★日本も非常事態宣言が、立憲民主党などの賛成で情報コントロールが進むだろうが、新型コロナウイルスを巡り米中が激しいつばぜり合いを続けている。それは米中の情報戦の様相で、どうやら、両国はこのウイルスについて世界に公表していない秘密を抱えているようで、この攻防戦は覇権争いだけでなく、何らかの両国の“勝敗”にかかわっているようだ。

★最近、米国務長官・マイク・ポンペオは連日、この新型コロナウイルスを武漢ウイルスと呼び続けている。ポンペオは5日に続けて6日の米CNBCインタビューで「武漢ウイルス」あるいは「武漢コロナウイルス」と連発。その理由は「中国が世界の医療関係者に対して必要な情報を十分に提供していない」とし「このことが新型ウイルスの対応を遅れさせた」とした。米国内での感染者が増え始めているいら立ちもあるだろう。背景にはWHOに対して中国が事態を大げさにしないように働きかけたのではないかとの懸念がある。事実WHOは発表が二転三転して混乱した。確かに中国は国家主席・習近平の来日が控えていたこともあり、日本政府にも大げさにすべきではないと要請。日中間の往来に対しても日本政府は寛容だった。

★当然、中国はポンペオ発言に猛反発。中国外務省報道官・趙立堅は会見で「『武漢ウイルス』や『中国ウイルス』とメディアが使うのは非常に無責任だ」とし「裏付けとなる事実や証拠は何もないにもかかわらず『中国ウイルス』と呼んで発生源をほのめかすことで、一部のメディアが中国に責めを負わせようとしているのは明らかであり、彼らの隠れた動機をあらわにしている。感染拡大は世界規模の難題だ」と反発した。この問題ではモスクワが沈黙していること、北朝鮮がミサイルを発射して国際社会の注意を引こうとしていることなど、米中露の情報戦のみならず心理戦が進行しているとみるべきだろう。だが超大国がけん制している間に事態は悪化するばかりだ。どうなる世界、どうなる日本。(K)※敬称略