問題となっているのは、番組内で新型コロナウイルス拡大によるマスクの需要増加について扱っていた際のある一幕。安倍晋三総理大臣は5日、第17回新型コロナウイルス感染症対策本部の中で、「今月は月6億枚以上の供給を確保しています」と述べていたが、同日に番組が全国マスク工業会に取材したところ、専務理事の高橋紳哉氏が「当会には、100社以上の企業が参加していますが、『海外からの輸入が始まった』という話は聞いていません」「“月6億枚の供給”について経済産業省と厚労省に聞きました。あくまで官邸筋からの言葉で数字的な根拠はないと聞いています」と話したと紹介していた。
しかし、この放送について、同日に全国マスク工業会は書面での文書を公開し、「電話による取材で回答した内容と全く異なる内容でございましたので、訂正させていただきます」として、「『海外からの輸入が始まった』という話は聞いていません」の部分について、「工業会には、115 社の企業が参加しているが中国からのマスクの輸入はいままでも止まっていない」と真逆の回答をしたと説明。さらに、「春節休暇とコロナウィルスのまん延による中国国内の人の移動や交通の規制などで、物流のインフラがとまっていたが今週くらいから回復していると聞くので期待がある」と答えたとした。
また、「“月6億枚の供給”について経済産業省と厚労省に聞きました。あくまで官邸筋からの言葉で数字的な根拠はないと聞いています」という部分についても、「6億枚の組み立ては、聞いていないが、昨日(3月5日)の報道であるようなガーゼマスクの新規生産をはじめとした様々な手法を加えて、週1億枚の実績をふまえたマスク業界への更なる増産へのトライを続けてほしいとの期待値であると受け取っている」と答えたといい、こちらは切り取り報道があったとした。
全国マスク工業会は「TBSテレビの同番組制作責任者様には、訂正のコメントを発していただくよう申し入れをいたしましたことも併せてご報告いたします」と訂正を求めたといい、この抗議にネットからは、「真逆なのはありえないわ」「なんでこういう捏造して国民の不安煽ろうとするんだろう…」「当事者が否定文書出さなきゃいけなくなるような切り取りって、メディアが故意に社会を混乱させようとしてると思われても仕方ない」という声が集まっていた。
新型コロナウイルスの報道を巡っては、『モーニングショー』(テレビ朝日系)が、厚生労働省や内閣官房国際感染症対策調整室からツイッターを通じ、名指しで抗議されるなど異例の事態が続いている。普段以上により正確な情報が求められているようだ。
記事内の引用について
一般社団法人 日本衛生材料工業連合会公式サイト内「全日本マスク工業会コメント」より
http://www.jhpia.or.jp/index.html