サクラ大戦 (TVシリーズ 内容概略その1)
サクラ大戦TVシリーズ。
話は「真宮寺さくら」の上京から話が始まる。果たしてさくらは「花組」になじむ事ができるのか?
第1話~第9話(その1)

話数

題名

内容概略

第1話

さくら帝都に来る(きたる) 稼働中の光武の映像。それに見入る財界の人々。藤枝あやめはその場にて光武の説明を花小路伯爵達にしていた。そして帝国華撃団花組に未だ脱落者等がないということも。
さて、花満開の上野。そこからの景色に見とれるさくらがいた。しかしそれは出迎えに来ている椿の迷惑に他ならない行為であった。ついに椿とさくらは出会う事はできず、一人米田長官からの手紙の住所を目指すさくら。その住所を元に着いた所は「帝国劇場」。何故劇場に着いたのかが理解できないまま、こっそり中にいる。そしてその劇場の扉を開けると、劇「ジュリオとロミエット」の真っ最中。その光景に感動するさくら。かすみが見つけ支配人室で待たせておくが、米田支配人が着いたときには誰もいない。さくらは物珍しさに方々を歩き回っていたのだ。しかし行く先々で邪魔ばかり、最後には部隊装置に触れてしまい、壊れる寸前の大道具を抑えようと舞台に飛び出してしまう。滅茶苦茶となりそうな舞台を「愛ゆえに」でどうにか乗り切るすみれとマリア。しかし幕が下りた後、怒りのおさまらないすみれとマリア。さらに米田長官から「新しい仲間」だと言われ呆然とするしかない2人。そして帝劇のスタッフ。
この1件からマリア、すみれ、アイリスの3人から完全に嫌われてしまうさくら。何とか3人に謝ろうとするが、その行為はさくらのドジもありますます気まずい方向へと向かってしまう。米田支配人は花組のメンバーの関係修復を謀るため、まずはマリアにあやめを迎えに行かせる。あやめはマリアに「長い目で見てやってくれ」と説得させられる。
落ち込むさくらは地下格納庫に迷い込んでしまった。そこは光武の格納庫。その光武に驚くさくらから発せられた霊力は光武を暴走させるのに十分な威力であった。暴走し、銃を乱射する光武。光武はお互いを破壊しあい、完全に稼働不能な状態になっていた。見るも無惨な光武の姿。ようやく我に返ったさくら。しかしそのさくらの頬にすみれの平手が飛ぶ。「言ったはずです。わたくしの前から消えなさい。」
荷物をまとめ、帝都を行く宛もなくさまようさくら。。。

第2話

守るべき都市(まち) 地下格納庫の光武の残骸の前に立ち尽くすあやめとマリア。しかし当のさくらはその場にはいない。
さくらは父親にそっくりの男を見かけ、その後を付いていく。路地裏でその人物はさくらに気付き、父親とそっくりのその顔を見せるが昼間に偶然助けられた少年、トラ坊の声でその姿を消してしまう。トラ坊は自分の長屋にさくらを連れてくる。緊張がほどけたさくらは、トラ坊の母親、おクマに抱きつき、泣き始める。
帝劇ではさくらの事について話し合いが行われていた。みんなの意見はさくらを復帰させる事に否定的な意見。あやめはマリアからその事を聞き、花組全員の召集を告げる。
翌日、さくらは落ち着きを取り戻し、帝劇に戻る事にする。一方帝劇では華撃団全員が集合させられおり、あやめは光武の暴走はさくらの霊力のせいである事をみなに納得させる。さらにさくらを呼び戻すのはマリアの仕事だと命じる。
帝劇の前で戻ってくるのを躊躇するさくらの姿を見つけるマリア。さくらはマリアにあれが「帝都を守る為の兵器、光武」であったことを聞かされる。自分の霊力でまたも光武が暴走する事を恐れ、戻る事を迷っているさくら。マリアは「迷っている者とは一緒に戦えない」と冷たく言い放つ。帝劇に戻れず再び長屋に戻るさくら。
その夜、突如長屋を襲う地震。それは魔操機兵「脇侍」の破壊工作によるものであった。光武のない帝国華撃団は陸軍と共同して白兵戦を行う為に出撃する。しかしその長屋が再開発地区であるという理由で共同戦線を拒否。しかしたまたまその長屋にいたさくらは、そこの人々を助けないという方針に反発。単身脇侍へと向かっていく。あやめの命令でさくらのサポートをするマリアとすみれ。3人の連携で脇侍を倒した時、マリアはさくらに言う。「戦う理由は違っても、民衆を思う気持ちが同じなら一緒に戦える」と。さくらは帝劇に戻ってくるのであった。

