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サバイバル時に限らず水は命の次に重要なもの!
人間の体は約90%が水分でできています。人体を形成する細胞の約2/3が水分で、残りの1/3は血液やリンパ液、細胞間を潤滑する細胞間液です。生きるのに必要な栄養を血液が体の隅々まで運びますが、その血液も水がなければ存在しません。 腎臓では血液をろ過し、不要となった成分と水を膀胱へ送り出し、尿という形で体外に排出しています。そして水は体温調整をする上でも大変重要な働きをしています。
体内で水が不足すると体に変調をきたし、熱中症や脱水症状などといった症状が現れ、最悪の場合死亡します。そのため、水は命の次に大切なものと考えましょう。 サバイバル状況下では水の確保は予想以上に困難な場合が多いです。一見綺麗そうに見える水でも雑菌や寄生虫が存在していたり、化学物質で汚染されていることもあります。もちろん、泥水など不純物がある場合にはろ過や煮沸などを行わないと飲み水として利用する事は出来ません。
サバイバル時の飲み水の作り方・集め方を覚えよう!
サバイバル時の飲み水の作り方や集め方をいくつ知っていますか?川や海、泥水からろ過して飲み水を作る方法を知っているという方が多いのではないでしょうか。実は飲み水として使うことのできる水を集める方法は他にもあるんです。植物や空気中からも飲み水を作ることができます。 今回はサバイバル時に飲み水を集める方法を8つご紹介しますので、ぜひとも覚えて万が一の時に備えてくださいね!
サバイバル状況下で海水や雪を摂取しても大丈夫?
口に入れても大丈夫そうに思える海水や雪ですが、サバイバル状況下ではそのまま体内に入れてしまうのはあまりにも危険な方法です。はじめに海水と雪から飲み水を作る方法をご紹介しましょう。
海水は飲み水として使える?
海水をそのまま飲むのは自殺行為です。海水には大量の塩分が含まれています。海水を大量に飲んでしまうと、塩分を尿として排出しようとする働きが強くなり、喉が激しく乾いたり、過剰な塩分摂取で体内の細胞から水分がなくなり死亡してしまうなんてことも考えられます。
1/8.海水から飲み水を作る方法
この方法は道具を確保するのが大変そうですね。 1.火にかけることのできる大きな鍋か容器に海水を入れ、コップを中央に置く。この時海水の水面はコップより低くすること。 2.蓋の代わりに濡れたタオルを被せる。隙間なく湯気がもれないように被せるのがポイントです。 3.海水の入った鍋、または容器を火にかけます。 これは冷めた湯気がコップ内に水分となって溜まる方法です。出来上がった飲み水はなるべく空気に触れないよう容器に入れ、冷暗所で保存します。日持ちしないためその日のうちに使いきらなければなりません。
水分補給に雪を飲み水の代わりに摂取してもいい?
雪山や冬の北国でのサバイバル状況下での水分確保に、雪を食べるのが手っ取り早いと思う人が多いようです。しかしこれは体温の低下を招き、下痢などの原因にもなります。下痢になると水分も体外へ出てしまうために脱水症状に陥りやすくなるのです。 また雪を摂取したことで下がった体温を上げようと体が代謝を上げてしまうため、体力の消耗が大きくなり死亡する確率が高くなります。
2/8.雪から飲み水を作る方法
雪で水分を補給する場合は手や足で雪を温めて飲むか、火や燃料などがあるなら雪を溶かして暖めて飲むのが最善の方法です。雪を火にかけるときは湯気も大切な水分になるので、できることなら蓋をして温めましょう。
サバイバル時に川の水を飲んでも大丈夫?
