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あの「自分ツッコミくま」がマンガになった! くまのしあわせ食べ歩き
SNSやLINEスタンプで大人気の「自分ツッコミくま」が、何気ない日常の中で美味しいものを食レポする『MOGUMOGU食べ歩きくま』となって登場!
正直、この食べ歩きくま、絵が下手な私でもマネして描けそうな、かなりゆる~いキャラなのですが、なかなかどうして侮(あなど)れません。というのも、どこへでも1人で出かけ、1人メシを目一杯、楽しんでいるからです。
私が一番、感動したのは、横浜中華街の食べ放題に1人で行ってしまうところ。
中華料理は大勢でシェアしたほうが色々と食べられるし、バイキングと違って1皿ずつ出て来る食べ放題に1人で行くなんて!! しかも周りから、友達のいない寂しい人という視線を浴びたはずなのです。
ええ、わかります。私も横浜中華街の食べ放題に1人で行ったので……。でも、食べてみたかったんですよ、自分の好きなものを好きなだけ、人に合わせたり気を遣ったりせず。さすがにいくら好物といえども、食べ歩きくまのようにお腹がふくれるチャーシューまんから食べ始めたりしませんが(笑)。
でも、このオーダーの仕方は正解だったのだろうか、これを止めてあっちにしておけば、もう1皿イケたのにと、食後に1人反省会をしてしまう私と同様、敗北感に涙する食べ歩きくまに激しく共感!! 芽生える仲間意識!! 思わず、“同士よ”と言いたくなってしまいました。
ほかにも、上野や浅草に1人で出没するところも、食べ物に釣られて台湾に行ってしまうところも一緒。さらに、旅先で同じメニューばかり頼んでしまうところも。
食べ歩きくまの台湾旅行では、大好物の魯肉飯(ルーローハン=甘辛の豚肉煮込み丼)を3回も食べていましたが、私もロンドンに行ったときは、フィッシュ&チップスばかり食べていました。きっと、これよりももっと美味しいフィッシュ&チップスがあるに違いないと、究極の味をひたすら追い求めて。正直、塩こしょうの下味すら付いていないものが多く、断然、日本で食べた方が美味しいとわかりましたが……。
色々と似た部分がある食べ歩きくまに、かなり親近感を覚える私ですが、さすがにこれは経験したことがないぞというものもありました。
それは年に数回、近場のスパに泊るという儀式。
1人温泉旅行なら私も経験がありますが、家が近いのにわざわざ泊まるなんてもったいないと思ってしまうわけです。そもそもスパに美味しいものを求めていないし。
ところが食べ歩きくまは、風呂に入る前にいきなりキンキンに冷えた生ビールとだし巻き卵、煮込みハンバーグを注文。まるで、おっさんです。
でも、これはわかる。風呂に入る前の生ビールはわかる。
しかし、岩盤浴後のクリームあんみつって……。
ここはまず、生ビールでしょ、ベスト・オブ・生ビールのチャンスを捨ててまで、クリームあんみつに走る意味がわからない。そもそも、そんなに美味しいか? クリームあんみつ! 言っちゃなんだが、これは完全にオバさんのし好物でしょ、と思うわけです。
実はクリームあんみつは私の母の大好物で、特に好きでもないのにデパートの食堂でよくクリームあんみつを食べた記憶があるので。
でも、求肥(ぎゅうひ)や寒天にしがみつく食べ歩きくまに、私が間違っていたのか? 私が気づいてないだけなのか? と思ってしまいました。
もう1つ、食べ歩きくまって凄いなぁと思ったのは、上野動物園にも1人で行ってしまうところ。
ある意味、家族連れ、カップル御用達の上野動物園に、単身乗り込むだけでもハードルが高いのに、食堂でパンダちゃんホットケーキとカルピスを頼み、ミートソースまで追加するなんて、どれだけ自由なんだ!
それでも、どこに行っても目一杯楽しんでいる食べ歩きくまを見ていたら、「人生、楽しんだもん勝ち。それには自分の好きなものを好きなように食べろ?」と背中を押されたような気がしまいました。
暖かくなったら、たとえ1人だったとしても上野動物園に行ってみよう。そのときは、食べ歩きくまが満腹で断念した、みはしのクリームあんみつを食べるぞ~と今から楽しみにしている自分がいます。
そういえば、大人になってから甘味処でクリームあんみつを食べたことがないので、これは私にとって、ノスタルジックに浸れるイベントになるはずです。
たとえありきたりの日々でも、いつも食べている普通の食べ物でも、自ら積極的に楽しんで食べれば、毎日がこんなにワクワクするんだなと、食べ歩きくまに教えられた気がしました。
- 電子あり
自分ツッコミくまがおいしいものを食べにいろんなところを旅します。読むとお腹が減ってどこかに行きたくなる、オールカラーのイラストエッセイ!
「週刊Dモーニング」で大反響を呼んだ連載が、待望の単行本になりました!
SNSでフォロワー20万人以上、LINEスタンプも大人気のクリエイター・ナガノ氏初となる、オリジナルコミックです。この本を片手に、くまと一緒に食べ歩きしよう!
レビュアー
「関口宏の東京フレンドパーク2」「王様のブランチ」など、バラエティ、ドキュメンタリー、情報番組など多数の番組に放送作家として携わり、ライターとしても雑誌等に執筆。今までにインタビューした有名人は1500人以上。また、京都造形芸術大学非常勤講師として「脚本制作」「ストーリー制作」を担当。東京都千代田区、豊島区、埼玉県志木市主催「小説講座」「コラム講座」講師。雑誌『公募ガイド』「超初心者向け小説講座」(通信教育)講師。現在も、九段生涯学習館で小説サークルを主宰。
公式HPはこちら⇒www.jplanet.jp
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