の2人の研究者は2004年3月後半及び4月中旬にSARSを発病し、4月22日に集団発生が報告され、その後、研究所は閉鎖されました。

○調査の初期段階で、研究所内に単一の感染源があるかどうか、あるいは研究所内での研究作業手順に過誤がなかったかどうかについて特定しなければならなかったが、確かな答えは分からないかも知れません。2人の研究者はともに生きたSARSコロナウイルスを扱った実験を行っていなかったことは分かっていませんでした。しかしながら、調査担当者は、研究所のどこで、どのようにSARSコロナウイルスを使った実験が行われていたか、また、どこに、どのようにSARSコロナウイルスの検体が保管されていたかを含め、バイオセーフティ手順に重大な関心を寄せていました。

○WHO及び中国政府当局は、研究所に関連するSARS症例の発生に対しては関心を持って注視していました。WHOは、今回の集団発生がSARSコロナウイルスを使用した研究を行う研究所や実験室のバイオセーフティの実行性をレビューする機会として注視するよう加盟国すべてに強く勧告しています。

○2003年のSARS集団発生中及びその後に、数多くの標本が人症例、動物及び環境から集められました。生きたSARSコロナウイルスが含まれているかもしれないこれらの標本は、世界中の様々な研究所で保管されています。これらのうちのいくつかは不適切な封じ込めレベルで保管されています。SARSコロナウイルスはレファレンス研究所及び通常の研究所で培養され、研究用として他の研究所にも配付されました。生きた、あるいは不活化されたSARSコロナウイルスや、重大な疾病を引き起こす可能性のある他の病原体を用いた実験が多くの研究所で行われています。

○WHOは、次のラボラトリィ安全指針と勧告を発出しました。

(1)SARS標本の取り扱いに関するWHOバイオセーフティ指針(2003年4月25日)

(2)2003年10月22日のSARS研究所ワークショップの論点と勧告の要旨(オリジナルpdf

(3)SARSコロナウイルス標本と株の取り扱いに関するWHO集団発生後バイオセーフティ指針(2003年12月18日)

○これらのガイドラインでは、WHOは、生きたSARSコロナウイルスを取り扱う場合は、少なくともバイオセーフティレベル3以上の設備の使用を強く勧告しています。さらに、WHOは、生きたSARSコロナウイルスを取扱い、保管する研究所を持つ加盟国に対して、完全な管理記録を作成維持し、必要なバイオセーフティ標準を備え、それを保証すべきことを強く勧告しています。

○WHOは、SARS発生が検知あるいは報告された場合、その封じ込めのため直ちに広範囲な接触者の追跡調査、隔離、医学観察といった処置を迅速に執った中国政府当局を賞賛します。再発生があっても、SARSは封じ込められる疾病であることが実証されました。

  WHO原文

中国でのSARSの調査は継続中

WHO更新 No.6
2004年5月5日

○今回の集団発生の感染源については、2004年4月22日に第1報を報告しましたが、中国国立疾病予防センター北京ウイルス研究所に焦点をあて調査が続けられています。その研究所は、2月から3月にかけて生きたSARSコロナウイルスを使用した実験を行っていたことが分かっています。

○その研究所の2人の研究者は、3月下旬と4月中旬にSARSを発病しました。しかしながら、その2人が生きたウイルスを用いた研究を行っていたかどうか、あるいは、その研究所内の他に感染源があるかどうかも分かっていません。

○WHOと中国の合同調査チームのメンバーは、完全な感染防護具を付けて、先週の金曜日と昨日その研究所の立入調査を行いました。その結果、2人の研究者の感染源は同一ではなく、作業手順の過誤では説明できない複雑なものであることが分かりました。

○感染源を明らかにするとともに、研究所内の研究条件、研究設備、バイオセーフティ設備の作業手順がさらにSARS感染の危険をもたらさないことを検証するために継続した調査が必要です。中国の調査メンバーは、その研究所内の種々の場所から多くの検体を採取しました。これらの検体は、香港のWHO・SARS研究所においても検査を行っています。

