英国最高のシンクタンク、安倍政権の成果を絶賛

2月7日、英国最高のシンクタンク、王立国際問題研究所が「日本が他の先進国に授けられる教訓(What Japan Could Teach Other Developed Countries)」と題する論説を掲載した。しかも、それは王立国際問題研究所の代表の手によるものだった。

王立国際問題研究所(通称:チャタムハウス)とは?

王立国際問題研究所は、1920年に創設され、まもなく100周年を迎える、国際問題の分析で世界をリードしてきたシンクタンクである。所在地からチャタムハウスとも呼ばれる。

2011年に公表されたシンクタンクのランキングでは、アメリカのブルッキングス研究所に次ぐ世界第2位に位置づけられ、まさに世界屈指のシンクタンクである。

このシンクタンクが生み出した『チャタム・ハウス・ルール』と呼ばれるルールは、現在では国際会議で広く採用されていることからも影響力が判る。

日本が他の先進国に授けられる教訓

王立国際問題研究所の代表のジム・オニール氏は、まず、日本の特異性を称賛している。

ポピュリズムと独裁的な体制が世界中で勢力を増す中、日本は相対的に、社会・経済が安定性した場所として突出している。日本の現状は独自の経済的・地理的条件によるものだが、それでも他の先進国に何らかの教えをもたらすことができそうだ。


引用元 What Japan Could Teach Other Developed Countries

そして、オニール氏は、日本経済の現状を称賛する。

概ね、2019年の日本は他の先進諸国と比べて安定しているようだ。今から10年後、1人当たりの実質GDP成長率(インフレ調整済み)がG7の中で最高だったとしても驚かないだろう。

実際のところ、過去10年間の日本の年間GDP成長率の平均はわずか1.1%だ。しかし人口減と労働力の縮小はすでに、力強い1人当たりの実績をもたらしている。事実、この国の人口面の課題を考えると、長期の成長可能性を上回っていると言えるだろう。
引用元 What Japan Could Teach Other Developed Countries

まさに激賞である。日本が人口減少と労働力の後退にも関わらず、一人当たりのGDP成長率を高めることで、経済成長を保っており、10年後には世界一になると評価している。これこそ、まさに生産性革命を掲げたアベノミクスの成果への正確な論評である。

安倍晋三は、並外れた安定期をもたらしている。特に、彼の特徴的な経済戦略(「アベノミクス」)は複数の成功を生み出している。1人当たりの実質GDP成長が堅調なのに加え、日本で長らく続いたデフレは終焉の様相を呈し、女性の就労にも顕著な増加が見られる。

引用元 What Japan Could Teach Other Developed Countries

そして、アベノミクスを激賞した後、オニール氏は、いよいよ本題の日本が世界に与えられる影響について述べ始める。

今回の私たちの会議でのさらに広い話題として、EU離脱後の英国と日本との間で協力できる領域が、両国の奇妙な経済状況のおかげで、以前考えていたよりも広いことに気付いた

例えば、中国との難しい関係をやりくりしてきた経験が豊富な日本は、他の先進国に授けられる知恵がいくらかあるだろう。世界各地の政府にとって、中国の成長の恩恵享受と、それに伴う安全保障・サイバー・金融リスクの回避とのバランスをとることが課題となっている。

6月のG20大阪サミットで大きく取り上げられるであろう、データ保護やサイバーセキュリティでの協力強化に関する安倍の熱意を、英国の政治家は共有するだろう。ルールに基づく世界秩序体制の向上を擁護する日本の動きも歓迎するだろう。

そしてもちろん、アジア諸国や欧州連合との貿易協定締結という日本の最近の成功から学ぶこともあるかもしれない。もし英国が貿易面で単独主義を決意しているのであれば、日本との商業関係の強化は絶対的に必要になってくる。

そしてもしロシアのウラジミール・プーチン大統領への安倍の提案がうまくいけば、彼はロシア政治についても私たちに何か教えを授けてくれる可能性がある。


引用元 What Japan Could Teach Other Developed Countries

オニール氏は、日本は以下の取り組みを推進する上で、大変参考になるとしている。
・対中外交
・対ロ外交
・データ保護やサイバーセキュリティでの協力強化

世界屈指のシンクタンクの代表が、このように外交面および経済面で日本が世界を牽引していると評価するのが、7年目に突入している第2次安倍政権である。

日本のメディアは、徒労に満ちた他人の足を引っ張るのも良いが、こうした事実を紹介してみてはいかがだろうか?

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