【香港=木原雄士】香港のキャセイパシフィック航空は8日、13日以降のすべての日本便を運休にすると発表した。新型コロナウイルス対策で日本政府が香港人のビザ免除を停止するなど入国制限を始めたことを受けた措置。香港と日本を結ぶ航空便は大幅に減り、日本から旅客と一緒に運ぶことが多い農林水産物の輸出にも影響が出そうだ。
キャセイは9日から香港と福岡、名古屋、札幌(新千歳)、羽田を結ぶ各路線を運休にする。13日以降は香港や台北と成田、大阪を結ぶ旅客便を止める。現時点で運休期間は28日までだが「日本政府の入国制限によりスケジュールが変更になる場合がある」としている。新型コロナの影響ですでに新潟や沖縄の路線を運休にしており、日本を発着する旅客便が当面なくなる。
香港は日本の農産物・食品の輸出先1位で、日本産の人気が高い。航空便が減ると日本から水産物やフルーツが届きにくくなるとの見方が出ている。香港人は2019年に人口の3割にあたる229万人が日本を訪れた。日本政府の入国制限を受けて、訪日旅行のキャンセルが相次いでいる。