○WHOは、生きたSARSウィルスを用いる研究は、感染の危険性を最小限にするため、バイオセーフティ・レベル3の設備で行うべきことを強く勧告してきました。生きたウイルスを用いたいかなる研究活動に対しても、物理的封じ込め、貯蔵、管理方法、作業手順、感染防護具、研究の承認、研究活動スタッフ全員のモニタリングに対する厳格な要求事項が定められていたかどうかを検証するためにさらなる調査が必要です。

○その研究所は4月23日に閉鎖され、大部分の職員は隔離され、医学観察下に置かれました。しかしながら、一部の職員は、中断できない実験と実験動物の世話のために研究所内に残っています。

  WHO原文

中国政府によるSARS確定例(WHO可能性例)
1例の追加報告

WHO更新 No.5
 2004年4月30日

○中国政府は、本日、4月19日に安徽省で死亡した53歳の女性がSARSコロナウイルスに感染していたことを確定した旨報告してきました。その女性は、医師で、中国国立疾病予防センター北京ウイルス研究所の26歳大学院生の母親です。大学院生は、現在も安徽省の病院で隔離治療中です。

○最初のSARS症例が4月22日に報告されましたが、その後、中国政府は合計5人のSARS確定例を報告しました。また、SARS様症状を呈し、既知の確定例との濃厚接触歴のある4人の疑い例に対しても試験検査が続けられています。

○4月22日以降、北京在住の7人の発病者は、同市の地壇病院1施設に隔離され治療を受けています。

○集団発生の感染源調査は、中国国立疾病予防センター北京ウイルス研究所のバイオセーフティ手順の誤りに絞り込まれています。その研究所は4月23日に閉鎖され、職員は隔離されています。

中国から報告された9症例の概要

○9症例は、現在までに1次感染者(2例)、2次感染者(2例)、3次感染者(5例)に分類されています。

[1次感染者]
 1次感染者2例のうち、最初の感染者は、安徽省出身の26歳の女性大学院生です。彼女は、3月7日~22日の間、中国国立疾病予防センター北京ウイルス研究所で研究活動を行っていました。この研究所は、生きたSARSコロナウイルスを使用して研究を行っていることで知られていました。彼女は、3月25日に安徽省で発病し、発病中に安徽省と北京の間を2回列車で往復していました。彼女は中国衛生省によりSARS確定例であることが確認され、現在も安徽省の病院で隔離治療中です。
 2例目は、同ウイルス研究所からの感染と考えられる31歳の男性研究者です。彼は4月17日に発病し、現在、北京の地壇病院で隔離治療中で、他の発病例との繋がりはありません。

[2次感染者]
 2次感染者の2例は、ともに大学院生との濃厚接触により関連付けられます。1例は、本日、中国政府からSARS確定報告を受けた53歳の大学院生の母親で、死亡しています。他の1例は、3月29日から4月2日まで大学院生が入院中に彼女を看護した20歳の看護師です。この看護師も中国衛生省により感染が確定されています。彼女も北京の地壇病院で隔離治療中です。

[3次感染者]
 5例が20歳の看護師との濃厚接触により関連付けられます。3例は親族で、45歳の看護師の父親、44歳の母親及び36歳の叔母です。母親と叔母は中国衛生省により感染が確定されています。看護師に関連付けられる4例目は、別の病気のために看護師と同じ病棟に入院した49歳女性の引退医師です。5例目は、この女性引退医師の23歳の義理の娘で、彼女はこの医師の入院時に付き添っていました。2人は女性医師入院後1週間は発病の兆候はなく、看護師との綿密接触から感染したものと考えられます。5例全員が北京の地壇病院で隔離治療中です。

