東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 紙面から > 3月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

<新型コロナ>自粛なお見通せず 「瀬戸際」過ぎても首相「正念場」

写真

 新型コロナウイルス感染拡大の終息に向け、政府の専門家会議が「この一~二週間が瀬戸際」との見解を示してから、九日で二週間を迎えた。同日夜になり、現状の警戒を続けるよう求める新たな見解を発表。これにより、大規模イベント開催の自粛や一斉休校を要請した政府の異例措置は当分、維持される。ただ、いつまで続けるかの明確な方向性は示せておらず、国民の不安が募る恐れがある。 

 安倍晋三首相は九日、専門家会議に先立ち開かれた参院予算委員会で、これまで多用した「瀬戸際」のほかに「正念場」との表現も使い、当分は現状が続くとの見方を強調していた。政府の異例措置を続ける期間については明確な答えを示さず、専門家の意見や新たな見解を踏まえて判断すると話すにとどめた。

 専門家会議は二月二十四日、新型コロナウイルス感染症について「一~二週間が急速な拡大に進むか、終息できるかの瀬戸際だ」との見解を公表。首相はこの見解を引用し、「瀬戸際」の期間中に、不特定多数が集まる大規模なイベント開催や施設の営業の自粛、小中高校などの一斉休校を要請してきた。

 休校に関しては、「瀬戸際」の期間を過ぎた後の春休みまでとしていた。専門家会議の新見解は、休校要請などの措置を続けるか判断するめどを今月十九日ごろとしており、春休みまでとした首相の政治判断を後追いした形にもなった。

 一方、多くの文化・娯楽施設は十五日までの休業を決めている。東京ディズニーランドと東京ディズニーシー(千葉県浦安市)は十六日の営業再開を目指すが、運営するオリエンタルランドの広報担当者は取材に「感染状況や、行政など関係機関からの情報を見極めて改めてお知らせしたい」と話した。

 政府は十日の閣議で、新型コロナウイルス感染の急拡大に備えた新型インフルエンザ等対策特別措置法改正案を決定。改正案は十二日の衆院本会議で採決、可決し、十三日にも参院本会議で可決、成立する見通し。首相は九日の参院予算委で、現行の特措法から改正案にも引き継がれる緊急事態宣言に関し「国民の私権を制約する可能性もある。影響を十分に考慮しながら判断したい」と語った。 (上野実輝彦、村上一樹)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報