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【大相撲】協会あいさつは異例の4分30秒…八角理事長「世の中に平安を呼び戻すことができるよう」2020年3月8日 20時53分
◇大相撲春場所初日(8日・エディオンアリーナ大阪)八角理事長は思いのたけを、そのまま言葉にしてみた。観客は誰もいない。テレビを通じて日本中、世界中の相撲ファンへ謝罪の気持ち、大相撲の存在意義、そして新型コロナウイルスへ一丸となって闘っていく強い姿勢を表明した。 言葉だけでなく形でも表す異例の「協会あいさつ」だった。三役以上の力士を土俵に従えて、十両の取組時間帯に行うのが通例だが、今回は「賜杯返還式」「優勝旗返還式」後に変更。42人の全幕内力士が土俵下に整列させ、時間にして4分30秒に及ぶ長い異例のあいさつだった。 「日本相撲協会は社会全体でコロナウイルス感染症の拡散を防いでいる状況を勘案し、何より大相撲を応援してくださる多くのファンのみなさまにご迷惑をかけることはできないと考え、大相撲3月場所を無観客で開催させていただくこととなりました」と無観客に至った理由を説明し、「大変なご迷惑とご心配をおかけすることとなりましたが、何とぞご理解賜りますよう、お願い申し上げます」と謝罪した。 それでも、テレビを通じて応援してくれる多くのファンがいる。理事長は「力士にとっても気持ちを整えるのは難しい非常に厳しい土俵となります」としたが、「全国各地の応援してくださっている郷土のみなさま、ファンの方々の歓声や声援を心に感じて、精いっぱい土俵を務め、テレビでご観戦のみなさまのご期待に応えるものと存じます」。理事長と思いが同じであれば、力士もファンの声を心で聞き取れるはずだ。 大相撲の目に見えない力を信じている。「古来から力士の四股は邪悪なものを土の下に押し込む力があると言われてきました。また、横綱の土俵入りは五穀豊穣(ほうじょう)と世の中の平安を祈願するために行われてきました。床山が髪を結い、呼び出しが柝を打ち行司が土俵を裁き、そして力士が四股を踏む」と大相撲は神事として存在する。「その一連の所作が人々に感動を与え、同時に大地を静め邪悪なものを押さえ込むものだと信じられてきました。こういった大相撲の持つ力が日本はもちろん、世界中の方々に勇気や感動を与え、世の中に平安を呼び戻すことができるよう協会員一同一丸となり15日間全力で努力する所存であります」。拍手を聞けないのはさびしいが理事長のメッセージに、ファンはテレビに向かって声援を送ってくれたはずだ。 PR情報
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