川や湖、池の水はそこに生息している水棲生物によって飲み水として使えるかの判断をします。 1.ザリガニやエビなどが生息している:この場合は1級河川なのでそのまま飲んでも大丈夫な場合が多いです。 2.昆虫の幼虫が生息している:2級河川。飲み水として使う場合はろ過や煮沸などをする必要がある。 3.カワニナ(巻貝の1種)やヒル、タニシやカタツムリが生息している:3級河川。沈殿やろ過、煮沸などといった方法でも飲めない。飲み水にするには科学的処置が必要。 トンボやガ、ボウフラなどのいる河川や池・沼は3級以下の河川となるので飲み水として使うことは無理だと判断した方が良いでしょう。
3/8.泥水や川・池の水から飲み水を作る方法
泥水や川、池の水をろ過をして煮沸する簡単な作り方です。 この方法ではペットボトルと、蓋に穴をあける道具やろ過に必要な砂利やバンダナと言った道具を使います。 1.ペットボトルの底を切り、ふたに穴をあけ逆さに吊るす。 2.吊るしたペットボトルに小石を入れ次に木炭(もしくはたき火の燃え残った物)を入れ、砂または小砂利、丸めたバンダナかハンカチを入れます。(最初に入れた小石が一番下、蓋がわになります) 3.泥水や川、池などの水を入れます。 4.ろ過され溜まった水を10分煮沸したものを飲み水にします。
4/8.水たまりや川・池などのそばで水を集める方法
この飲み水の作り方も割と簡単ですが、元となる水源がそれなりに大きくないと難しいかもしれません。 大きな水たまりや川・池などの近くで穴を掘ります。穴を掘り進めていくと地下から水が湧き出してきます。この水は最初は濁っていますが、時間が経つと澄んでくるので澄んだ水を飲み水に使います。源流となる水源の状況によっては煮沸やろ過が必要ですし、最悪汚染がひどければ飲むことができないということは頭に入れておきましょう。
サバイバル時に植物から飲み水を作る方法
意外なことに、植物からも飲み水を集めることができます。しかしこの方法は若干時間がかかるのがネックです。ここでは基本的な植物から飲み水を集める方法をご紹介します。時と場合によってはこの方法を応用することもできるかもしれませんね。
5/8.青草から飲み水を集める
この方法は天気の良い日に行う必要がありますが、必要な道具はビニール袋と青草だけなのでとても簡単です。 青々と元気のある草をビニール袋に入れ、太陽の光の下に青草の入ったビニール袋を置くだけなんです。放置しておくだけで袋の中に青草から蒸発した水分がたまります。
6/8.青竹から飲み水を集める
実は青竹からも飲み水を集めることができるんです。しかしこの方法、青竹を切ったり、固定しなければいけないので、刃物やロープなどが必要になります。 1.青竹の先端を大きく曲げ、固定する。 2.青竹の先端を切り落とし、その先に集めた水を入れるための容器を置く。 3.夜間、青竹を伝って真水が容器に落ち、朝になるとたまっている。 とても簡単そうですが、青竹を固定する必要があるのでかなり力がいるかもしれませんね。
自然現象を利用して飲み水を集める
近くに川や湖がない、青草や青竹がないと言った場合でも自然現象を利用して飲み水を集めることができます。時間がかかる方法ですが、この方法で集めた水は真水なのでそのまま飲む事が出来ます。
7/8.朝露や雨水を集める方法
晴れた日の朝や霧のかかった朝など、草に朝露がついているのを見たことがあるでしょうか。この朝露も飲み水として使うことができるんです。集め方はとっても簡単。ひざ下に綺麗なタオル(多少汚れていてもOK)を巻いて、朝露の付いた草の中を歩くだけ。朝露で湿ったタオルを絞れば水が集まります。大人なら30分ほど歩くだけで約500mlはたまります。 雨が降りそうなら大き目の容器を用意して雨水を集める方法もあります。よほどのことがない限り雨水は飲み水として使えますが、不安なら煮沸を。
8/8.朝晩の気温差を利用する
この方法は地面に穴を掘るため手間と労力がかかりますが、真水を集めることができます。 1.直系約90センチ、深さ約45センチほどの穴を掘ります。穴の真ん中に水を集めるための容器を置きます。 2.穴全体にシートをかけます。この時シートがずり落ちたり風で飛ばされないよう石などでしっかり固定しますが、真ん中を少し垂らすためにシートの真ん中にも石など重さのあるものを乗せます。 これで太陽の熱でシートの下が温まり、シート内で水分が飽和状態になることでシートを伝って水が容器に落ちるといった仕組みになっています。
応用パターンとして海水や尿を入れた蓋つき容器からチューブを出し、蓋つきの水をためる容器に差し込むことで太陽の熱で海水や尿が蒸留され真水がたまります。この時海水から出た塩はそのまま使うことができます。
万が一の時のために、水の作り方は覚えよう!
いかがだったでしょうか。今回は震災や事故などにあってサバイバル状況になった時の飲み水の作り方・集め方についてお話しました。自分は大丈夫、と思っていても自然災害や事故などは予測できないものです。生き残るためにも命の次に大切な飲み水の確保の方法はしっかり覚えておきたいものですね。