【余談】
光武の全高は2432ミリ。設定では脇侍の全高は明らかになっていないがほぼ同じ位かちょっと高い位であろう。光武の後の神武は3503ミリであり、これとほぼ同じか?しかしTVシリーズの脇侍は恐ろしく高く感じる。たぶん5メートル近くあるのではなかろうか。設定では「魔操機兵」であり、あくまでも「ロボット」だったのだが、半ば生き物の様だ。。。

第3話

さくらの初舞台 さくらは未だ悩んでいた。脇侍を切ることが出来た自分の能力への驚きと、集中できない時には切れなくなる自分の未熟さにである。そんな悩むさくらの姿を見た米田は、そろそろさくらにも舞台に上らせる事をあやめにほのめかす。
訓練終了後、支配人室に呼び出されたさくらは自分が舞台に上る事を聞かされ驚きの色を隠せない。早速マリアのコーチの下、「舞台役者」としての基礎訓練を開始する。失敗を繰り返しながら成長していくさくらの能力にマリアは密かに感心していた。しかしさくらはそんな事を考えるゆとりがない。地下のプールでアイリスの演技を見せられ心底感心したさくらは、「普通だよ。みんなこれぐらいはやるよ」というアイリスの言葉に、焦りを感じずにはいられなかった。
舞台の立ち稽古が始まるがみんなの気迫そしてプロ根性に圧倒されるさくら。稽古の途中倒れ、捻挫をしても稽古を続けるアイリスの事を思い出し、夜中に稽古をする為独り舞台に向かう。だがそこには独り稽古を続けるアイリスの姿がある。その姿を見て自分も頑張らねばと奮起。その頑張りは稽古にも表れ、米田はその姿を見て「いい顔になりやがった。」と微笑む。
銀座に出現した脇侍3機。陸軍の戦車での応戦も全く効果なく、マリアとすみれが光武で出撃する。銀座との通信回線に突如割り込むさくら。さくらは米田司令に「出撃させてくれ」と懇願する。そして自分の能力を信じられる様になったことを告げる。米田は出撃を許可する。ホバーリングをしながら進むさくらの光武。さくらの初舞台が始まる。

【余談】
今回の舞台は「アラビアのバラ」の演劇タイトルが読みとれる。アイリスの主演は「大恐竜島」が最初であったとの設定。さくらの初舞台は「椿姫の夕」。TVシリーズは原作と離れた「一つの作品」としての挑戦をここで明らかにしているのであろう。しかしアイリスの暗さには少し気になる人が多いのでは。。

