新潟県知事選挙、自公支持の花角英世氏が接戦を制す。明暗を分けたのは「新潟のことは新潟で決める」

１０日投開票の新潟県知事選は、事実上の与野党一騎打ちの戦いを花角候補を支持する与党候補が制した。昨年の衆院選の2勝4敗など新潟県の大型選挙で敗北を重ねてきた与党にとって、大きな意味を持つ一勝となった。
平成２８年１０月の前回知事選も事実上、与野党一騎打ちの構図。元長岡市長を擁立した与党は、共産、自由、社民の野党３党が推薦した米山隆一前知事の前に屈した。
平成２８年７月の参院選（改選数１）でも、野党共闘候補で無所属の元職、森裕子氏＝民進、共産、社民、生活推薦＝にわずか約２千票差で競り負け、返り咲きでの３選を許した。
新潟県知事選確定得票数
当　５４６，６７０　　花角　英世＜１＞無新＝［自］［公］
５０９，５６８　　池田千賀子　　　無新＝［立］［国］［共］［由］［社］
４５，６２８　　安中　　聡　　　無新

花角氏支持の与党議員の発言

・自民党の二階俊博幹事長「際どい差だったが、勝利を収めることができた。油断することなく、今後の政権運営に全力を尽くしたい」と述べ、安倍晋三首相の総裁３選について、「いい風が吹いてきたということを判断して間違いない」

・公明党の斉藤鉄夫選挙対策委員長は「今回の選挙は、県民の生活や経済、地域の活性化が最大の争点だったと思っているので、直接、国政に影響を与えるとか、安倍政権が信任されたというものではないと思っている。ただ、ここまで厳しい選挙になり、まさに、国政への逆風や非常に厳しい風を感じた」

池田氏支持の野党議員の発言

・共産党の志位委員長「当選に及ばなかったものの、大健闘の結果となった。野党５党などがそろって池田氏の推薦を決め、心ひとつにたたかったことは今後につながる大きな財産をつくった。全国でも、市民と野党の共闘をさらに発展させるために全力をあげる決意だ」

・長妻昭代表代行「中央と地方の政治は全く別だ。安倍政権が『不祥事のみそぎが済んだ』と言うならば、とんでもない」

・衆院会派「無所属の会」の岡田克也代表「自公政権に対する国民の不信、怒りの声を多数いただきながら、その声を結果につなげられなかったことは大変残念だ」
「政権与党が全力で組織戦を展開するなか、草の根の選挙で戦った候補が接戦となったことは、野党が結束して戦うことで政権与党への大きな対抗力となり得ることを改めて示した」「無所属の会が果たすべき役割は小さくない。残された終盤国会においても、野党の連携・協力のもと安倍晋三政権に徹底論戦を挑む」

・国民民主党の大島敦選挙対策委員長「一丸となって取り組んできた選挙。私たちの努力が報われなかったことに対する責任は極めて重い」

・立憲民主党の近藤選挙対策委員長は「原発再稼働や原発政策の推進に反対する数多くの県民の意思が表明されており、県民の意思に沿った行政が進められるよう注視していきたい。森友学園や加計学園の問題に見られる公文書改ざんや虚偽答弁など、国民の不信感を増幅させた安倍政権への批判の声は今回の投票でも示された」

・自由党の小沢代表「惜敗は誠に残念だ。しかし、この国の未来を考えた場合、『脱原発』を含めた主張は全く正しいもので、引き続き、粘り強く国民に訴えていきたい。また、国家権力を乱用、私物化し、この国の民主主義や行政を破壊しながら暴走を続けている安倍政権と徹底的に闘っていきたい」

・社民党の吉川幹事長「相手候補は、原発の再稼働について、巧妙に争点をそらし、政権・与党とのパイプを強調して水面下で総力戦を展開した。今後も『脱原発社会』の実現に全力をあげ、安倍政権の早期退陣を強く求めるとともに、来年の参議院選挙に向けて、野党共闘態勢の推進に取り組む」

「ふるさと新潟を元気で暮らしやすい県にすることを約束する」

当選した花角英世氏は「選挙戦の途中、折れそうなときもあったが、なんとかゴールできた。当選を確実にさせていただいたので、選挙中に約束してきたことの実現に向けてしっかりと取り組んでいきたい。ふるさと新潟を元気で、暮らしやすい県にすることを約束する」と述べました。https://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20180610/1030003456.html

「新潟のことは新潟で決める」を貫いた花角陣営に軍配が上がった。

今回の選挙を振り返って私が思った事は、「新潟のことは新潟で決める」このキャッチフレーズが野党応援団からしきりに聞こえました。
当選した花角氏は自民党の推薦を受けず支持にとどめました。自公の大物議員の応援演説はほとんどなく、新潟県入りしても組織固めの“黒子”に徹し、まさに「新潟のことは新潟で決める」を実行した選挙戦だったのではないでしょうか。
一方の池田陣営はメディアやネットを見る限り野党議員達が候補より目立ってしまっていたと感じました。これでは「新潟のことは新潟で決める」からかけ離れて、中央の代理戦争という野党の意気込みと姿勢が浮き彫りとなってい待ったように思えます。
新潟県民もこれに違和感を感じた人が多かったと思います。
森友等の問題で確かに与党は逆風に立たされましたが、野党も18連休のイメージは根強く残っていたという事でしょう。そんな人たちが前面に出て戦ってしまえば新潟県民の方々も困惑したと思います。

あと、率直に思ったのは池田氏は今回の選挙に対し市議を辞めておらず、落選しても市議を続けられるのに対し、花角氏は背水の陣で臨んだ覚悟の違いもあったのではと感じました。

ネットの声

【新潟知事選】「安倍政権への批判の声は今回の投票でも示された」　立民など野党から敗戦の弁