検証!小泉進次郎が平成のうちにできたことは「永遠の0」
新元号「令和」の発表で、沸き立つ日本列島。
平成もあと残り一カ月を切る中、「平成のうちに」という看板を掲げながら、全く何もできなかった組織がある。
それが、小泉進次郎氏率いる「平成のうちに」衆議院改革実現会議だ。
●「平成のうちに」衆議院改革実現会議
「平成のうちに」会議の主旨を小泉氏は、以下のようにブログで綴っている。
国会改革は、これまで何度も議論されてきた。2014年には、先人たちの努力が実り、与野党の合意に結びついた。しかし、与野党間で合意した事項でさえ実行されないのが、国会改革の現実である。
(中略)
このように、日本の内外の急速な変化に機動的・戦略的に対応していくためには、平成の残された改革である国会改革を合意だけで終わらせず、与野党の垣根を超えて、共に実現していくことが、我々国会議員が主権者たる国民に対して果たすべき責任である。「平成のうちに」衆議院改革実現会議の様子
平成のうちに国会改革を実現させるというのが目的ということだが、国会の何を改革したいのかよくわからない。美辞麗句ばかりの中身がない内容だ。小泉進次郎氏は、自分の発言に酔っているだけ。
それから4カ月も経過した平成30年10月25日。第197回臨時国会開会時になって、小泉議員らはようやく高市早苗衆議院議院運営委員会委員長に以下の提案を行った。
平成 26 年当時の与野党 7 党の国会対策責任者が党派を超えて合意し署名した、平成 26 年「国会審議の充実に関する申し合わせ」を基本とし、
1: 国民への説明責任を強化することを目的とし、党首討論の定例化・夜間開催など充実した討議が行われる環境を整備すべき
2: 衆議院におけるタブレット端末の導入・活用など、IT 化を推進し、国会審議の効率化・意思決定プロセスの透明性向上を図るべき
3: 女性議員が妊娠・出産時等により表決に加わることができない場合に、代理投票を認めるなど必要な対応を速やかに実施すべき
改革というにはあまりにショボい内容。方向性はともかく、4カ月も小泉議員が中心となって審議し、取りまとめたのに細かな改善項目ばかりがわずかに羅列され、意義がよくわからない内容となっている。
●進まない進次郎の「改革案」
そして、ショボい内容の改革案さえも実現しなかった。結局。「平成のうちに」実現する見通しは立たなかったのである。
衆院での国会改革の議論が停滞している。妊娠・出産のため国会に出席できない女性議員に、採決時のインターネット投票を認めるかで自民党内の意見が割れているのに加え、野党が夏の参院選を控えて主張を際立たせ、意見集約のめどが立たないためだ。議論を主導する自民党の小泉進次郎厚生労働部会長は「元号が平成のうちに」と期限を切って改革の目標を定めていたが、実現は難しい状況だ。
どうという事はない。小泉議員は、自民党内の意見集約も、与野党間の駆け引きも出来ないという二重の無能を晒した。
こうした指摘はメディアからもされている。
・小泉国会改革が進まない理由は小泉進次郎本人!
ビジネス誌プレジデントオンラインでは、「『平成のうちに』衆議院改革実現会議」を「小泉国会改革」と称して、「比較的簡単なテーマ」と述べている。もう一度、提言の3つを簡単に上げてみよう。
(1)党首討論の定例化・夜間開催の実現
(2)衆議院のIT化(タブレット端末の導入など)
(3)女性議員の妊娠・出産時等への対応(代理投票の検討)
確かに、実現は難しそうではない。ただ、(3)だけは憲法違反の疑いがある。
国会の定足数、採決を定めた憲法56条は
両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。とされている。同条では採決は「出席議員の過半数でこれを決し」とある。条文を厳格に読めば「出席議員」しか投票できず、代理投票は認められないとなる。
こういったことは、国会に関する憲法の正しい知識も持っていないだけでなく、明らかに何も調べることなく考えなしに進めていた証拠。しかも、プレジデントオンラインは、「小泉国会改革が進まない理由は小泉進次郎」と指摘している。
「小泉国会改革」が進まない最大の理由は、小泉氏本人の存在かもしれない。小泉氏は常に注目を集める存在だ。移動する時も常に「番記者」に囲まれている。彼が取り組んでいるからこそ国会改革が注目されているといえる。その功績は大きいが、それ故、便乗しようという勢力もあり、嫉妬も渦巻く。
小泉氏は、目立ちすぎてしまうということ。ネットを見ても「実績のない人気者」という意見が支配的だ。そしてなにより、安倍総理に対する、数々の無責任な批判の数々。
これではほかの政治家を動かすことは出来ない。自分が黒子になるくらいの度量もないようでは、一部の国民に受けがよくても、同じ政治家の目からは冷たい評価になる。石破氏と同じ構図だ。
「平成のうちに改革をする!」と宣言しておきながら、「平成のうちに」何も達成できなかった小泉進次郎氏には、何も期待しない方が賢明だ。