第4話

華撃団の新隊長 前回の出撃記録を見る綾小路伯爵。華撃団の戦いの様子はとても帝都を守る部隊の様ではなく、次回の会合では華撃団に対する問題追求が必至。頭を痛める伯爵に米田は「花組の隊長交代」の話を切り出す。
花小路伯爵の家を去った米田とあやめは、花組隊員の「触媒」となる「男性隊長」を捜すべく、海軍軍艦へと出発する。米田達不在の帝劇はお休み。みんなはそれぞれ思い思いの休日を過ごす。帝劇3人娘は銀座へ。マリアは地下室で訓練。すみれは蒸気自動車でドライブをしながら新しい台本の暗記である。さくらはアイリスを外へと連れ出し遊びに出かける。
海軍軍艦に密かに持ち込まれたのは試作型光武。持ち込むための口実はどうやら複雑であったらしい。甲板上の米田達の姿を見て噂話をする大神と加山。海軍には「神崎重工新兵器の実験」とのふれ込みであるが、ただの実験ではなさそうだという噂話である。
さくらはついて回るアイリスのファンを振り切り、二越百貨店でアイリスを変装させた後、浅草花やしき遊園地のジェットコースターで絶叫を上げていた。さくらの「次は大人しい乗り物に」のリクエストにアイリスが指さしたのは観覧車。素晴らしい眺めに感激するさくら。だがアイリスはうらやましそうに隣のゴンドラに乗る親子の姿を見ていた。その姿に「今度はさ、アイリスのお父様、お母様も連れて来ようよ」と言うさくら。しかしその言葉がアイリスの琴線に触れてしまう。「何も知らないくせに」と言いながら激怒し始めるアイリス。霊力が制御できず、ゴンドラの窓ガラスが全て割れてしまう。アイリスを抱きしめ、「止めてアイリス」と懇願するさくら。アイリスはテレポーテーションしてゴンドラから姿を消してしまう。
米田期待の人物は霊力が思ったほど高くはなかった。訓練次第で実戦レベルまで霊力を高めるのは1年かかるとの報告にがっかりする。そんな時試作型光武を動かしている動力パイプがはずれ、機関室から火の手が上がる。火薬庫の近くであり機関部故障のあおりで隔壁も降りず、このままでは沈没も時間の問題。加山と大神も手伝いに走るがその時大神は試作型光武に目を留める。大神は隔壁を手動で動かすために光武へ乗り込む。光武に乗れず悔しがる米田を後目に機関室へ向かう試作型光武。隔壁の扉を閉め、船の沈没は免れられる。
さくらが帝劇に戻ると食堂にアイリスは独りうつむいていた。さくらの心配の言葉も聞かずに自分の部屋に戻ってしまう。
士官学校を卒業した大神は帝国華撃団への任官が決定した。あやめの代わりに大神の迎えを命令されるさくら。写真も持たずに待ち合わせの上野公園へと向かう。転んだ子供を助けようとするさくらと大神。そこで2人は出会うのであった。

【余談】
次回講演は「椿姫の夕」ということが、すみれの台本より分かる。つまり第4話で「太正12年3月末」という事が判明する。アイリスの暗さはゲームでの第4話「暴走!暴走!大暴走!!」に該当する話まで続けるつもりなのであろうか?どちらにしても予備知識なしで見始めた人には辛い話が続く。。

第5話

邪悪なる影 雷鳴轟く豪雨の帝都のある建物。一人の女性を媒体にして唱えられる呪文・・それは黒之巣会死天王の1人、黒き叉丹の声である。
大神着任において隊長を降ろされた事に合点がいかないマリア。花組全員も「男性」である大神を受け入れる事に戸惑っている様子である。戦闘シュミレーションを大神とやりながら、マリアは大神の着任に絡んで起きた一連の小騒動を思い出していた。
アイリスが高熱でうなされている中、米田とあやめは脇侍出現の謎を探る為、極秘裏に行われている脇侍解体調査中の建物に来ていた。
高熱でうなされるアイリスの看病につきっきりのさくら。洗面器の水を換える為、ちょっとの間すみれに交替している間、叉丹の呪文により「ある結界」が破れる。それを契機にするかの様にアイリスが叫び、その力で部屋の中を飛び交う家具。
脇侍の解体調査現場にも異変が発生していた。解体中の脇侍から突き出る1本の腕。夢組の結界呪文もむなしく脇侍から姿を現したのは紅のミロクである。ミロクの霊力で計器が破壊され、ミロクはその建物の完全破壊をする為に他の脇侍を呼び寄せる。
脇侍出現は帝撃本部でも探知していた。しかし脇侍の出現した建物は帝劇のデータベースには未登録の建物であった。大神が待機命令を出した瞬間、その建物には米田とあやめがいることをかすみは漏らす。脇侍解体現場まで米田達を送って行ったのはかすみ本人であり、その行為を米田から口止めされていたので、漏らすに漏らせなかったのである。
ミロクはその建物が「帝撃本部」だと思って破壊をしていたが、そうではない事に気付きその場を去ろうと考えていたが突如微笑む。そこに花組の光武が現れたからだ。怪我を負っていた米田は光武の到着に、「何故かすみが自分達のいる場所を漏らしたのか」と憤慨する。大神の「誰だ」の問いに「黒之巣会、紅のミロク」と告げる。ミロクを追う光武に立ちはだかる脇侍。単体での戦闘となった光武は大苦戦である。すみれ、マリア、さくらの光武は脇侍と差し違えて大破。唯一稼働可能の大神の光武がミロクを追ったものの、ミロクの術にはまり稼働不能となる。苦戦を味わった花組の面々は受けたショックに呆然としていた。そしてその心の痛みはアイリスにも届いていた。
米田は残りの2人を早期に飛び戻す必要があることをあやめに告げる。

