セルフチェック方法を発信。早期発見で病状の進行を防ぐ
「加齢黄斑変性は、放置すると視力が0・1以下にまで低下する眼疾患。国内の失明原因の4位に位置します。早期発見と早期治療が最大のポイント」と話すのは、竹田宗泰院長。加齢黄斑変性をはじめとする網膜疾患を専門とする眼科医だ。実に40年以上のキャリアを持つ。
加齢黄斑変性について竹田院長は「人間の目のピントは視野の真ん中にあります。目の中心にある黄斑部の細胞が老化して障害をきたすことで、視力が著しく低下します」と解説。
新聞が読めなくなったり、運転免許の更新ができなくなるなど、日常生活に支障が出る。現在は抗VEGF薬を用いた硝子体注射やレーザー光凝固術、光線力学療法(PDT)を組み合わせれば、進行を抑えることが可能となった。
竹田院長は症状やライフスタイル、経済状況などに応じて3つの治療をセレクトして診療にあたっている。
ただ、長きにわたり患者を診てきた経験上、早期発見の難しさも痛感している。
「見えにくさを加齢のせいと放置するケースや定年後はパソコン作業などの目を使うシーンが減り、気づかないケースも多い。また、現在は老老介護なども増え〝見える〟ことを後回しにしてしまう人も多いでしょう」
そこで竹田院長は、アムスラーチャートと呼ばれる加齢黄斑変性のセルフ検査を推奨している。下の図を顔から30㌢ほど離し、中央部の黒い点を片目ずつ見てほしい。その際に「歪んで見える」「欠けている部分がある」「中心が見えない」といった場合は精密検査をすべきだという。
「インターネットでも『アムスラーチャート』と検索すれば図が出てきます。家族や友人、同僚などと情報を共有して、手遅れを防げれば」と呼びかける。
一方、田村唯副院長は涙の治療が得意で、涙道内視鏡を用いた日帰り手術にも対応。涙目でぼやけて見えにくいといった症状を改善させる。
「目薬で様子を見ても治らないのであれば、手術を検討しましょう。悪化すると涙嚢炎になってしまい、時間も費用も余計にかかります」と田村副院長は話す。