中国「五毛党」のやらせ書き込み、年間4億件超=ハーバード大研究発表

2016年05月27日 21時07分

 

 当局が今最も恐れていることは民衆の蜂起

 同社はまた、研究者らがこれら漏洩文書の中からデータベースを作成して分析を進める中で自動学習の手法を使ったところ、中国国内のその他の地域における五毛党の書き込みを発見したことも報じている。

 研究チームは、五毛党のやらせ投稿には以下の規則性があることも認めている。

1、論争になりそうな話題は避け、巻き込まれないにようにする。

2、民衆の関心から逸れるような別の話題を積極的に提供することより、集会や街頭抗議活動に関する議論を鎮静化させようとする。

3、徹底的な封鎖は民衆の怒りをあおるだけとなるし、逆に当局にとっては、反対意見を知ることにより、それらを参考にして地方の指導者を評価することができるというメリットがあるので、ある程度の異論は容認する。

 研究チームは、中国の共産党政権が目下最も恐れているのは、外国から攻撃されることではなく、国内の民衆が決起することだと指摘している。

(訳注):「五毛党」とは、金のためにネット上で政府や共産党を擁護・賛美するような内容を書き込む人に対する蔑称であり、公募時の正式名である「網絡評論員(ネット評論家)」を略して「網評員」となり、「員」の同音字「猿」を使い「網評猿」と揶揄されることもある。狭義の意味での「五毛党」は各地の党や政府の宣伝部門、教育機関(特に大学)などに雇われ、専業あるいは兼業で書き込みをする人のことである。「網絡評論員」の身分を堂々と公開する人もいるが、大多数は普通ユーザーを装い複数のIDで投稿している。広義の意味での「五毛党」はネット上で中国政府や共産党を賛美・支持・弁護する傾向のあるすべてのユーザーをさす。このようなユーザーはよく一斉攻撃を行うため「網絡水軍」あるいは単に「水軍」とも呼ばれている。その他、社会に不満を抱き過激な主張や言動をする「憤怒する青年」の略称「憤青」とその同音蔑称「糞青」も、お金を貰わず自発的に政府や党を賛美する「自幹五」も、全部広義の意味での「五毛党」である。

(翻訳編集・桜井信一/単馨)

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