第6話

光武の心 紅のミロクとの敗戦から戻って直ぐの花組の面々がいる帝劇。
地下訓練室では邪念を振り払うかの様に長刀の稽古をするすみれの姿。マリアも自室で物憂げに銃の手入れをし、食堂では飯を食べながら箸を折るほど悔しがる大神がいた。その姿を見て怯え、自分の部屋に戻っていくアイリス。そしてさくらは「瓦礫」と化してしまった光武を見つめていた。みなあの戦いに苦い思いを感じていたのである。
あやめと花小路伯爵は賢人機関への報告をしていた。脇侍解体施設の破棄の提言に対し、難色を示す機関の人間達。そして光武の交戦が本当になかったのか問いただされる。今回の出撃にはあくまでも施設解体の事後処理の為、光武が出撃したという言い張るあやめ。李紅蘭が花屋敷支部から急遽呼び戻された事実についても予定通りと報告する。
支配人室では米田から紅蘭の復帰の件を聞かされる大神。大神は昨夜の戦いの失態を謝ろうとするのだが、それを遮るかの様に今度はカンナの事を話し始める米田。そんな時に突然外で大きな衝突音。紅蘭の蒸気バイク「ハマイチ」が帝劇の前で爆発した音である。「すすまみれ」の顔でさくらと大神に挨拶をする紅蘭。
地下格納庫で光武の整備をする紅蘭。そしてそれを手伝うさくら。「さくらが光武の事を好きではない」という事を言われこういう壊し方をしてしまった事を謝るさくら。しかし紅蘭は「光武にも心がある」という事を伝えようと、山崎真之介が書いた光武の設計書を見せる。そして光武と心を通わせる、つまり光武の「霊子水晶」と同調すれば力を発揮する事を説き、その説明をする為に花組とのシュミレーションをやってみせる事にする。
シュミレーションの結果と霊力数値の順位のデータを示しながら、「光武と友達になる」という事を話そうとするが、すみれは体調が悪いからと、そしてマリアは調べたいことがあるからと言って早々に退席してしまう。紅蘭は残った大神とさくらに自分の霊力と光武の「霊子水晶」の同調の事実を示し、一番霊力の弱い紅蘭が何故花組全員に勝てたかを説明する。どうしても光武と心を通わせるかがわからないさくらと大神は、地下格納庫で光武を整備中の紅蘭にその方法を尋ねる。紅蘭は「光武を好きになること」だと2人に話す。
脇侍は解体された状態で帝都に運び込まれ、密かに組み立てられているという事が推測されていた。それはたまたま落ちていた脇侍のものと思われる腕から判明したことである。前回の例のことからも慎重に慎重を重ね、その腕の解析を始める夢組と米田達。その一方で脇侍組立場所の内偵を始める月組の加山達。そして怪しい荷のたくさん積まれた船を追ってある屋敷まで忍び込んだを舟木待っていたのは蒼き刹那であった。
加山の前に現れた舟木。それは刹那に操られた既に死んでいる舟木である。加山の心を読みとっていく刹那。追いつめられていった所に助けに入る月組の渚。加山を逃がすものの刹那の魔の手に殺められてしまう。
大神は花組が別々に食事をとるということに疑問を感じていた。紅蘭のシュミレーションのデータを見せ、「霊力など個人の能力のばらつきを埋め平均化することが急務」と大神に迫るマリアに対し、大神は「花組に必要なのは互いに心を通わせていく事が重要」と説く。そのような抽象的な事をと納得のいかない様子のマリア。
そして大神は決心して花組全員を召集する。それは決められた時間に全員揃って食堂で食事をするという命令を下す為であった。
 
