1976年(昭和51年)のスタートから来年で40周年。週刊少年ジャンプの最長連載記録を更新し続ける人気漫画・こち亀こと「こちら葛飾区亀有公園前派出所」において、個人的に好きすぎてやまないのが単行本第64巻収録の番外編・下町散歩シリーズ。
主人公・両津勘吉が下町交番の補欠要員に突如任命され、日暮里、上野、谷中、根津、湯島、本郷を縦横無尽に駆け巡る4話完結のストーリーなんですが、道中ちらっと登場するのが日暮里の駄菓子問屋街。
「いつか両さんのように日暮里で駄菓子を大人買いしてやる」って意気込んだはいいものの、実際に足を運んだのはジャンプ掲載から20年以上経った2010年代でして、「さてさて駄菓子問屋街はどこかいな」と散策したところ、
再開発で辺り一帯が超巨大マンションになっちゃったことに気づくのにそう時間は要しませんでした。
駅前タワーマンションに移転した日暮里駄菓子問屋街唯一の生き残り「大屋商店」
「だがし・おもちゃ問屋」の文字がある意味まぶしい。
移転後しばらくは1階の「村山商店」と2店舗が駄菓子の取り扱いを続けてきましたが、現在は2階の「大屋商店」のみが営業継続中。
全盛期は日暮里界隈に150もの駄菓子問屋が軒を連ねていたそうで。
ステーションガーデンタワーが建つまでの間は近場の仮店舗で切り盛りしつつ、竣工と同時に現在の場所に移転&営業を再開した模様。
駄菓子問屋歴40年以上の老舗ですが、エスカレーターでアクセスする駄菓子屋さんってそうそうないよね。
普通の駄菓子屋からじゃまず拝めない景色が広がります。
テーマパークで駄菓子を取り扱うレトロスタイルのお店を散見しますし、「大屋商店」もそういった類いの1軒に成り果ててしまったのか、これも時代の流れ…
って思ったら、創業者のおじいちゃん・おばあちゃんが店先でくつろいでて妙にほっこりしました。
あと、なぜか心ん中でガッツポーズも繰り出しちゃいました。
バラ売りなし、問屋なんだから箱買い袋買いが当たり前の日暮里「大屋商店」
いくらうまいからってそれでもありすぎなうまい棒。
うまい棒の前で腕組みすれば、人は誰しもゲート・オブ・バビロン中のギルガメッシュ状態。
キャベツ太郎だとかのスナック菓子も大量に積み重ねられてたり。
フルーツ餅なんかもこぼれ落ちそうなくらいに段重ね。
一気に食べたら虫歯になるよりも前に歯が溶けちゃいそう。
消費税増税や安価なだけに割に合わないと感じるなどして辞めちゃうケースが実に多く、毎年10店舗ぐらいの割合で日本各地の駄菓子問屋が廃業しているとのこと。
バラ売りの定番・酢いかだとかも当然箱、箱、箱。
子供の頃だと知ることもなかった実情、「電話やFAXくれたら東京はもちろん日本全国に発送しますよ」と、サンプルでいただいたお菓子をつまみながらの世間話。かつての駄菓子屋でおじちゃん、おばちゃんと交わさなかった話題でも、ひとつまみの駄菓子と笑顔があれば、大層立派なタワマンにあろうが童心に返れちゃうってもんですよ。
若い女性のみんな、人気のブラックサンダー買いまくりだよ。
こういった問屋さんが今も在り続けるから「日本一古い駄菓子屋」や「恵比寿唯一の駄菓子屋」が安心して営業を続けられるんだよなー。
関連記事
手にした時点でカウントしているのか、驚きの会計処理能力。
商品をレジに持ってってバーコードスキャンからの「ほにゃらら円になりまーす」な生活に慣れちゃったもんだから、値札を見るまでもなく(※そもそも値札自体がない)あっという間に合計金額を算出する爆速っぷりを見せつけられて出た感想は「やられた」と。これが刀と刀の真剣勝負ならおれはとっくに切り捨てられていたと、何というか一種の居合いのような体験をした気がします。
日暮里「大屋商店」で大人買いした駄菓子たち
昔なつかしい見田製菓謹製のきびだんご40個。
本来ならアタッシュケースに札束ぶち込み重要な現金取引をしていてもおかしくない年齢なんですが、一身上の都合により無理っぽいのできびだんごパーティーで現実から目を背けることにしました。
桃太郎なら40もの家来を引き連れているんでしょうが、
こんな記事を披露する時点で甲斐性なしと丸分かりな身としては時間をかけてでも全消費する道しか残されておらず、ついでに天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずの精神にものっとり、しみじみ完食しました、独りで。
「大屋商店」の売れ筋、おやついかくん&おやつカルパス。
Amazonよりも相当安い値段で購入、卸価格ならではってヤツですね。
変わり行く時代に変わらないものもあるけれど、大抵は淘汰されて次の世代や業態へとバトンタッチする中で、それでも駄菓子とともに育った身として、今後も心のステーションのひとつとしてステーションガーデンタワー2階の「大屋商店」に足を運んでみたいと思います。
いちごチョコが妙に甘酸っぱく感じられた、そんなひと時。
店舗情報
店名 | だがし・おもちゃ問屋 大屋商店 |
---|---|
住所 | 東京都荒川区西日暮里2-25-1-203(地図) |
電話番号 | 03-3801-2530 |
FAX | 03-3801-2540 |
営業時間 | 9:30~16:30 |
定休日 | 月曜日、第3火曜日 |
最寄駅 | 日暮里駅 |