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（にぎやかな声）
（八郎）ごめん　ごめん　ごめん。（武志）負けんで…！違うよ　それ…。（八郎）こうか？
あかん！　痛い…。
もうあかん　腰痛い…。
いくよ。　ほっ！上手やん。
いけ！あ～！アホ～！
何をしとんねん。
（八郎）笑てるな。（武志）笑てるわ。
（八郎）笑てるな…　笑てるやんか！
（百合子）帰るでえ。はい。　ほら　お礼　言うて。
（桜）お年玉ありがとうございました！（桃）ありがとうございました！
はい。（百合子）ほんま　ありがとう。
来年は　負けへんでえ。（桜　桃）キャ～！
あっ　ちょ…　待ちぃ！ごちそうさま！
（喜美子）ああ　気ぃ付けてや。またな。
何ちゅう顔してんねん。（八郎）ほんまや武志　何ちゅう顔しとんねん。
（武志）お父ちゃんもや。えっ？
フフフッ。何を笑とんねん。
♪～
♪「涙が降れば　きっと消えてしまう」
♪「揺らぐ残り火　どうかここにいて」
♪「私を創る　出会いもサヨナラも」
♪～
♪「日々　恋をして胸を焦がしたい」
♪「いたずらな空にも悔やんでいられない」
♪「ほら　笑うのよ赤い太陽のように」
♪「いつの日も雨に負けるもんか」
♪「今日の日も　涙に負けるもんか」
♪～
♪「やさしい風に吹かれて」
♪「炎は再び舞い上がる」
お父ちゃんにはな病院行ったこと言うてないで。うん。
心配かけるしな…。
お母ちゃんな　車の免許取ろう思うねん。
ええ！？今年の目標や。　１００個あるうちの１個や。
１００個もあんのん。免許あると便利やろ。
でも　車がないやん。買うわ。
本気なんや…。
車　欲しい思わへん？う～ん…。
そら　あったら便利やけどな？そやろ？
でも　お母ちゃんが免許取れるんやろか。
頑張って取るよ。
誰を乗せるん。
雨の日とかな武志のこと送ってやれるやん。
どこに送るん　送らんでええよ。
武志は　何なん？　今年の目標。目標なあ…。
１００個作り。１００個も？
目標は　いっぱい作っとけ。まあ　考えとくわ。
（戸が閉まる音）
　回想　（大崎）僕は　患者さんに本当のことを伝えたいと思っています。
病名の告知をするということです。
♪～
（八郎）あ～。ああ…　あかん…。
惜しいなあ。惜しいことないわ。
なあ　お父ちゃんやってぇや。ええ？
ええやん　やってぇや。いやいや　いやいやお父ちゃん　何年もやってへんねん。何で　ええやん。　やって…。
武志がやらな　練習なれへんやろ…。あれ　終わってしもうた？
うん　ありがとう。
武志　ここ　置いとくな。うん　ありがとう。
なあ　お母ちゃんな今年の目標　１００個あんねんて。
言わんでええ。そのうちの１個がな…。
いちいち言わんでええねん　もう。
武志は　修了したら　どないすんの？研究所？
うん。　この３月で修了やろ。
うん…。どないするか考えてんのか。
掛井先生がな　陶芸家としてやっていけるようになるまで素地屋さんやったら　どうや言われてん。ああ　素地屋な。
おんなじ皿　おんなじ茶わんを　何百個と上手に作らんとあかん　それも手早くな。
できる。できるか？今の感じやったら　まだまだやで。
え…　そんなことないわ。
毎日　ろくろの前　座りぃ。
ここ来たらええやん。
かわはら工房？うん。　もう　いっそのことアパート引き払て　もう　ここ戻ってこい。家賃いらんで。
え～　それはないわ。せやなあ　せっかく一人で頑張ってんのに。
ほや！　甘やかしたらあかんで。
（八郎）ごはんも一人で作れるしな。
この前な　たこ焼き作ったった。ああ。
えっ　誰に？うまかったやろ。