【余談】
ゲームで言えばここまでが第2話「敵の名は黒之巣会」である。敵が黒之巣会であるという事が判明し、花組が大神を中心にまとまり始めるという話がここであり、全く違う話であるように思えつつも本質的にはゲームと沿っているという事が良く判る。まだマリアは大神の事を「少尉」としか呼んでいないし、アイリスも花組には溶け込んでいない。伏線が山の様にあると思えるTVシリーズである。

第7話

おいしい秩序 屋台のそば屋でそばをすするカンナ。港から着いたは良いが腹が減って立ち寄っているという訳だ。そばをすすりながら上海の空手大会で優勝したことを親爺に得意気に話すカンナ。が、妙な雰囲気を察知し、立ち上がる。
刹那に追われる加山。心の中を読む刹那は加山を精神的に追いつめていく。大男「白銀の羅刹」に襲われるその瞬間、カンナに助けられる加山。刹那はカンナ達をわざと逃がす。
その翌朝、食堂では大神の提案で始まったみんな揃っての食事の真っ最中。しかしさくらと大神のみが明るく振る舞おうとする一方、他のみんなは会話がない。何となく重い雰囲気である。
カンナは加山を帝劇に連れ込んだ。加山の精神的な崩壊の状況に言葉が出ない米田。米田は加山の事を口止めしようとしたが、カンナは「そんな事わすれちまったよ」と台詞を残し、その場を立ち去る。
光武のシュミレーション中の花組。大神の飲み込みは早く、昨日とは違う上達ぶりに紅蘭も感心する。その一方さくらはどうも動きが悪い。光武との同調はまだまだの様である。夜、格納庫でふさぎ込むさくら。見回り中の大神が、「俺も未だ紅蘭の言っている事が実はよくわかっていない」と漏らし、さくらを安心させようと気遣う。
朝、食堂には脂ぎったゴーヤ料理が。それを見て目を合わせる帝劇のみんな。そう、その料理を作ったのは他ならぬカンナである。カンナに笑顔を見せるみんな、そして早速喧嘩を始めるすみれとカンナ。姿を見せた大神に、カンナは組み手をやろうと誘う。
空手の腕の差は歴然。「マリアが出した戦闘能力を数値化した時の差の通りだ」とぼやく大神。「マリアらしい」と笑うカンナ。そして「同じ釜の飯を食えば信頼関係が生まれ、信頼というのは大きな力になるというのは確かであるが、そういう体育会系のノリが通じるかどうかも疑問だ」と付け加える。「でも続けていかなきゃ駄目なんだ」と言う大神に、「よし、それでいこう」と微笑むカンナ。早速花組のみんなを呼び出し、「みんなで料理を作ろう。作れなきゃ今夜の晩飯は抜きだ。」と檄を飛ばす。「カレーを作ろう」という事に「一度食べてみたかった」と喜ぶさくら。包丁なんか握れないと帰ろうとするすみれに、「カレーを食べた事があるすみれに帰られたら味がわからない」と引き留めるさくら。結局はさくら達の指揮をしてしまっているすみれ。こっそり覗いていたアイリスもうまく引きずり込み、どうにか完成するカレー。「面白れーよな。料理に関してはまるで0点同然の奴らが集まってカレーが出来ちまった。誰にだって不得手があるんだ。得意な奴らがそれを補ってやればいい。そうすりゃなんだって出来るさ」とはカンナの談。その作り上がった瞬間、間が悪いことに警報が鳴り響く。カンナはアイリスに「もうできてっから。先に食べているんだぞ」と告げ、花組は出撃する。
待ち構えていたのは刹那。心を読んで翻弄しようとする刹那。花組を分断されたがカンナは1人羅刹を相手にし、他のみんなを分断されたもう片方へ行かせる。カンナは以前加山を助けた時にお預けになった羅刹との戦いをどうしてもしたいらしい。さくらは刹那の「光武はさくらの事を嫌いらしい」という言葉にショックを受け動けなくなってしまう。その援護に向かおうとする大神だが、刹那にそそのかされ一緒に突っ込もうとするマリア。そこに大神が喝を入れる。「君の方が俺よりうまいはずだ。銃は!」大神をうまく援護し、見事な連携で脇侍を撃破する。ぼーっとしているさくらをかばい小破するすみれ機と紅蘭機。すみれの「カレーを食べられなくなくてもよろしいですの?」の問いに強く「食べたいです!」と答えるさくら。その瞬間、急に動きの良くなるさくら機。そうさくらと光武が同調したのである。脇侍がやられすっかりやる気の無くした刹那は羅刹を連れ、撤退する。やや劣勢だったカンナはほっと一息。
さて帝劇の食堂に戻ってくると、アイリスが一人みんなが帰って来るのを待っていた。「アイリス、食べてなかったのか?」のカンナの問いに「一人で食べてもおいしくない」とぼそりと言うアイリス。自分の分析した戦闘データを消去して戻ってきたマリアと一緒にみんなの楽しい夕食が始まった。

