コロナ感染者、飲食店で「ウイルスばらまいてやる」 陽性判明当日にタクシー使い2店訪問

[ 2020年3月7日 05:30 ]

 愛知県蒲郡市の50代男性が新型コロナウイルスに感染したと通知を受けたのに自宅待機の要請を無視して外出し、飲食店で「コロナウイルスをばらまいてやる」と話していたことが6日、関係者への取材で分かった。

 県豊川保健所や市などによると、男性はタクシーを使うなどして、4日夜に市内の飲食店2店を訪問。うち1店舗の店員が「コロナウイルスをばらまいてやる」との発言を聞き保健所に通報。県警蒲郡署員が防護服を着て出動する騒ぎに発展した。保健所は接触者に連絡するとともに、店舗内などを消毒した。男性は4人家族。同居する両親が発熱や呼吸困難を訴えて2日に入院。3日に感染が確認された。男性は4日に遺伝子検査で陽性と判明、自宅待機を指導されていた。現在は医療機関に入院。目立った症状はないという。

 市が男性の行動を公表してから、高須クリニックの高須克弥院長はツイッターで「大馬鹿(ばか)者」「歩く凶器」などと批判していた。

 列島各地で散発的に感染が発生する中、狂言ではなく、実際の感染者が発した「ウイルスをばらまく」の言葉。警察が出動する騒ぎになり、店側は消毒などの対応に追われ営業に支障が出た。今後、同様のケースが起きた場合、罪に問われる可能性はあるのか。刑事事件に詳しい嵩原安三郎弁護士は「店内で“ウイルスをばらまく”と言って実際に別の人へ病気をうつしてしまった場合は傷害罪の適用が考えられる」と指摘。感染させてはいなくても、あえて感染させる趣旨の発言をすることで店の営業を妨害したとなると、威力業務妨害の罪に問われたり、店側から損害賠償を求められる可能性があるとした。

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2020年3月7日のニュース