皆さんが納得するか不安(´;ω;`)
「フフッ、後少し。シャルティアを筆頭に殺生石さえあればフレイヤなど怖れるに足りん」
イシュタルは儀式の条件に必要な満月を見ながら優越感に浸っていた。
「貴様がイシュタルか?勝手に私の部下を連れていくとは良い度胸じゃないか?覚悟はできているのだろうな?」
誰も居ない筈の部屋に突如現れた全身鎧の二人組の男女にイシュタルは先程のは余裕は消え、警戒心を露にする。
「お前達が【
少し嬉しそうなアルベドを無視し、アインズはそうだ、と返答した。イシュタルはその官能的な美貌を見せながらモモンを誘惑する。
「私の
その言葉に先程とは一変してアルベドは容赦ない殺気を放った。
「なめた口を開くなよ、このアバズレがあぁぁーーー!」
アルベドが先に切れたため、アインズは怒るタイミングを失った。
「ヒィ!シャ、シャルティアァーー!」
イシュタルの悲鳴に虚ろな表情のシャルティアが壁を破って現れた。
「シャルティア───」
「シャルティア、アインズ様に逆らうなど不敬よ」
「フッ、無駄だ。シャルティアは私が完全に魅了している。すぐにお前達も私の虜になるさ」
「クソガァアァァァーーー!!!」
アインズの怒りが頂点に達した。
「貴様はただでは殺さん。一思いに死ねると思うなよ!!!」
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オラリオのとある一角───
守護者達は最後の確認をしていた。彼らの手には一人一つずつ
「───では皆さん、アインズ様の事を頼みましたよ」
「デミウルゴスニ言ワレナクテモ分カッテイル」
「は、はい。ちゃんとアインズ様を守ります」
「全くシャルティアのやつ。アインズ様に歯向かうなんて何考えてんだか」
「所でデミウルゴス様、あなたはどうするのですか?」
デミウルゴスは含んだ笑みを浮かべ、楽しそうに答えた。
「もちろん、アインズ様の為にお仕えするのですよ」
デミウルゴスのすることに一抹の不安を感じていた。しかし、アインズ様から今回の指揮を一任された以上、デミウルゴスを問いただす訳にはいかない。お願いします、とだけ伝えセバス達はアインズの下へ向かった。
セバス達がシャルティアを止める為に向かった後、デミウルゴスに声を掛ける者が現れた。
「よく来てもらえました」
「それはもちろん我が主、ん~~アインズ様の為と聞いたら飛んできますとも」
「ありがとうございます。では計画通りに」
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ロキ・ファミリアのホーム『黄昏の舘』
「フィン、指示を頼む」
「分かった。ガレスはロキを含めホームの守護を頼む。アイズ達は各自の判断で掃討してくれ。Lv.3以下の者達は三人一組のチームを作り住民達の保護を中心に行動してくれ。リヴェリア、君は少しこの状況の確認したい、手伝ってくれ」
ロキ・ファミリアの団長フィンの号令により一斉に動き出す。特にアイズを含めた上級冒険者は既に何匹ものモンスターを倒し街に駆けて行った。
ロキ・ファミリアの幹部、ベート・ローガがモンスターを蹴り飛ばすと反動で小屋に穴が開いた。
「チッ、雑魚が!弱い癖に数だけはいやがる」
「ちょっとベート、あんまり街壊したら後で叱られるよ」
「っうるせぇ、おめぇらに言われたくねぇよ、バカゾネス」
「はあぁ?いつ私が壊したのよ!ねぇ、アイズ」
一人黙々とモンスターを切り続けるアイズは違和感に気付いた。
「───モンスターが強くなってる?」
「はぁぁ、アイズ!こいつらのどこが強いんだよ」
ベートがモンスターを蹴り飛ばす中、確実にアイズ達を襲うモンスターの種類が変わってきた。一振りで倒したモンスターが二振りになり、次第に自分達が探索する深層のダンジョンに近いレベルになっている。