  WHO原文

中国政府によるSARS確定例(WHO可能性例)
2例の追加報告

WHO更新 No.4
 2004年4月29日

○中国衛生省は、本日、北京で調査中の2人の患者が新たにSARS確定例であると報告してきました。SARSの確定は、実験室テスト、臨床症状、これまでの確定例との濃厚接触歴の調査結果に基づき行われました。

○2人の患者は、20歳の看護師の母親と叔母で、今回の集団発生の鍵になる患者です。看護師は肺炎の症状を呈し、2004年4月7日から入院しています。その翌日、彼女の母親と叔母を含む家族が彼女を見舞っていました。

○44歳の母親は、現在危篤状態です。36歳の叔母は、今週のはじめに肺炎と診断されましたが、現在の容態は安定しています。

○2人の患者は、看護師の父親とともに、3次感染者となります。また、看護師と同じ病棟に入院していた2人の患者も同様に3次感染者となります。

○SARS症例の人数は、臨床診断による確定者と調査中合わせて9例となります。7例は北京在住者で、2例(死亡1例を含む)は安徽省在住者です。

○北京在住者の7症例は、同市の地壇病院1施設に隔離され、治療を受けています。これは、病院から感染が拡大するのを防御するための感染リスク軽減措置です。

○WHOの地球規模SARSサーベイランス・ガイドラインによれば、症例をSARS確定例として分類するためには、外部の国際的なレファレンス研究所による検証結果を必要とします。このような手順は、SARS確定例が国際的な公衆衛生上重要な意味を持つために必要であると考えられます。

  WHO原文

中国でのSARS症例の報告

WHO更新 No.3
 2004年4月28日

○中国衛生省は、本日、SARSに関する新たな症例を調査中であると発表しました。これにより、2004年4月22日以降に報告された症例は合わせて9例となり、うち1例は死亡しています。

○新たな症例は、北京在住49歳の元医師です。彼女は、4月12日に20歳の看護師が肺炎で治療を受けていた同じ病棟に入院していました。彼女は、4月19日にSARS様の症状を呈し、22日に北京の地壇病院へ移送され、隔離されました。彼女の容態は危険な状態と聴いています。

○中国衛生省から確定例としてWHOに報告された20歳の看護師は、本日報告の症例を含め5症例と繋がりがあることが分かりました。現在までに、5症例すべてが、彼女との濃厚接触を含め感染伝播の繋がりがあることが分かりました。現在も安徽省の病院に入院している26歳女性の大学院生が今回の集団発生の鍵になると考えています。

○2003年の集団発生では、SARSの感染伝播は、病院で拡大されました。今回の北京では、リスク軽減戦略として7症例が地壇病院で処置されています。

○しかしながら、各症例は、SARSを疑って隔離及び感染防御対策が採られる前に北京の5病院と安徽省の2病院で診断治療を受けていました。さらに、安徽省の2症例は列車で中国内の長距離旅行をしていました。

○中国政府は、このような状況から多くの他の人への曝露機会が発生したとして、接触者の追跡を広範囲に行いました。北京では700人近くが隔離下にあります。

○SARSの潜伏期間は比較的長く、一般に10日と認識されています。これまでの知見によれば、発病前は感染者からのウイルス排出はありません。このため、症例の迅速な検知と隔離、接触者の迅速な追跡と医学監視が、SARSの感染制御対策を成功に導くこととなります。

集団発生のこれまでの調査結果

○中国衛生省の要請に従って最初に派遣したWHO調査チームは、北京と安徽省で調査活動と感染制御活動を続けています。感染源調査は、先ず中国国立疾病予防センター北京ウイルス研究所のバイオセーフティ手順に焦点をあてました。これまでに報告された9症例のうち2症例は、同研究所で生きたSARSコロナウイルスを用いて研究を行っていた症例です。

