【2019年5月号掲載】
【住所】札幌市中央区北10条西15丁目1‐4
【TEL】 011-618‐5566
【URL】http://muneyasu.sakura.ne.jp
涙、まぶた、緑内障および網膜硝子体の専門治療
▲竹田 宗泰院長
▲田村 唯副院長
網膜硝子体の治療では最近「抗VEGF薬」が加齢黄斑変性はもとより、糖尿病網膜症、網膜静脈閉鎖症、強度近視の治療に適用拡大され、眼底疾患も薬物治療の時代となった。
確かに抗VEGF薬は即効性があるが、再発が避けられないという欠点もある。疾患(糖尿病網膜症や網膜静脈閉鎖症)によっては、1年以上にわたり繰り返し、眼球注射が必要で、また治療費も高額(1回当たり薬価が12万円以上)だ。同院では、病状に応じてレーザー治療や硝子体手術を併用している。
「即効性だけで薬物治療に頼るのではなく、治療の選択肢を広げた診療を心がけている。患者さんは自分で判断できないことも多く、押しつけのインフォームド・コンセントにならないように謙虚な姿勢で臨んでいる」と竹田院長。
また造影剤を使わないOCT(光干渉断層計)網膜血管造影を同院では以前から使用している。
竹田院長は「造影剤による副作用の心配はなく、負担が少なくて検査が短時間で済み、頻繁に撮影できるメリットは大きい。しかし血管からのもれが検出できない欠点もあり、そのため蛍光眼底造影も併用している」という。
手術については、白内障および硝子体手術ですべて日帰り手術を実施し、無縫合の極小切開で創口が小さいため、社会復帰も早い。
そのほか同院は、涙やまぶた、緑内障の診断・治療にも力を入れている。涙の原因は、まぶたや逆さまつ毛、目の表面、涙道(涙の鼻までの抜け道)など、様々である。その原因を治療することで治るケースも少なくない。
治療は、涙道内視鏡を用いた涙の手術や眼瞼下垂(まぶたが下がる)、逆さまつ毛、結膜弛緩症(白目の表面がたるむ)、翼状片(黒目に白い膜が侵入する)の手術などを行っている。逆さまつ毛では、少量の場合には外来で永久脱毛を行うなど、個々人によって使い分けている。
またドライアイでは、点眼治療のほか、シリコンやコラーゲンのプラグ治療(涙の出口に栓をする)なども行い、涙のトータルケアを目指している。
緑内障は、最大の失明原因で早期発見・早期治療が大切である。緑内障は徐々に視野が狭くなる病気で、自分で気づいたときは手遅れになっていることも少なくない。今は早期に見つかれば、点眼治療で視野・視力を長持ちさせることが可能な場合も多い。
「点眼では効果が不十分だったり、点眼忘れが多く視野障害が進む人などには適時手術を行う必要がある。いずれにしても40歳をこえたら眼科で健診を」と田村副院長。
札幌医科大学卒。バスコム・バルマー眼研究所留学、札幌医科大学准教授、臨床教授、市立札幌病院眼科部長などを経て2010年4月開院。眼科光線力学的療法(PDT)研究会世話人、日本糖尿病眼学会理事、日本眼循環学会理事、日本眼科学会評議員を歴任。日本眼科学会専門医。眼科PDT認定医。
2003年岩手医大卒。日本眼科学会専門医、眼科光線力学的療法(PDT)認定医。日本涙道涙液学会、日本網膜硝子体学会、日本緑内障学会、日本眼瞼義眼床手術学会各会員。