「ねぇ、こんなやつらが相手じゃ他の冒険者はすぐ死んじゃうよ」
しかし、遠くで戦っている冒険者達は先程ベートが雑魚と言っていたモンスターと奮戦をしていた。
「いったいどういうことだ?」
「足止め?」
ベートの問いにアイズが答える。すぐに団長に知らせるべきだと考えるが、やはりモンスターに阻まれ足止めくらった。
「フィンの言う通りだったよ。モンスターは無作為に動いている訳じゃないようだ。あいつらの目的は冒険者の足止めだ」
右手の親指を舐めながらリヴェリアの報告を聞いたフィンはこの騒動の目的とモンスターを操る犯人を考えながら次に起こる行動を予測するのだった。
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「シャルティア!こいつらを足止めしろ!」
イシュタルの言葉にスポイトランスを装備し一瞬でアインズとの間を詰めた。
しかし、シャルティアの姿はそこで突然消えた。残ったのはモモンとアルベドだけだ。
「何をした?」
「私がそれを一々説明するほど愚かだと思っているのか?貴様はシャルティアを洗脳しただけでなく、一瞬でも私に刃を向けさせたのだぞ!────ふぅ、いかんな。直ぐに感情が抑制されてしまう」
「くそっ、タンムズ!」
「こいつもお前に操られているのか。憐れだな」
アルベドがタンムズの頭を掴み床に叩きつける。床にヒビが入り、さらに突き抜けて階下に落ちていった。一瞬で自分の側近が潰されたことに恐怖を感じる。
「そ、そうだ!私を抱かせてやろう」
モモンに一歩ずつ近づくイシュタルにアルベドが動こうとするが、モモンは手で制止させた。
服を脱ぎながら近づくイシュタルは不動のままのモモンに魅了の効果を確信する。
「フフッ、そうだ。私を抱けばお前はもう私の虜だ」
ゆっくりと腕を回すモモンはイシュタルの体を包んだ。勝った、そう確信するイシュタルだがモモンはさらに強く抱き締める。
「お、オイッ、苦しいでは無いか。お前は女を抱いたことがないのか?」
何気にアインズを傷付ける言葉を発するが、モモンはさらに強く抱き締める。あまりの圧力に息すらも苦しくなってくる。
「ッ、オイッ・・・き、さま」
尚も強くなる圧力にイシュタルはモモンを力の限り叩き、暴れまわる。背の高いモモンにより抱き上げられる形となっているため、足を使って蹴るが腕以外は一向に不動のままだ。イシュタルは魅了が効いていないことに戸惑う。
「そろそろネタばらしといくか」
沈黙を解いたモモンは変装を解き、アンデッドの姿を現した。
「や、は・・・り」
「お前も気付いていたか?まあ良い。もし私にも魅了が効くなら超遠距離から一撃で頭を吹き飛ばすしかないかと考えていたが、効かなくて良かったよ」
アインズは右手を上げどこかへ合図を送る。片手が空き、イシュタルは逃げようとするが相変わらず身動きは取れなかった。
「そう簡単に天界に逃がすと思うなよ」
窪んだ髑髏の目に浮かぶ紅い光がギラリと強く輝く。
「死の抱擁か、貴様らしい最後じゃないか」
尚も強くなる圧力にもはや言葉すらでない。ゆっくりと時間をかけ潰されるイシュタルは最後にフレイヤのいる
何故こんなことになったのか、と。そしてその直後、一気に潰されたイシュタルは口から血を吐き出し、アインズの足元に解放された。
致命傷を受けたイシュタルは死ぬまいと『
その光景を目にしながら、これでシャルティアも解放されただろうと安堵する。
「ではシャルティアを迎えに行くぞ!」
再びモモンの姿に戻り、シャルティアの所に行こうとしたが、アルベドの返事がない。
「どうした、アルベド?───アルベドッ!?」
アルベドは立ったまま気絶をしていた。
次はデミウルゴス達のターンの予定(*´ω`*)