○すべての症例の詳細な臨床データと疫学調査データが中国政府から提供されています。これらの情報は、症状の重さと感染伝播範囲を評価するうえで重要になります。現在入院中の8人の患者のうち、安徽省の患者1人の容態は良くなってきていますが、北京の患者7人のうち2人は危険な状態です。他の5人の患者は肺炎の治療が続けられています。

○今回の感染源が中国国立疾病予防センター北京ウイルス研究所であり、そのウイルスが研究所で獲得されたものであるならば、これまでとは異なる症状や感染伝播が引き起こされる可能性があります。これまでの実験室内感染は、2003年9月にシンガポールで1症例、2003年12月に台湾で1症例の2症例ありますが、いずれも完全に回復しました。

○また、2003年12月から2004年1月にかけて中国広東省で発生した3人の確定例と1人の可能性例の感染源は生活環境と推察されています。今回の集団発生とは異なり、これらの症例は、症状は重くならず、感染伝播も起きていません。

  WHO原文

中国でのSARS調査のためWHOチームを北京に派遣

WHO更新 No.2
 2004年4月26日

○中国衛生省からの依頼により、WHOは、本日、北京と中国東方の安徽省から報告されたSARS症例の感染源調査を支援するため、最初の国際チームを派遣します。このチームは水曜日の27日に調査を開始する予定ですが、疫学、ウイルス学、感染制御、実験室バイオセーフティの専門家から構成されています。

○これまでの調査結果によれば、北京の国立ウイルス学研究所における実験室研究が今回の集団発生の原因の可能性があります。この研究所では、ワクチン開発を含むSARSコロナウイルスの研究が行われています。

○最近報告された症例のうち2例はこの研究所で研究活動に従事していました。1例は安徽省出身の26歳の女性の大学院生で、他の1例は31歳の男性です。この2例の発病日は相当(23日)離れていることから、3月中旬から4月初旬にかけて実験室内で曝露を受ける機会が2回以上あった可能性を示唆しています。

○政府当局は、この研究所を閉鎖し、200人以上の職員を医学観察下におきました。考えられる感染源を調査するため、膨大な検体が実験室から採取され、その検体はWHOにも提供される予定です。

○感染源を明らかにし排除することは、集団発生を制御するための重要な対策です。加えて重要なことは、迅速な症例検知、接触者の追跡調査と経過観察、及び院内感染対策を通じて伝播の繋がりを断つことです。

○WHOは、曝露機会がすでに発生していたのではないかとも考えています。一部の発病者は、SARSを疑った隔離や厳格な感染予防策が行われる前に、複数の異なる病院で治療や検査を受けています。1人の発病者は、症状のある間に2回鉄道で中国国内を長距離旅行していました。

○中国当局は、医療機関におけるSARS様疾患のサーベイランスと報告を強化するとともに、安徽省へ調査チームを派遣しました。

○中国は、2004年4月22日以降、8人が臨床的にSARS症例と診断され、又はSARS感染の可能性を調査中である旨報告しました。8人のうち6人は北京在住者で、死亡例1例を含む2人は安徽省在住者です。今日までに、北京の640人と安徽省の353人を含む1000人近い濃厚接触者が医学観察下におかれています。

○最も最近の症例は、11日の日曜日に発表されましたが、北京の病院で安徽省の学生を看護した20歳の看護師との濃厚接触者の4人です。彼らは、全員北京在住で、現在検査を受けています。彼らは、看護師の両親、叔母、そして看護師が治療中に同じ病棟にいた女性患者で、4月16日から19日の間に発病しています。看護師の母親は、肺炎を起こした後重体になっています。他の3人の病状は安定しています。

○中国衛生省は、このほかに、大学院生が安徽省合肥の病院に入院した際に、彼女の治療にあたった2人の医師が発熱の症状を呈したことを報告しました。この医師の1人と濃厚接触のあった1人も発熱の症状を呈しました。

