米紙「安倍総理は、まるでEUのリーダーのようだった」「EU最高の同盟国は日本」と大絶賛の日EU首脳会談
4月下旬、平成最後の外遊として安倍総理は欧米を歴訪した。
今回の外遊も多くの収穫があったが、日本のメディアが報じないので、一連の外交成果を数回にわたって国ごとにご紹介する。
今回ご紹介するのは、4月25日に行われた、トゥスク欧州理事会議長及びユンケル欧州委員会委員長との間で行われた、日EU首脳協議である。
米政治専門ニュースメディア「POLITICO」が安倍総理を絶賛
「POLITICO(ポリティコ)」は、米国では著名な、信頼性の高い政治専門ニュースメディアである。
そのポリティコ紙が安倍総理のEU訪問を、「EU最高の同盟国は東方にあり」とタイトルから絶賛している。
安倍総理が日本語を話していなければ、EUの指導者と容易に間違えられただろう。
木曜日にブリュッセルを訪問し、欧州委員会のユンカー委員長とトゥスク欧州理事会議長に会い、安倍総理はEUが好む曲をすべて奏でた。安倍総理は、自由で公正な国際貿易システムの必要性を強く擁護し、人権と法の支配を含む自由主義の民主主義的理念を支持し、環境保護、北朝鮮の核放棄、無条件での英国のEU離脱の回避を求めた。
記事は、安倍総理を“まるでEUのリーダーだ”と表現し、安倍総理はEUと完全に価値観を共有したとまで激賞している。
対中、対米、日・EU経済政策まで日・EUは一致し、連携していくことに
また、安倍総理は、日本が中国に関するEUの懸念と政策目的、特に「一帯一路」構想に関するそれを共有すると宣言した。
トランプ大統領が追求している経済保護主義に対しては、日本がEUと同じ立場をとるという微妙ではあるが明確な合図を送った。(中略)
木曜日の夜の記者会見で、安倍総理と彼のヨーロッパにおける仲間は、彼らは喜んでお互いの意見を述べ、お互いの重要性と友情を強調した。
そして彼らは、主にトランプ大統領の予測不可能性に対応するために、2月1日に発効した日「EU経済連携協定」と呼ばれる画期的な自由貿易協定の恩恵を繰り返した。
「現在の国際社会の最も重要な主題は自由貿易体制を維持することです」と、安倍総理は開会挨拶の冒頭で述べた。
日本とEUは、中国が欧州の一部の国に手を伸ばしてきている「一帯一路」に日・EUでしっかり対応し、一方ではトランプ大統領の保護主義政策に毅然とした対応を取り、国際社会全体で後退しつつある、自由貿易体制を守護していくことになったのである。
反安倍勢力は、「対米従属」だと安倍政権を批判するが、こうしたEUと連携して、トランプ政権の政策に修正を加えようとしていることには一切触れないし、無視している。安倍総理は、米国と連携すべきところは連携し、引き出すものは引き出し、守るべきところはEUと連携するという現実的かつ効果的な方法をとっているのである。
G20でもEU側の全面協力を確約
今年、日本は、G20の議長国を務めることになっているが、G20大阪の優先事項の設定は日EU協力の可能性がある。安倍総理は次のように訴えた。
「我々は、自由貿易を支援し、WTO改革に向けてG20が国際社会に強いメッセージを送ることができるように、EUと協力することに合意した」
「私は、データガバナンス、特に電子商取引について主に議論するために大阪の道を始めるために、EUからの強い支持を求めました」
「女性活躍のために、我々は女性の労働参加、女子の教育および女性起業家の支援の重要性について我々の理解を共有した」
「海洋プラスチック廃棄物については、世界的なイニシアチブが不可欠であることに同意しました。」
そして、最後に安倍総理は「日・EU関係は着実に深まっている」と宣言した。
トランプ大統領が大西洋の両岸関係を不安定にしている中、現時点でEUの最も志を同じくする同盟国が極東に存在していることは明らかだった。
G20の議題づくりにEUを巻き込むことで、安倍総理がEUの全面的な支援を取り付けたことについて触れている。そして、日本はEUの最高の同盟国だと評している。
欧州トップ、「日本はアジア一の友人」と断言
トゥスク欧州理事会議長は、最後にこう締めくくった。
「日本はアジアで最も親しい友人であり、パートナーであり続けるでしょう。それは過去のため、伝統のためだけでなく、将来の課題のためでもあります。そして、私たちはお互いに対して非常に誠実であることを確信できます。それは間違いありません。」
大絶賛そのもの。
平成最後の外遊、そして、令和時代の外交のプロローグに相応しい、実り多き日・EU首脳会談だったと言えよう。
EUからの全面協力を取り付けたことで、今後の日本外交の足場を固め、令和におけるさらなる経済・安全保障の両面における今後の日本の成功の一助となることは間違いない。