第8話

これがレビュウ! 東京へ向かう汽車の中には権爺がいた。父、一馬の法要というのに仙台へ帰って来ないさくら。それは劇の為であると何度さくらの母、若菜に説明されても納得がいかず直接さくらに確かめたかったからである。
「花組レビュウ ショウアップ」のポスターの前で「1回こっきりの上映」に納得のいかないという議論を戦わせている2人の男性。そこに権爺は「花組のトップスターは」という質問を投げかける。出てくる名前はすみれ、カンナ、アイリスとさくら以外の名前ばかり。ようやく出て来たさくらの名前に感激はしたものの今度もちょい役だという話にがっかりする。
帝劇ではその芝居の猛稽古中。だがさくらの動きはみんなの動きとワンテンポずれる。そんな時突如現れる権爺。強引に舞台に上がってしまった権爺の行為に呆れ、舞台の先生も休憩とせざるを得なくなる。
事務局では刷り上がってきたパンフレットに「神崎つみれ」の誤植が見つかり、その件で悩み中のあやめ、椿、かすみ、由里。それはすみれにもバレ、「もしその修正が間に合わなかったら舞台には立たない」とまで言って怒ってしまう。
権爺は米田支配人の部屋に談判に来ていた。それをふと立ち聞きしてしまったすみれ。再開された稽古で再びミスをするさくらに、パンフレットの件でいらついていた事もあり、「父の命日だから無理して舞台に出なくてもよろしくてよ。代わりはいますから。」と罵声を浴びせる。その怒り方に「度が過ぎると」と皆が言われ、ついにすみれは稽古場から出ていってしまう。そのまま部屋に閉じこもってしまう。マリアが呼びに行っても出てこず、食堂でミーティングを兼ねての食事も白けムードに。。そんな時にあやめ達が「手伝ってほしいことがある」と言ってくる。
すみれはふと思い立った様に実家に電話をする。岡村に「芝居を下りた。皆さんのお芝居への意識があまりに低すぎて。一緒にやっていく価値などない人たちだと」と愚痴をこぼした時、返って来たのは父、重樹の声。
「では何故自分から下りた。お芝居とはよっぽど甘い世界だと見える。」
という父の声に、
「舞台は大勢の仲間が情熱を賭けて作っていくものですわ。一人でも欠けたら。」と反論し、そこでハッと何かに気付かの様なすみれ。
「その仲間とやらを一緒にやる価値も無いと言ったのはおまえだぞ」
と言う言葉に慌てて電話を切るすみれ。そこにすみれを呼びに来た大神の声。大神に連れられて食堂に下りてくるとそこには、「神崎つみれ」の誤植を直す為のシール貼りに一生懸命のみんなの姿があった。片やさくらは舞台でマリアに手伝ってもらいながら稽古の真っ最中。その姿を舞台袖で見ているすみれ、大神、権爺。大神の「誰もすみれ君が明日の舞台に出ないなどと信じちゃいないんだ。みんな今の自分に出来る事を信じてやっているんだよ。」という言葉に、稽古に割り込むすみれ。「いくら一人で練習しても無駄。2人でタイミングを合わせないと」と憎まれ口調ながらもさくらの練習に付き合うすみれ。
本番直前の舞台袖。緊張するさくらに深呼吸させるすみれ。「何を緊張しているの。この私が相手になってあんなに練習したんですから失敗するはずないでしょう。それに貴方は一人ではないのよ。さぁ行きますわよ。」と励ますすみれ。一馬の名代として劇を見てくるようにと仰せつかった権爺も見守る中、ついに舞台の幕が開いた。