○今日までの調査によれば、診断症例と検査中症例の全てが確定例との濃厚な個人接触により感染したと関連付けられています。地域社会に感染が拡大する証拠はありません。

○WHOの地球規模SARSサーベイランス・ガイドラインによれば、症例をSARS確定例として分類するためには、外部の国際的なレファレンス研究所による検証結果を必要とします。このような手順は、SARS確定例が国際的な公衆衛生上重要な意味を持つために必要であると考えられます。

  WHO原文

中国のSARS症例の追加報告

WHO更新
 2004年4月23日

○本日、中国衛生省から、1人の死亡例を含む3人のSARS症例の追加報告がありました。この結果、臨床上SARS症状に矛盾しない発病者は4人となります。

○中国政府当局は、4症例のうち2症例については、臨床診断によりSARSコロナウイルス患者であると報告しました。2症例は、昨日報告した北京の20歳の看護師(集中治療中)と安徽省の26歳の女性研究者です。女性研究者は、この3月の2週間、中国国立疾病予防センターの北京ウイルス研究所で研究活動に携わっていました。この研究所はSARSコロナウイルス研究を含む研究で知られています。女性研究者は3月25日に発病し、北京病院に入院しましたが、入院中はもう1人の確定例である看護師により看護を受けていました。また、女性研究者の母親も病床で彼女の世話をしていました。

○女性研究者の母親は、2004年4月8日に安徽省で発病し、4月19日に死亡しました。彼女の臨床症状は、SARS症状に矛盾しないものでした。衛生当局は、彼女の遡り調査によりSARS疑い例と診断しました。

○4人目の症例は、北京ウイルス研究所の31歳の男性研究者です。彼は4月17日に発病し、4月22日に入院し隔離されました。衛生当局は、彼をSARS疑い例と診断しました。

○WHOは、SARSコロナウイルス感染者のWHO定義に従って、4人の症例のうち、20歳の看護師と26歳の女性研究者の2症例をSARS可能性例に分類し、他の2症例については、中国政府当局によって詳細な試験検査が継続されており、調査中としています。

○WHOの地球規模SARSサーベイランス・ガイドラインによれば、症例をSARS確定例として分類するためには、外部の国際的なレファレンス研究所による検証結果を必要とします。このような手順は、SARS確定例が国際的な公衆衛生上重要な意味を持つために必要であると考えられます。

○WHOは、これら症例の確定と感染拡大防止のために中国衛生当局と緊密に活動しています。今回の状況は、曝露機会が多いために重大であると考えられます。現在までに、300人を越える接触者が判明し、いずれも医学的な観察下に置かれています。

  WHO原文

中国でSARS疑い例1例発生

WHO 2004年4月22日

○中国衛生省は、本日SARS疑い例1例をWHOに報告してきました。現在、この症例の詳細な試験検査、接触者の追跡と健康観察等が行われています。

○その症例は20歳の看護師で、2004年4月5日に北京でSARS様症状を呈し、4月7日に入院しました。彼女は、症状の改善が認められなかったため、4月14日に北京病院(集中治療室)に転院しました。本日出された一回目の血液検査の結果によれば、SARSコロナウイルス感染が疑われますが、診断確定のためにはさらに詳細な試験検査が必要です。

○接触者調査の結果171人の接触者が判明し、健康観察が行われています。現在までに5人が発熱症状を呈しています。

○この疑い例が確定した場合、2004年1月31日に中国広東省が確定例を発表して以来の症例となります。

○2003年7月5日にWHOがSARS発生の終息を発表して以来、これまでのSARS確定例は5例となります。2例はシンガポールと台湾の実験室内での発生、3例は広東省での発生です。これら5例からの2次感染は発生しませんでした。

○中国は、2003年に多くのSARS発生を経験し、SARS発生の検知と調査のために十分に検討されたシステムを構築しました。WHO北京事務所のスタッフは、SARSに関して相当の経験を持ち、中国衛生省と緊密な連携を取っています。

  WHO原文