紅しょうが入れ過ぎや。　フフフッ。アパート行ったん？
おう。信作叔父さんとな。
お母ちゃん　行くぅ言うたら来んでええ言うたやん！
男はええねん。何や　それ。
（八郎）しっかりやってたでえ洗濯もんも取り込んでなパパ～ッと要領よく畳んでたわ。今度行ったる。
来んでええよ。絶対　行ったるからな。
女性は立ち入り禁止ですぅ。
あいにく　お母ちゃんはな　女性やない。
ほ…　ほや　何なん。
お母ちゃんは　お母ちゃんいう生き物や。
何や　それ。（笑い声）
あっ　やるん？
う～ん？
お父ちゃんがやってるとこ見たことないし見てみたい。
（八郎）ないことないやろ覚えてへんだけちゃうか。
う～ん…　覚えてるんは…ほや　お母ちゃんが　ここに座っててで　何や　作っててん。
それをなず～っと　こうやって待っててん。
あれ　何やったっけ？
あっ！
　回想　・（武志）お母ちゃ～ん！
ちょっと待ってな。（武志）うん。
（三津）座って待ってよ。ありがとう。
♪～
靴下をな　繕っててん。それを　こうやって見せてきて…。
うまいことできてへんいうて叱られた。
もう　お母ちゃん　ずるいわ。何が　ずるい。
「お母ちゃんが武志のことどう思てるか知ってるか」言うからな「知ってる　好きや」言うたら「好きちゃうわ！」…。
（３人）「大好きや！」。
（笑い声）
♪～
おお…。
はあ…。
さすがやなあずっとやってへん言うてたのに。
久しぶりやで　ほんまに。
手ぇが覚えてんねんな。　すごいな…。ええ？
うまいなあ…。褒められた。　ハハッ。
ほやけど　お母ちゃんのとはまた　ちょっと違うな。
（八郎）う～ん　人によって癖っちゅうもんがあるからなあ。
でも　お母ちゃんはお父ちゃんに教わったんのやろ。
うん。武志は　お母ちゃんから教わったやろ。
うん　高校入ってすぐにな。どやった。
う～ん…　何か　俺は…こう…　ウ～いう感じやった。
ウ～？　ハハッ。
何かな　何て言うんやろ…何て言ったらええんやろな。
すぐには　できひんですぐには　うまいことできひん。
けど　ちょっとでも　うまいこといったら手ぇがな　この手ぇがな何か　魔法使えるような気がしてそれが面白うて　面白うて…。
何時間もやってたなあ。うん。お母ちゃんにな　教えてもろたんや。
「近道はないで。あっても近道はお勧めせえへん。なるべく時間をかけて歩いた方が力がつく。歩く力は　大変な道の方が　ようつく」て。
深野先生の言葉やな。うん。
決めたで。
今年の目標の１個目。
俺は　大変な道を歩く。
ええなぁ。
「ええなぁ」ちゃうやろ。
（３人）「ええよぉ」や。（笑い声）
（八郎）ここな　スタートはな　ここや。
こう。　そっから　ゆっくり左で　しっかり支えてな。
離すで。うん。
そう　そう　そうそっから持っていってもええしな。
右手　上　左手　下…。
いき過ぎたら　あかんで。
これが　そや。見たい言うてたやろ。
（武志）フカ先生の？（八郎）うん。　これ見てええなあ思てな。ほう～　きれいやな。
うん。　こういう色を出したい思てなあ…。
釉薬で？まあ　色いうか　こういうイメージな。
イメージ…。うん。
なかなか難しいて…うまいこといけへんかった。
（武志）大事にしてたんやなあ。
うん。ありがとう　見せてくれて。
あっ！えっ？もっかい見せて。
フフッ　ええよ。
ありがとう。武志。
今週もアルバイト？ああ。
いつやったら　いんのん？アパート行きたいねんけど。
えっ…。行く言うたやん。
武志のたこ焼き食べたいねんけど。
え…　え～。紅しょうが少なめでな。
ほな　来週行くで　頼むでえ。
いや～　あ…　ああ…。
♪～