第9話

火喰い鳥(クワッサリー)と呼ばれた少女 5年前のモスクワ、マリアの隊長、ユーリーとマリアの戦場を駆け抜ける姿があった。戦場から撤退する最中に撃たれるユーリー。マリアが持つロケットにあるユーリーの写真を見つめながら、「貴方は最高の隊長でした。」とつぶやくマリア。
帝都では化け物の出現に係わる物騒な噂が絶えない。その噂の調査をすべく月組の加山達に米田から出動命令が発令される。化け物出現場所の炭坑を調査する月組の眼前に突如現れる刹那と羅刹。加山以外は全滅する月組、というより刹那は加山をわざと生かしておいたのであるが。。加山達の入った炭坑の出口で待機していた大神と陸軍の兵士。そこに刹那と羅刹に追われ、逃げ出てきた加山。ついに羅刹に捕まってしまった加山を助けるべく、ナイフで斬りつける大神。どうにか加山を救出し、トロッコで逃げ出したものの、羅刹に斬りつけたナイフで逆に刺され、そのショックでトロッコから落ちた大神は刹那に拉致されてしまう。
大神の正確な居場所がつかめない花組は為す術もなく待機。一方拉致されている大神はふとした刹那の言葉に迂闊にも花組のこと考えてしまう。待ってましたとばかりに刹那に精神攻撃をされ悶える大神。その精神攻撃はアイリスも感じ取っていた。
単身マリアは大神が拉致された炭坑で脇侍と戦っていた。そこで思い出すのはロシア革命の時の隊長との悲しい思い出。隊長に銃の特訓を受け、その隊長を失った記憶である。そしてその後も戦い続け「クワッサリー」と呼ばれた昔の自分自身の姿である。
大神が精神攻撃で動きもしなくなった頃、突如現れ、大神を助け出したマリア。だが脇侍は倒せても刹那と羅刹は迫ってくる。「どうしますか」と聞くマリアに大神は「いい質問だ」と答える。はっとするマリア。思い出すのは帝劇の射撃場での会話。完璧主義者のマリアと花組のぞれぞれの長所を引き伸ばそうと考えている大神との意見のぶつかり合いである。大神の天国と地獄の話に笑う2人の様子が気にくわない刹那。その刹那と羅刹の隙を突き逃げ出そうとした瞬間、現れる脇侍。その脇侍の後から現れたのはさくらとすみれの光武であった。炭坑から救出される大神とマリア。「有り難う、マリア。だけどあんまり無茶をするなよ」という大神の言葉に「いいえ、私は正しいと思うことをしただけです」と答えるマリア。そこで大神はマリアに「さっきのジョークには続きがあるんだ」と話し始める。そして「どんな時でも生き続ける事を諦めない。約束してくれるかい。」と指切りを迫る大神。その言葉に「約束してもいいですけど、一体どのへんがジョークなんですか?隊長。」と切り返すマリアであった。
その言葉に絶句する大神。しかしマリアが大神の事を「隊長」と初めて呼んだ瞬間であった。
 
【余談】
ようやくゲームでの第3話が終了。このペースでいけば2クール(26話)でだいたい終了するのかと推測できる。あとは「アイリス」の話である。


2000. 6. 3 Update

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