普段から睡眠はよく取れていますか?
自分は眠れているという方は、寝る時に「落ちるように眠る=墜落睡眠」するほど寝入りがよいと自負されている方も多いのではないでしょうか。
ところがこの墜落睡眠、じつは体に何らかの問題を抱えているために起こっていることも。あたかも気絶したように眠りに落ちる睡眠は、生活習慣の見直しが必要になっていきます。
この記事では“気絶”や“落ちるように眠る睡眠”について、また眠ることとは異なる“気絶”についてなどを詳しく説明していきます。
「すぐ寝る」=「気絶」と同じ?
朝起きたとき、下記のような状態になっていませんか?
- 頭がボーッとする
- 手足がしびれている
- スッキリした感じがしない
- 寝てから何回か目が覚める
- あくびが何度もでる
- 起きてから2~4時間くらいまたは午前中にひどく眠気が襲う
などの症状がある場合には、布団に入って眠りについても何かしらの原因で熟睡できていないことが……。熟睡できていない=睡眠不足なので寝る際もすぐ眠れるのですが、それは気絶しているのと同じ状態で慢性的な睡眠不足から起こっていると考えられます。
健康な人だと布団に入ってから10~20分程度で眠りにつく
一般的に健康な人であれば、布団に入ってから、すぐには入眠できないのではないでしょうか。
脳が起床時の興奮からやがて自然な眠りに入っていく、10~20分は入眠までに時間がかかるとされています。
すぐ寝入ってしまうのは睡眠不足の可能性がある
枕に頭を付けたらすぐに眠れる方は、疲れている・慢性の睡眠不足の可能性があります。睡眠不足の原因には、さまざまな疾患が隠れている場合があるので注意が必要です。
睡眠とは違う「気絶」とは?
気絶というと、ショックを受けた時、何か病気にかかった時だけに起こるものだと思われがちですが、日常生活の中でも起こります。
では気絶とはどんな状態なのでしょうか。
一時的に意識障害が起きている
“気絶”とは、一時的に脳の血流が阻害されて、意識障害が起こっている状態。
脳の血流障害により、突然意識を失ってしまうことが特徴です。気絶すると、意識障害が起こりますがその後、すぐに回復するのが特徴です。そして後遺症が残ることもありません。
呼びかけても起きない状態
気絶状態は、脳が血流低下を起こしているため、呼びかけても声は届かず、起きてくることもありません。
一時的な意識消失をしているので、本人も気絶したことを覚えていません。通常、気絶が起こる前には、目の前が真っ暗になる感じや、目眩、悪心等が起こることが多く、気絶する前は、顔面蒼白になることもあります。
入浴中に寝て、溺死する場合も…
気絶した本人は意識がないので、こちらから起こそうと思って刺激を与えても起きることができない状態です。
もし万が一、入浴中に気絶が起こってしまうと、そのまま湯船に沈んでしまい、気が付かないまま溺死してしまう事故につながることもあります。
特に高齢者の方は血圧の変動などに注意して入浴することが重要。アルコールを飲んでから入浴することも危険。日本でも入浴中の事故が多くなっていいます。
気絶の原因を知って改善しよう
どうして気絶するほど寝てしまうのか、原因がわかれば対処も可能。気絶しやすくなる条件は、大きく分けて次の3つがあります。
生活を見直す(食事、ストレス、運動など)
気絶するほど眠ってしまうのは、脳血管に血流がいかない生活を送っているから。
食生活
ドロドロの血液は、毛細血管を詰まらせてしまい、血流を悪くします。また喫煙やストレス過多になると、血管が詰まる率はさらにアップします。そうならない為には、普段から血液をサラサラにする効果が期待できる豆腐、納豆、青魚、甲殻類、貝、豚肉、海藻などを摂取することが大切です。
運動する習慣
運動不足では、なかなか安眠にはつながりません。運動すると血液循環もよくなり、ストレスも解消できるため、安眠を心がける方には非常におすすめです。
ストレス過多
普段からストレスが多い方は、抗酸化作用の強いビタミンCをたっぷり摂取することも大切。
生活習慣を見直すことが、安眠の第一歩です。
早めに寝る
慢性的な寝不足の場合、昼間に強い眠気が襲います。夜に仕事を終えて寝ようと思った時には、ヘトヘトになり気絶するように眠ってしまうことに。
特にスマホやPCから発せられるブルーライトを夜遅くまで身体が浴びていると、脳が覚醒してしまい、寝付けなくなります。
成長ホルモンと睡眠
就寝後に分泌される成長ホルモンは22時頃から活発になりますので、成長期のお子さんは、22時から深夜2時の時間帯には眠っている状態にしましょう。
つまり、この時間に寝ているためには、早めに床にいないといけないことになります。
病気の可能性も
気絶するような睡眠になる原因は病気が原因の場合も。
- 脳血管性神経の機能障害による認知症
- うつ病
- 睡眠時無呼吸症候群
- 血管迷走神経反射性失神血流
- 起立性失神
- 心血管性失神
- 薬剤性失神
上記に挙げた疾患を持っている可能性もあります。どの疾患も脳の血流が障害されて失神が起こるものが多いです。
うつ病も?
うつ病も単に気分がふさぎがちになるだけでなく、血流障害で脳の委縮が見られる場合もあります。また、うつの治療薬や睡眠薬を飲んでいるので気絶するような睡眠になることが多いです。
睡眠時無呼吸症候群
日中強い眠気が襲ってきて、日常生活が困難になる病気が“睡眠時無呼吸症候群”です。
この疾患では、患者さんご自身は寝ていると思っているのに、実際は睡眠時に呼吸が止まって深い睡眠がとれない状態になっているので、「いくら寝ても眠い」ことが特徴。
慢性的に睡眠不足になっているのに、その原因に本人が気付かないので、治療が遅れることがあります。
血管迷走神経反射性失神血流
血管迷走神経反射性失神血流の場合は、なんらかの原因で脳の血流が低下することで起こります。
強い痛み、排便する時、咳き込みが止まらないといったちょっとした原因から、血流・血圧が低下して一過性の失神が起こってしまいます。
上記にあげた疾患以外の病気の可能性もあるので、心配なときは病院に行き、専門家である医師に受診・相談してくださいね。
ゆっくりと眠りに入ろう
すぐ寝るのは気絶状態と一緒だと説明してきましたが、疲れ果てていたり、自分では気が付かない病気のサインだったりと素人では判断できないこともあります。
安眠を求めるなら、まずは基本的な生活習慣から改善し、それでも改善しなければ、病気の可能性もあるので、医療機関で診察してもらうようにしてください。